決心
「ねぇねぇ、さっきから話に出てくる精霊女王って精霊女王様なの?」
ケリーが小首をかしげてる。かわいい。
「多分そうだ。その精霊女王だ」
精霊女王、妖精を統べるという伝説の存在。けど、そんな大それたものじゃない。前回の精霊女王との絡みをざっくりとエリーとケリーに話してやる。
「よく、生きてましたわね」
「ボクだったら、多分生きて帰さないね」
まあ、エリーとケリーが言う通りだ。精霊女王が動ける状態だったら、お仕置きされても文句言えないような事したしな。
「現に生きてるし、また一泡吹かせてやる予定だよ」
今回の嫌がらせの分は最低でも仕返ししてやる。
「まあ、何でも願いをかなえてくれるって魅力的だけど、ボクたちには関係ないね」
「そうよねー。伝説の迷宮の最下層まで行くなんて無理よね」
「え、何言ってるの? あんたたちも一緒に行くのよ!」
サリーがさも意外そうに言う。その言葉に僕も続ける。
「そうだよ。A組を倒すんだろ。それにはこの迷宮はうってつけだ。クラス全員で最下層まで行ってやる! あ、クラス全員っ! ウシオの子分共の事忘れてた」
「あいつらなら、後で回収しましょう」
久しぶりにウシオが口を開く。まあ、ウシオがそう言うならいっか。
「でもさ、A組倒すって、1週間で強くなるなんて無理だよ」
ケリーが拗ねたような声を出す。
「そうか。じゃ、どれくらい時間があればいいんだ?」
「せめて一ヶ月、いや、二ヶ月、三カ月くらいないと何も変わりませんわ」
エリーはヤレヤレのポーズをとる。
「そうか、けど、一ヶ月で強くなって貰う」
「一ヶ月たったら、学園追放ですわ」
エリーが悲しそうな顔をする。
「そもそも、お前らって何のために学園に入ったんだ?」
まあ、僕は成り行きだが。
「魔道士になるため?」
ケリーは疑問形。こりゃなんとなく生きてるな。
「強い魔道士になるためかな」
エリーもたいして変わらんな。
「じゃあ、お前ら別に学園卒業しなくても問題ないだろ。これから一ヶ月後にはお前らはA組より強くなっている。魔道士としてはどこでも就職出来るような強さになっている事だろう。だが、お前らには学園も卒業してもらう」
「マリーちゃん、言ってること支離滅裂だよ」
まあ、ケリーが言う通りだな。普通はそう思う。
「あ、分かったわ。アナたちが使ってた修行部屋ね。一日が一ヶ月になるっていう」
「正解だ。サリー」
「でも、大金貨10枚、ようは百万円かかるんじゃ?」
「魔石にお金がかかるって母さん言ってたよな。僕がその魔石の代わりになればかなり値切れると思う」
「やる事が見えてきたわね。まずはお金を稼いで、次は修行部屋にG組のみんなを入れて、その間にあたしたちは迷宮攻略。そして修行が終わったら合流して、最下層を目指す。これを1週間でやる訳ね」
「ああ、やっと道が見えて来たな。エリー、ケリー、残念だが拒否権は無い。僕たちに付き合ってもらうぞ」
「わかったよ」
「わかったわ」
2人は軽く了解したが、これからどんな地獄が待ってるか想像出来ないだろう。僕は昔の自分の修行を思い出して、ゾッとする。二度とやりたくは無い。
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