第十三話 キラ入学
そのあと、アナとサリーの話はまだまだ続きそうなので、暇つぶしに別室でウニとトレーニングする事にした。
「ニードル!」
ウニの十八番は、ウニのトゲを飛ばす事だ。
エグい事に麻痺毒つきだ。
トゲをかわしたとたんウニが消える。
気配が微塵もしないかなり高レベルの隠形だ!
「マジックミサイル! メイロシュトローム!」
僕の唯一の攻撃魔法。極めた魔法の矢は、僕を中心に螺旋を描き広がる。
「いてっ!」
ヒットしてウニが現れる。
「邪神化! サウザンドニードル!」
ウニが大きな『うに』になる。そして、のべつ幕無し『うに』の刺を放つ。
「マジックミサイル! シューティングスター!」
僕の魔法の矢が、全ての刺を撃ち落とす。そして『うに』にヒット!
「にーちゃん! くそ強ええ!」
ウニは子供に戻る。
ウニやばい!
こいつ強い!
「終わったみたいよ」
シェイドが呼びにきた。アナがやっと出て行ったらしい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
話し合った結果、マリーだけじゃなくキラも学園に入学する事にした。さすがにマリーがキラに変身した時にキラが学園の無関係者だったらまずいだろうと言う事で。
サリーだけで、学長室へ向かい、部屋の前でシェイドの部屋から出る。キラの入学を希望すると、今度は学長先生に結界がはってある攻撃魔法実験室に連れて行かれて、魔法を披露する事になった。
「まじか! 本当にそれが最弱の初歩魔法のマジックミサイルなのか?」
学長先生は本気で驚いてる。最弱魔法で周りをあっと言わせるという、異世界転生のテンプレを堪能する。
問答無用でキラはAクラス入りを認めて貰った。ややこしいぞ、キラはAで、マリーはGか。
また、売店で採寸して、時間つぶしに昨日の商店街で買い物をする。そのあと、制服に着替えて、サリーに学園を、案内してもらった。さすがに手は繋いでない。
学食で昼食をとって、僕たちは二手に分かれた。僕とサリーは学内散策。シェイドとウニは、ウニの入学手続きだ。
今はまだ、アンデッドハザードのおかげで、教職員が出払っているので、臨時休校だそうだ。
サリーが御手洗に行ってるときに、なんか人だかりが出来てるので、行ってみる。
中央に黒髪の少女がいて、それを十重二十重に男が囲んでいる。男達は、つぎつぎに襲いかかるが、ことごとく吹っ飛ばされていく。
中央の少女は見知った顔、モモさんだ。制服がとっても似合っている。少し見とれるが、こいつはいかん。
何弱いものいじめしてるんだ?
百人組み手か?
僕は加速して、モモさんの頭をペシッとたたく。
「あああああああああーーっ!!」
そこにいる皆が大絶叫する。
「あなたは、一度あった事がありますね。仕方ないです。約束は約束です。デートします。明日16時南門で待ってます!」
モモさんは、矢継ぎ早に言うと、顔を赤くして走って行った。なんなんだ?
そばにいる奴に話を聞くと、ギル王子がとてもしつこくモモさんにデートを誘ってて、きれたモモさんが自分に触れたらオッケーと言ったそうだ。その噂が広まり、誰でもモモさんに触った者はデートをして貰えるって話にねじ曲がり、大勢の男子がそれを狙い、昼夜を分かたず襲いかかってたそうだ。何だそれ? で、僕はどうしようか?
サリーと合流し、相談する。
「行くしかないんじゃないのかなー? モモだししょうがないよ……」
かくして、明日モモさんとデートする事なった。少し、いや、かなり嬉しい。
ギル王子の用事を済ませるため早めに決闘場に行くとかなり人がいた。1人捕まえて理由を聞くと、王子が放送とか色々つかって、喧伝してるそうだ。自己顕示欲高いな。全く迷惑な奴だ。
しばらくすると、ギャラリーがどよめき、ギル王子が決闘場に現れた。
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