着替え
「なに、なんなのコレ」
サリーが絞り出すように口を開く。
「ああ、それから開けたのか。それは仕立屋のお姉さんが勝負下着って言ってたヤツだ。それが一番高かったよ。女って大変だな、戦う時って違う下着つけるのか? まあ、その穴は俺たちの下着の社会の窓のようなもんか。穴開いてたら用を足しやすいもんな」
社会の窓っていつの人間だよ。今日びその意味分かる人いるのか? それより、こいつ鈍すぎるだろ。勝負下着の意味も知らんのか? まあいい。そのまま純粋な少年でいてくれ。けど、コイツ、これだけ大量の女子の下着を見てなんともないのか? 僕だったら進化しちまうと思うが?
「あれっ、なにこれ! タグに付箋で名前書いてある!」
ケリーが一際下品なヤツを手にする。ほぼ紐しか無いヤツだ。ん、マリーって書いてある。
「あっ、そうそう、俺のパーティーにすげぇヤツがいて、そいつ女子全員の名前とスリーサイズ知ってたんだよ。だから、その下着、全員分あるしサイズもぴったりなはずだ。分かり易いようにタグに名前付けてあるぞ」
「で、なんで僕のはほぼ紐なんだ?」
「あ、テイラーの姉さんが言ってたよ。女の子はなんだかんだ言って紐が大好きだって。自分が思うようになるのも好きなもんだってな」
ああ、こりゃ間違いなく服屋の姉ちゃんにからかわれて遊ばれてたな。ヒモはヒモでもそりゃ、ジゴロやツバメって意味の方のヒモだろ。なんか言おうにもなんかアルスが可哀想になってきた。もっと社会勉強しようよ。
「それより、みんなのサイズ知ってるって気持ち悪いわね。もしかして覗き魔?」
サリーが眉を寄せる。
「あっ、あたしの可愛い! アルス君ありがとう。マリーちゃん、今晩これ付けて寝るわよ」
サリーの名前がついたピンクのフリフリの下着を見つけて、ぱあっとサリーの顔が明るくなる。それ、スケスケだから勘弁して欲しい。鼻血吹いて気絶してしまう。
「まあ、なんかすごいけど、他のも開けてみようよ」
ケリーに促されて僕たちは他の袋も覗き込む。もう一つは普通のシンプルな下着、もう一つはゼッケンがついたスク水。もう一つは男の希望、ブルマと体操着だった。
「これは、なんなの?」
サリーがブルマをビョーンとする。
「昔の体操着らしい。着心地が良くてリラックス出来るってお姉さんは言ってたよ」
確かにリラックス出来ると思うが、それは着た方じゃなくて、見る方がだよな。
それにしても、なんて、高レベルなものばっか買ってきてるんだ。けど、これだけのものを人数分たったこれだけの時間で用意出来るなんてすごい仕立屋だな。
マップ貰って行く事にしよう。好みの服を作って貰えそうだ。
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