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第48話 海賊の襲撃②

グランデプロフィット号から離れながら盛んに燃え上がる海賊船。自分達の船が炎上する様に唖然とする海賊共。船上での戦力差はまだまだ海賊側に傾いているものの、帰るべき船を失った海賊共に対して船員勢は勢い付く。


その間、俺は船端を渡って海賊共の背後に回ると、右舷通路上での戦闘に加わり背後から海賊共を斬り殺していった。


「後ろからとは卑怯だぞ!」


「笑止!海賊に言われたくないわ!」


そんな煽りに乗る俺じゃない。船員勢と俺に挟撃された海賊共は、両面から一人、また一人と倒されてついに全滅。


「済まねぇな兄さん。助かったよ」


「いいって、こんな状況だ。俺は前甲板に加勢に行くからここは任せた」


「おう、任された。無理すんなよ!」


俺は現場を海坊主のようなスキンヘッドの水夫長に任せると、右舷通路を前甲板へと駆けた。


〜・〜・〜


グランデプロフィット号の進路を遮ったもう1隻の海賊船は、次々と矢をこの船に射掛けると、更にこの船の左舷に接舷しようとしていた。僚船が失われたためグランデプロフィット号の占拠を急いだのだろうか?


しかし、海賊船の舵取りは絶妙な腕前と言って良く、その後、見事(?)に接舷を成功させて海賊共を送り出してきた。


既に乗り込んでいた海賊共が接舷箇所を確保していたため、船員勢は海賊の移乗を阻止出来ず。俺はソードガンで海賊船の帆に炎を纏わせた魔力弾を撃ち込んで火災を起こす。


突然、帆が燃え上がり、消火活動に追われる海賊共。しかし、この世界にはD級ポンプも無ければ、ホースも管鎗も自衛消防隊も無い。高い位置で燃え盛る炎を消火するにはマストを切り倒すしかない。


あ、海賊に水魔法の使い手がいるようで、水流を勢い良く吹き上げて帆の炎を消しやがった。


海賊船の甲板上を見るとローブを纏ったいかにもな魔術師の姿があったので、ソードガンの連射で瞬殺。更にその周囲にいた海賊共もついでに射殺。


この事態に形勢不利と見たのか、海賊船からは「撤収だぁ!」の声と共にラッパを吹く音がけたたましく響く。船員勢はグランデプロフィット号に乗り込んでいた海賊共を逃がすものかと攻勢を強めた。


撤収命令が出た海賊共は、接舷していた自分達の船が離舷しようとしている事態に慌てたのか、身一つで海に飛び込んで海賊船へと泳ぎ始める者もあった。


海賊というのは常に海上で船を襲うだけではない。海上保安庁にも地上捜査員がいるように、必ず地上に港に海賊の連絡員や潜入員に協力者(スパイ)などがいて、そいつらが齎す情報によって効率良く稼げる船を狙っているのだ、と海上通商史を専攻してたアクションヒーロー同好会の先輩が言っていたものだった。


であるならば、今回の襲撃も事前にこの船の積荷或いは金になりそうな乗客についての情報が海賊に漏れていた可能性が高い。


そして、ここで海賊を逃したならば、自分達の襲撃を散々に妨害した俺の顔が海賊に見られている以上、奴等を生かして帰すと報復やら何やらで煩い事になるだろう。


(うん、皆殺しにするしかないな)


俺は懸命に泳ぐ海賊共に向けてエレクトロファイヤーを更に電圧を上げて見舞ってやった。


バリバリバリバリと鳴る電撃は海上を一瞬煌びやかに光らせると、海上からは複数の「ギャー!」という悲鳴が上がり、泳いでいた全ての海賊が仰向けに或いはうつ伏せになって波間に大量の魚と共にその骸を浮かべていた。いや、魚には申し訳ない事をしたけど。


乗り移った海賊共は、自分達が乗って来た海賊船が離れ、海に飛び込んだ連中も電撃で皆殺しにされたので戦意を喪失したのか船長に降伏を申し入れた。


こうした場合、習慣では船長は原則として降伏を受け入れて海賊を武装解除して捕縛しなければならない。しかし、何といっても場所は海の上(ここは河口だけど)、何が起きたって陸の誰にもわからない。監視カメラもドラレコも無いしね。


とはいえ、船長には船内での犯罪に関して裁判権があり、賞金首や海賊の幹部なんかでもない限りは船上の即決裁判で皆殺しになるのが殆どだそうだ。


降伏した海賊を奴隷に売る、なんて手もあるそうだけど、港に着くまで限りある飯を食わせ水を飲ませなければならず、排泄もするし、汗と垢で臭い。しかも隙を見て逃げようとしたりと、面倒この上無い。だったら仲間を殺した憎い奴だし、殺してしまえ!となろう。


なので、降伏した海賊は船長の管理下に置かれるにしても、あの海賊船を逃すと厄介なので、海賊共々海の藻屑になって貰う。


「ドラゴンヘッドアーム!」


俺はソードガンをドラゴンヘッドアームに変形させ、ドラゴンヘッドアームと一体になった左腕に魔力を込め、離れつつある海賊船に向ける。


「因果応報だな、悪く思うなよ。喰らえ、ドラゴンブレス!」


左腕のドラゴンヘッドアームに込められた大量の魔力は炎に変換される。そして龍の口が開くと灼熱のドラゴンブレスとなって海の上を突き進み、本格的な逃走に移行しつつあった海賊船を呑み込むと、塵一つ残さず消滅させた。


ドラゴンブレスが収まった海上に海賊船の姿は無かった。ラジャータがドラゴンヘッドアームから元に戻ると、グランデプロフィット号の船上ではブレスが衝撃的だったのか、海賊は元より、船長から水夫まで一様に息を飲んで黙り込んでいた。静まり返った甲板にはただ帆が風を受けてギーッとなるマストの音だけが鳴り響いていた。


さて、これで脅威は排除出来たからメルを船室に迎えに行くかな。

いつも『アクションヒーロー』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみに!


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