第十三話 激戦
「「野球ーすーるなら♪ こーいうぐあいにしやしゃんせー♪」」
ピアノの音に合わせて、僕らは大声で歌う。
女の子と野球拳をする。それは男のロマンのうちの1つだが、こんな感じで実現するとは……
いつか男の体でかわいい女の子とデュエルしたいものだ……
「「アウト! セーフ! よよいのよい!」」
投球フォームからの僕はチョキ。
ルドラはパーだ。
「ブーブーブーブー!」
ギャラリーから容赦ないブーイングが飛んでくる。
「おおーっと! まずは、聖女マリー、1勝! ルドラ、開始早々ハンデを失なったーーっ!!」
ルドラはジャケットを脱ぎ投げ捨てる。
「せっかくのアドバンテージ、すぐに無くなったわね」
雰囲気作りで、まだ僕は女の子言葉だ。
「なあに。少しスポットライトが熱くてなー」
ルドラは、手で自分をあおぐ。
「分かったわ。もっと涼しくしてあげるわ。暑苦しい体型ですものね」
僕は朗らかに笑顔で返す。
少し頭を使う人は最初にパーを出す。統計では、最初にグーを出す確率が高いと言われている。出しやすいからだろう。ギャンブル好きが多い裏社会の人間はこれ位くらい知ってるだろう。勝率が高いパーを美味しくいただきました!
「ポン、ポン、ポポン、ポ、ポポン、ポポン♪」
ピアノの前奏が始まる。
「「野球ーすーるなら……」」
「「……よよいのよい!」」
僕はグー、ルドラはパーだ!
「ルドラ! しょーーーうりー!」
「「「ウワアアアアアアーーーッ!!」」」
会場は割れんばかりの歓声につつまれる!
「美少女コンビ何から脱ぐのかーっ!」
「おっと、エルフのプリンセスベルサイユ、ぬいぐるみをベッドにおき、両手を上着にかける!」
「豪快に脱ぎましたー! なんと! 白雪のように真っ白の素肌にマイクロな黒のブラジャー! しかもよくみるとかなり布が薄い! 透けてまだ未成熟な中身がみえそうだー!」
また、会場が熱狂に包まれる。
「なんて背徳的な姿でしょう! ほんのりと桜色に染まっている。天使! 天使降臨!」
「……うるさいのかしら……」
ベルは胸を隠している。なんと、ベルにも羞恥心というものがあったのか?
「おっと! 次は巨乳聖女マリー! スカートに手をかける。脱ぎましたー! おお! 下着は白! 白い足に清楚なショーツ! よくみると真ん中が食い込んでいる。ブラウスからのぞく奇跡のトライアングル! なんて扇情的なのでしょう! まさに女神! 今まさにここシャングリラに新しい女神が誕生しましたー!」
なんてやらしいナレーションするのだろう。僕もついつい恥ずくて隠してしまう……
次は、僕グー、でぶチョキで、でぶは上着を脱ぎ、上は肌着になる。汚い。
次もチョキとチョキのあいこのあと、パーとグーで僕の勝ち。でぶは、毛の生えてたるんだ、きったねー上半身を晒す。
誰得やねん!!
でも、これであと2回勝てば勝利だ!
「ルドラ! 勝利ーーーーーッ!!」
「ウオオオオオオオオオーーーーーッ!!」
ギャラリー大喜びまくりだ!
僕はパー、でぶチョキ……
や、やっちまった……
「おおーっ! 待ちに待ったこの瞬間がやって参りました。いとしのマリー様、背中のボタンを外す! おおっ脱ぎましたー! 白いブラジャーです」
「包まれてる果実はメロンなのか!」
「否!」
「スイカなのか!!」
「否!!」
「超巨大ぷるるんスライムだーーー!」
じゃっかましいわ。けど、確かにスライムと言えばスライムみたいではある。
「おおーっと! ベル様もスカートに手をかける。落ちた落ちた! 禁断の封印が今大地に落ちました! 予想してましたが、やはり黒! 最小限の面積しかありません! よくみると微かに透けている! 全てのスポットライト、ベル様にターゲットロックオン!」
「きゃあ!」
スポットライトを浴びて、ベルは胸とお股を押さえてしゃがみ込む。その可愛らしさが背徳感を助長する。
「フハハハハッ! そんなに恥ずかしがらなくても、最終的には全部脱ぐんだからな! お前らが勝ったら、わしは見逃してやってもいいが、観客の皆様は納得しないのではないかな!」
「何言ってるの? 全部脱ぐのは、あなただけよ! さあ、勝負続行よ!」
僕はルドラをビシッと指差す!
負けてたまるか! これは絶対に、負けられない!
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