第一話 とりあえず焼き肉
「遅いじゃないですか! とってもとってもとってもとっても心配したんですよ」
シスターリナは僕に抱きつく。なんかビミョーにヤンデレ臭がするのは気のせいだろうか?
「お母さーん!」
「ママ!」
「母ちゃん!」
子供たちが泣きながら僕を囲む。凄く心が痛む。やっぱ、おっぱいデカいと母性本能がわくのだろうか?
「遅くなってごめんね」
僕も涙が溢れ、子供達を順番にはぐしていく。ぶっさいくな奴もいるのに、こいつら可愛いすぎる。
「飯食ったか!」
「「まだー!」」
「それなら。今から焼き肉大会じゃい!」
僕は、天を右手で突く。ぶりんと僕のスライムが揺れる。それにしてもIQひっくい会話だな。
「「おー!」」
子供たちも含め、皆、右手を突き上げる。
「牛男! ベル! グリラーを作れ!」
「「りょーかい!」」
牛男とベルは庭に行く。子供たちの年長組もそれに続く。
「リナ! こっちに来い!」
僕はリナの手を引いて、応接室へ行く。そして、応接室のテーブルに大金貨70枚を出す。後の30枚は、牛男とベルと僕で山分けする予定だ。
「何ですか。この大金!」
リナは目を丸くする。目がデカいから目ん玉飛び出そうだ。
「当面のここの運転資金だ。商会から勝ち取ってきた。そのせいで遅くなったスマン。その内10枚はお前の物だ!」
リナは卒倒しそうになる。それを抱き支えてやる。柔らかい。役得だ。リナも可愛いすぎる。
「ふにゃー夢みたいですー! 昨日まで悪夢だったのに」
「おいおい。気をしっかり持て、今から飯食うぞ」
腰砕けたレナを連れて中庭に行く。金網を出して焼き肉の準備をする。今日の焼き肉は炭火だ。たき火で炭を作り簡易コンロのに集めその上に金網を置いて、そこで焼くことにする。米は時間くうので、収納から大量のパンを出す。パンはコンロで温めて好みで肉を挟むスタイルだ! ヒャッハー!
まずは、ジュースを全員に配る。
「これからのサンマルコ寺院の繁栄を祈って。あと、今日の勝利を祝して。乾杯!」
僕が乾杯の音頭をとってからの。
「手を合わせてください! いただきます!」
『「「いただきます!」」」
いただきますは、リナに仕切らせる。
収納から焼き肉のタレ、野菜、仕込んでたロースとカルビをだす。皿に盛り、どんどん牛男に焼かせる。
鶏もも、豚バラも切って焼く。あと、牛ホルモンのミノ、センマイ、小腸とかも焼く、硬いホルモンは、包丁で切れ目を入れてるので、子供でも食べられる。
僕が材料を切って牛男が焼くが、どんどんみんな食べるので追いつかない。皆が撃沈したときには、もうマニアックなホルモンしか残って無かった。僕と牛男は、牛の肺のフワと、ハチの巣などの癖の強いものを食べる。けど僕の中では、人生でトップクラスに美味しい食事だった。
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