マテリアル・ワールド
「はあああああーーっ」
気合いを入れながら、僕はエルエルの下でマナを練る。上を見ると浮いてるエルエルのスカートの中が丸見えだ。カンチョーしてやろか。まあ、跳んでも届かないけどね。ついつい雑念が混じってしまうけど、順調にマナは収束している。使う魔法はディスペルマジック。魔法効果を打ち消す魔法だ。その魔法に通常使用するマナの100倍以上を込めてやる。魔法は絶対的な効果をもち、それは世界を変革する。ディスペルマジックの最終形。
「な、なにこれ!」
エルエルが下を向く。けど、もう遅い!
「世界よ変革せよ! 『魔法の無い世界』!!」
僕はエルエルを威嚇しようと思って、カンチョーの構えで天を突く。掲げた僕の両手から白い光が溢れる。そして、それは両手の人差し指に集まり弾ける。全ての魔法、魔法効果を打ち消し、しばらく使えなくさせると思われる世界魔法。
世界は絶対。
始まりが結果。
この世の者は世界の理からは逃れられない。
光が広がり、部屋のすべてのものを包み込む。
「うわ、落ちる落ちる落ちる」
上からエルエルの声がするが、目が眩んで見えない。しくった。なんで目を瞑って無かったんだろう。多分奴は魔法系の能力で飛んでいたから落ちてくるはず。そこをタッチで僕たちの勝ちだ。天を突いたカンチョーの構えのままだけど、さすがに、まさか、ドンピシャでこの上に落ちてきたりはしないだろう。
ブスッ!
ボキッ!
「うおおおおおおーーーーっ!」
僕は激痛でつい叫んでしまう。
「ぎゃああああああーーーっ!」
僕に覆い被さったものもまるで獣のように叫んでいる。
くっ、くそっ! なんてこったい!
指が! 指が折れちまった! 指が焼けるかのように痛い。涙が溢れる。マリーはすぐ涙がでる。
まさか、真上に落ちてくるなんて!
しかもなんか一瞬指が生温かいものに包まれたような。
止めよう、下品過ぎるからこれ以上は考えるのを止めよう……
僕とエルエルは組んずほぐれつのたうちまわる。
ぢ、地獄だ……
「殺す! 殺す! ぶっ殺す!」
剣呑な言葉を吐きながら、お尻を押さえてビッタンビッタンのたうちまわる天使のような生き物。もはや威厳もくそもあったものじゃない。その顔は涙でぐしゃぐしゃだ。僕も同様だろう。
「見た?」
サリーが腕を組んで立っている。
「見たぞ」
その隣でシェイドが肯いている。
「ものの見事に刺さったわね」
「うん、堕ちた堕天使にジャストミートしてたな」
「うわ、やば、マリーちゃん、指、指!」
駆け寄って来たサリーが僕の指見て驚いてる。明らかに両手の人差し指が明後日の方向を向いている。見なきゃ良かった。ヤバい、痛みで脂汗が止まらない。
ボキッ! ボキッ!
「うっぎゃーーーーーっ!」
サリーが無理矢理僕の指を引っ張って伸ばす。
「もうっ。馬鹿な事するからよ! タッチヒール」
涙ぐむ僕の指を握って癒してくれる。
「お前も大丈夫か? カンチョー堕天使。ほら、タッチヒール」
シェイドはエルエルのお尻を治療している。
ウシオは腕をくんで目を瞑って無言で立っている。基本ウシオは下ネタスルーだもんな。
読んでいただきありがとうございます。
この作品は、他サイトのノベルピアさんで三話分先行配信させていただいてます。
あちらではプラス登録という契約をしてますので、ログインしていただかないと最新話は読めないのですが、登録無料ですのでぜひお手数ですがログインお願いします。
これから最低でも2週間に一回は更新しますので、応援よろしくお願いしますっ!
下のマリーちゃんの表紙絵が私の作品の目印ですっ!(´▽`)ノ
あと、下にノベルピアさんへのリンク貼ってますので、ぜひ来てくださーい! よろしくお願いしますm(_ _)m
https://novelpia.jp/novel/2067
最後に、みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




