第二十三話 ダンジョンの考察
「今日はこの後もダンジョンに潜りたいけど、みんなどうするか?」
今はまだ、昼下がり。時間はある。
「あの、ダンジョンにはおかしな事が多すぎる。レアモンスターを出して、僕たちの気を引いたり、僕たち出なければ倒せないような敵を配置したり、あきらかに誰かの意思を感じる」
「それって、自意識過剰じゃないかなー?」
「サリー、じゃあ、金カブは駆け出しで倒せるか? ガンダーフの迷宮の上層は、学園の学生のトレーニングのために、昔学園の創始者のガンダーフが作ったって買い取りのお姉さんが言ってたけど?」
「そうね、おかしいわね、記録によると、そんなに強い階層主が10層に現れた事はないらしいわ」
先生が答える。
「もしかして、あたし、褒められてるの?」
金カブ改めシャルが喜ぶ。因みに今はマントじゃなく、ふりふりのワンピースを着ている。
「そうだ。お前はいい子だからな」
アナが立ち上がって金カブを撫で撫でする。アナの金カブの溺愛ぶりは半端ない。金が好きなんだろう。
「それで、誰の意思で何のためにそんなことしてるの?」
「サリー、それを確かめに行くんだ。多分、創始者ガンダーフ関係の者で、狙いは僕たちが迷宮を攻略する事。その者の目的はわからないけど、僕たちに望む事は迷宮に入る事。上手く、じらしながら、あっちの出すご褒美を最大級にいただきたい。けど、上層ではしょぼいから、早くもっと下層まで行きたいのだよ」
「そうね、マリーちゃん達、レアモンスター金2回と銀1回倒してるでしょ、記録によると金や銀は高等部3年間で1回遭遇したらラッキーって言われてる位の低確率よ、3回はおかしすぎるわね」
先生が乗り出してくる。これで、先生も協力してくれそうだ。多分僕らの中で一番強いからこれで安心だ。
「僕は、偶然は2回までは偶然やラックによるものだと思うけど、3回は必然、誰かの意思が関与してると考える。スキルポーションに、ソーマ、そして今回はリザレクションとマジックフルポーション。稼げるし、僕たちを強化出来るだろう。現に金カブ、シャルという、本当にかけがえのない仲間に出会えたし、これで、臭くてきったないイカに乗らなくても死王の城に行く事もできる」
「あの、臭くてきったないイカは少し傷つくんですけど……」
イカが少し悲しそうだ。けど、事実だ。
「安心しろ。お前が汚いじゃなくて、お前の粘液が汚いんだ」
一応フォローしとく。
「じゃ、そろそろ行こうか、準備があると思うから、1時間後にダンジョン管理室で」
僕たちはレストランを後にした。
読んでいただきありがとうございます。
みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




