帰路
「フルポテンシャル!」
教会の両開きの扉から出るなり、サリーは魔法を使う。確かこれは潜在能力を解放するやつ。僕たち四人は体が薄く黄金色に光る。良かった制服で。この魔法って色が薄い服着てると透けるんだよね。
扉の外は地面が土の広間で薄暗くコウモリが飛んでいる。境界から続く道は扉に続いていて、それを挟むように墓石がちらほらある。洋風の地面に石をおいたようなやっだ。墓地か。はっきり言ってさっきのヴァンパイアロードエビシは教会よりここらに立ってた方がお似合いだ。
「マリーちゃん、多分そこまでえげつないとは思わないけど、一応警戒しててね」
サリーはボクシングのような構えをとりつつ、ゆっくりと前に進む。その後に僕、ケリー、エリーが続く。まあ、何にも気配はしないんだけど、マリーはキラと違って鈍感だから何とも言えない。果たして何事も無く扉にたどり着く。
「マリーちゃん、マップ貸して」
僕は僕の収納部屋のマップである、名札を渡す。そして、墓地部屋を出て振り返り、なんかマップにできる小物を探す。ん、良い物が何もない。
「教会のマップを作りたい。なんか要らないものないか?」
「んー、アメちゃんくらいしか無いよ」
ケリーが僕にアメをくれる。まあ、墓地なんて滅多に来ないと思うからいっか。アメを墓地への扉に当ててマップにする。間違えて食べないようにしないとな。
そして、また、サリーを先頭にジリジリと進む。墓地の先はさっきと同じく左右に走る道で壁には沢山の扉がある。サリーは即座に右を選んだ。正解の扉が見えてるんだろう。どうでもいいが、構えて進むサリーはなんか昔のレトロゲームの空手家みたいだ。確か構えてないで戦うと一撃死するやつだ。あんな不自然な動きするのはゲームのキャラだけだと思ってたけど、今ここにいる。
「ねぇ、マリーちゃん。今なんか失礼な事考えてたでしょ」
サリーが振り返らずにはなす。
「いや、そんなに失礼ではないよ」
なんで分かるんだ?
「マリーちゃんの事ならなんでも分かるのよ」
心読まれてるのか? けど、こんなにピリピリしてたららちあかないな。
「なんか気配察知系のスキルがないと面倒くさいよな。アナがいれはな」
「そうね。どうにかして、シェイドとアナと合流して、気配察知もちがいるパーティーだけ探索するようにしないとね。あ、見て。先にブルースライム。けど、良かったわ。この扉が正解よ。早く入って」
扉を開けてサリーをしんがりにそれをくぐる。サリーが入ってきて扉を閉めた時には結構僕はドキドキしていた。スライム怖い。
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