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第127話 親衛隊、爆誕!

ソフィア第3王女殿下護衛の依頼を引き受けた。その期間はジギスムント王国軍のローメリア帝国への援軍派遣からソフィア殿下の帰還まで。


ソフィア殿下の護衛に関しては身辺警護を近衛騎士団から派遣される女性騎士ばかりで構成される白百合騎士団が担当し、俺達は自由裁量権によりフリーハンドの、しかし、ソフィア殿下の求めにより勇者パーティへの助力やらその他の活動にも従事するというものだ。


依頼に対する報酬は白金貨で、ええと、うん、まぁ分かりやすく無理くり日本円に換算すると支度金も含めて2億円ほどになる。


依頼が達成されなかった場合の罰則は依頼を放棄した場合を除き特に無い。ソフィア殿下の身辺警護はそもそも白百合騎士団が担当しているのだ。だから俺達の護衛依頼が達成されない場合というのは友軍の前線が魔王国軍によって崩壊し、カブラチッド回廊の帝国側の要塞が落とされてソフィア殿下が魔王国軍に捕らえられるか殺されるかといった場合となる。そうなると冒険者パーティにどうこう出来る事態では無いからな。


それによって冒険者の等級も下がる事も無い。強いて挙げれば俺の評判が下がるくらいかな。


まぁ、仮にそのような事態になっても俺、というか俺達「猫連れ」ならソフィア殿下とエミリーを逃すくらいならどうにか出来るけどな。


契約が結ばれたけど、このギルド本部での会合は終わり。参加者は引き揚げに取り掛かるかと思いきや、忙しいのか早々に引き揚げて行ったのはブラーシュ子爵のみだった。


ソフィア殿下はもう少し俺達と話がしたいとそのまま貴賓室に残っている。流石に王族からもう少し貴賓室を使いたいと頼まれたらギルドマスターも断れない。


さて、ここで問題となるのが「自由裁量権により白百合騎士団とは別部隊を立ち上げる」だ。これは俺達「猫連れ」が白百合騎士団の指揮下に置かれて不当に扱われる事を防ぐためと、俺達を実質上ソフィア殿下の直轄部隊とするためな訳だけど。


「別部隊と言っても」


「私達、3人しか居ないわよ?」


アイーシャとメリッサが不安気に呟くと一斉に俺の方へと振り返る。


「まぁ、そうだな」


そう、俺達「猫連れ」は3人のパーティ。メルは白猫姿で、俺がテイムした使い魔と思われているからメンバーと言え無い事も無いけど。


能力的、戦力的にこの3人でも構わない。しかし、白百合騎士団とは別部隊という事となると3人という少人数では他から軽んじられ、交渉事などでも相手にされなくなる。しかも、実際にソフィア殿下から下命があったり、戦闘に及ぶような場所、幾ら俺達の戦闘力が高かろうと多勢に無勢で不利となる。動ける人員が多いに越した事は無いのだ。


「お兄さま、ラース辺境伯様に人数を借りるか、誰かしらギルド本部に冒険者を紹介して貰う?」


「いや、どちらもお断りだな」


折角提案してくれたエミリーには悪いけど、元寄親のラース辺境伯から人数を借りたならば、忽ち俺は辺境伯の紐付き扱いになってしまう。ギルド本部に冒険者紹介を依頼したら、それは恐らくビジネスライクに対応するだろうけど、ギルド本部に借りを作る事となって後々面倒だ。


まぁ自分で言うのもナンだけど、俺は王都の冒険者達から敬遠されているからな。幾らギルド本部から勧められても好き好んで俺の部下になりたい奴なんていないだろう。


そうなると、さて困ったな。じゃあ実家に頼む?無い無い、って言うか絶対に嫌だ。じゃあナヴォーリ市海軍の海兵隊を借りるとか?市長の娘であるメリッサがいるから不可能じゃないものの、それもちょっとな。


「お兄さん、いるじゃないですか?実力があってお兄さん達も良く知る冒険者パーティがお手元に」


ソフィア殿下が俺の考えを読み取ったかのように自信有り気にそんな謎掛けを口にした。


「ソフィ、そんな冒険者パーティって、もしかしてあいつらの事か?」


もう貴賓室には身内しかいないから、ついソフィア殿下をいつものように愛称で呼んでしまった。まぁいいだろう。


ソフィア殿下が言うところの「実力があってお兄さん達も良く知る冒険者パーティ」を一瞬誰の事なのかと考えたけど、すぐに思い当たった。


「それってティグル達の事か?」


「はい。その通りです」


俺の問い返しにソフィア殿下は自信満々に頷く。


「なるほど。ソフィ、それいい考えね」


「ソフィ、冴えてるわ」


「あの子達に目を付けるとは。やりますね、ソフィ様」


メリッサ、エミリー、アイーシャがソフィア殿下のアイデアを誉めそやす。因みに俺の恋人達とソフィア殿下、エミリーはいつの間にか愛称で呼び合う仲良しになっている。


なるほど、「夜明けの星」か。


貧民街から引き取った孤児達も俺達とクリス達勇者パーティが一年に渡って鍛え上げた結果、今や王都でも実力確かで有力な若手冒険者パーティだ。


「まぁ声を掛けてみるか。無理強いは出来ない、けどな」


「嫌とは言わないと思いますよ?あの子達なら」


アイーシャの言う通りだと思うけど、あいつらにはあいつらの活動があるだろうからどうだろうな。


「ねぇお兄さま、その別部隊って名前はどうするの?」


エミリーが別部隊の人員補充はもう解決しましたとばかりに次の話題を持ち出した。


「そこは考えてあるよ」


「どんな名前なんです?私のために動いてくれる部隊なんですから、気になります!」


「うんうん、気になる」


「気になりますね」


みんな、やけに食い付いて来た。


「それはな、「親衛隊」だ」


「「「親衛隊?」」」


王族、王室を守るための軍事組織が近衛騎士団だ。今度の戦役に国王の名代として従軍するソフィア第3王女には身辺警護で近衛騎士団の中から白百合騎士団が派遣される。


俺達もソフィア殿下、つまり王族の護衛をするのだけど、俺達は当然ながら近衛騎士団ではない。そこで「猫連れ」のままだと白百合騎士団から冒険者風情が王族の護衛をふじこふじこ!と言いがかりをつけられるなど嫌がらせや妨害を受けかねない。


なので俺達も自由裁量権で別部隊となるのだからそれっぽい部隊名が必要。ならば「王族」を「親」しく「衛」る「隊」だから「親衛隊」だ!


と、俺が説明するとみんな大賛成との事。


「じゃあ、お兄さん達はソフィア親衛隊という訳ですね!」


ソフィア殿下の嬉しそうな言葉に、俺は自分達の背中に「ソフィア命」とプリントされた白い特攻服を着て鉢巻を締め、「L・O・V・E、ラブリーソフィア!」と叫んでいる姿を思い浮かべてしまった。


違う、違うんだよな。俺が想像する親衛隊って黒い制服のschtzstaffelの方なんだよ。


え?ホルストだから突撃隊じゃないのかって?だから、王族を親しく衛る隊だから親衛隊でいいんだって。それに突撃隊だと皆殺しにされてるから縁起悪いしね。


あ、そう言えば、護衛だから当然武器を携帯するな。つまり武装する訳だから武装親衛隊だ!


(ふふふ、武装親衛隊か)


「ねぇアイーシャ、またホルストが何か妄想して笑ってる」


「いつもの事ですから見ない振りをしてあげましょう」


「お兄さま、また…」


「あぁお兄さん、あれさえ無ければ完璧な方なのに…」


女性陣がヒソヒソと俺を見てささやき合うも、俺は親衛隊には他と区別するためそれっぽい制服が必要だよな、などと考えていた。


メル「全く、幸せな考えの人ね、ホルストって」



いつも『アクションヒーロー』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみに!


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