アナ帰還
「やっと帰ったぞ。マリー風呂だ風呂にしてくれ」
やっと、アナが帰って来た。仕事帰りのサラリーマンのような事言ってやがる。アナは全くさっきと同じ姿だが、アナのパーティーメンバーは見るからにボロボロだ。ひっでぇ目に会わされたんだろう。アナだもんな。
彼女らは特に服がヤバい。手で上手に押さえてるから下着は見えて無いが、こりゃ体操着確定だな。アナが選んだだけあって可愛い目の女の子たちなので、少し可哀想だ。
「遅かったじゃねーか」
「そりゃあ、当然だ。このフロアの魔物を全部狩って来た。見ろよこの金額」
アナが出したカードには約1000万円の数字が……
嘘だろ。稼ぎすぎだろ。なんと、アナが金持ちになっている。パーティーでお金は分割って事は……
アナのパーティーメンバーもドヤってカードを見せつける。おい、下着見えてるって。どうやって戦ったのか分からないけどすげー。アルスが持ってきた服を渡して、希望通り風呂に行かせる。
そして、飯の準備をする。ウシオが購入してきた皿に居残り組が作ってた飯とカレーをよそうけど、1つ困った事が、どうしても量が少ない。34人分は決して無い。ベルが僕たちをじっと見ている。
「マリー、心配しないのかしら。ベルに任せるのかしら」
慈母のような笑顔で僕を見るベル。何をする気なのか分かったけど、ツッコまないどこう。僕らが食べるのはカレー。絶対に男共の食料を見ない方がいい。間違いなく食欲0になる。
カレーをよそい終わると、なんとか20皿と少しはあるけど、男共はみんな同じものがいいだろう。
まあ、ウシオと、女子の服を手に入れてきたアルスは特別にカレーだ。
僕たちはリビング、道場などで思い思いの場所でカレーを食べる。うん、美味しい。見渡すとだいたいさっきのパーティーメンバーに分かれている。
僕たちが食べている場所は道場で、サリー、シェイド、エリー、ケリー、ウシオ、アルスがそばにいる。ベルはいそいそとカレーを掻き込んで男共の飯の準備に行った。
「ねぇ、マリーちゃん、男の子たち大丈夫かな? なんかとてつもなく嫌な予感しかしないわ。今、シェイドの部屋のホストはジャメウだからパソコン部屋で見てみない?」
「ジャメウって誰だ?」
「あの、ちっちゃくてコロッとした男の子よ」
ああ、チビデブ陰キャか。多分名前聞いてもすぐ忘れるな。そういえば、シェイドの部屋のホストの見てるものをスクリーンかパソコンに映せるって言ってたな。僕たちは、パソコン部屋に移動する。




