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第99話 スーパー戦隊化現象

クリス勇者パーティの館に居候させて貰うようになってから俺達への襲撃やらのちょっかいは無い。まだ、観察者や監視者といった気配は感じるものの、今のところ至って平穏な日が続いている。


マリーは学院が休みの日はすっかりこちらに入り浸るようになり、メアリーやソフィア王女も来たりもするようになった。ソフィア王女はどうなんだと思わなくもないけど、来るなとも言えないからな。


クリス達とは彼等との予定が合えば館の中庭で稽古したり、王都の郊外に出掛けて想定訓練をしたりしている。時にはアイーシャが剣聖役、俺が槍使い役となって勇者パーティに参加し、近い将来にクリス勇者パーティがメンバー勢揃いする事を想定してその戦い方を研究したりもしている。


一方、俺達のパーティはメリッサを加えて3人になった。俺達は護衛や討伐といった依頼は今のところ受けず、王都郊外のダンジョンに潜って魔物相手に3人の連携強化訓練に専念し、随分と魔石やドロップ品で稼いでいる。


メリッサは「ダウザー」という探知や占い系の能力を授かっていて、ダンジョン内でのトラップの探知、ルート確認や魔物なでの索敵等で大活躍だ。


メリッサのパーティ参加は彼女のたっての希望だった。


「私には「ダウザー」があるから。きっと役に立つから!」


との事で、結果的には彼女の言った通りにダウザーを駆使して大活躍。


そしてメリッサの戦闘力。彼女からはナヴォーリ市海軍海兵隊仕込みの剣術を使い、海兵隊が装備する刃渡りが短く小回りの利く(カットラス)には腕に覚えがあると聞いていた。


俺としてはやはりメリッサが女の子だけに体力や戦闘力に不安があり、どうしてもというなら訓練して徐々に力を着けてせめて護身出来るようになんて思っていたのだけど。


ところが試しに立ち会ってみると、これがなかなか良い動きと剣筋で、


「なんかここ最近で急に出来るようになったんだよね」


と自分でも驚いていた。


更に3人でダンジョンに潜り、浅い層から彼女の実力を試してみるとやはりその剣筋に加えて敏捷性、腕力に持久力と魔法で身体強化をしていなくても強く、1対1でオークを難無く倒せてしまっていた。


更にアイーシャもナヴォーリで海賊やマンティコアと戦った頃より明らかにその実力が上がっていて、更に深層に進んでオーガやトロールが出現した際も「私に任せて下さい」と言って一人で屠ってしまった。


これに驚いた俺はアイーシャに説明を求めると、やはりメリッサと同じく


「特別何もしていません。ここ最近で急に技にキレが出るようになりまして」


との事だった。


まぁパーティを率いる俺としてはメンバーの実力が高くある事は彼女達の安全を考えれば有難い事だ。メルにこの事を相談してみると、それが「眷属化」に似ているという。


「眷属化ってあれか?吸血鬼に血を吸われて吸血鬼になっちゃうとか、人狼に咬まれるとそいつも人狼になっちゃうとかの?」


「それも眷属化の一形態ではあるけれど、私が言ったのは神族が自らの信者に祝福を与えて聖戦士や戦乙女にしたりする方の事ね」


まだ見た事は無いけど、この世界にはその強い信仰心故に神から祝福を受けて力を与えられ「聖戦士」や「戦乙女」とかになる者がいるそうだ。そうした者達は神の戦列に加わる事が許されるという。


それはあたかも素晴らしい事のように言われているけど、俺に言わせれば神に祝福という名の軛をかけられて支配され、未来永劫こき使われる訳だから良いのか悪いのか判断の難しいところだと思う。まぁそいつがそれで良ければ他人がとやかく言う事じゃないけどね。


余談だけど、俺は元服の儀で神々から授かる「能力」も広い意味で「祝福」であり「眷属化」だと思っている。実際、俺はある神から睨まれ、その神から「能力」を授かった者達によって殺されそうになっている(軽く返り討ちにしたけど)。だから神は授けた「能力」によって人を操る事が出来ると俺は思っている。


「でも、俺はちょっとだけ特殊かもしれないけど、神なんかじゃなくてちゃんと人間なんだけどな」


「ちょっとだけ特殊?」とメルは俺の事を鼻で笑った。


「神なんかとは何よ、失礼ね!それに私は眷属化に似てると言ったのであって、そうだとは言ってないわ」


言われてみればその通り。だけどそうなるとアイーシャやメリッサの身に起きている現象は何なんだろうか?


それまでの2人と今の2人。違いがあるとすれば、2人とも今は俺の恋人になっている事だろうか。


実は俺と彼女達はめでたく恋人同士がする事をしてしまってまして。後、ゾフィもね。まぁ住居も決まって、恋人同士がひとつ屋根の下で暮らすようになれば、やっぱりねえ?


因みに3人ともそうした事は初めてで。メリッサは市長のお嬢さんでそうだろうし、ゾフィもエルフの伯爵令嬢だからさもありなんだ。だけどアイーシャは謂わば女工作員だからちょっと意外だった。勿論、本人には絶対言わないけどね。


そして、ベッドでも3人は三者三様。アイーシャは結構恥ずかしがり屋な割に俺の匂い嗅ぎたがり、メリッサはかなり積極的なチャレンジャー、ゾフィはデレて甘えたがり。それに関してはいずれ別の機会で詳細報告を上げるとして、今はアイーシャとメリッサに起きている現象についてだったな。


ゾフィとマリーは俺の恋人ではあるけれど、2人にそうした現象は起きていない。そうなると他にアイーシャとメリッサに共通しているのは俺とパーティを組んでいるという事だ。


この現象は俺とパーティを組んだ相手限定で起こるのではないだろうか?そしてこの現象の元は俺の能力「アクションヒーロー」であるに違いないと思うのだ。


単独で戦うヒーローであっても全くの孤立無援という事殆どない。大抵は誰かしら仲間や協力者がいて、そうした彼等がヒーローを陰に陽に支えたり共に戦ったりしているのだ。


例えば、昭和のライダーにはライダーを支えて教え導く"おやっさん"がいるし、FBI捜査官の協力者もいれば少年達によるライダー隊なんてのもあった。


また、ライダーは新しいライダーと共闘し(そうした回は興奮したよね?)、共に悪の秘密結社の首領を倒す。


宇宙の刑事シリーズもそうであれば、イナズマの男も、人造人間キカイの奴もそう。


それに忘れてはならないのは、ヒーローは一人で戦うヒーローばかりでは無いという事だ。それは複数のヒーローでチームを組み、悪の組織や侵略者と戦う。そう、それは皆さんご存知の「スーパー戦隊」!


歌にもあるように、1つ1つは小さな火でも2つ合わされば炎となって無敵♪、1人1人は小さいけれど1つになればご覧無敵だ♪とか、足し算ではなく掛け算として集団の力を引き出せる。それが「スーパー戦隊」。


この世界に転生して今まで山奥のど田舎で友達も殆どいないぼっちだったせいか、俺は「アクションヒーロー」を授かっても1人で戦う事しか考えられなかった。だけど今の俺には妻がいて恋人達がいる。彼女達は俺が命に替えてでも守らなければならない大切な存在であり、共に戦う大切な仲間でもある。だったら「アクションヒーロー」が恋人でありパーティを組む仲間のアイーシャとメリッサになんらかの効果が作用しても不思議じゃない。


まぁ、それを証明出来る訳は無いのだけど、俺はひとます彼女達に起きている現象をそう結論付け、この現象を「スーパー戦隊化現象」と名付ける事にした。


では、この「スーパー戦隊化現象」は一体何人までその作用が及ぶのだろうか?大抵のスーパー戦隊は5人が定番だけど、3人というのもあった(太陽戦隊サンバル○ン)。最大では41番目のスーパー戦隊は9人、しかも途中から2人追加で11人になった(宇宙戦隊キュウ○ンジャー)。という事は最大11人、つまりそこから自分を除いた10人までがその範囲と考えていいのかもしれないな。


と、1人そんな事を考えていると、俺の傍らのメルはすっかり寝入っていた。さっきまで2人してベッドでちょっと頑張っちゃったからしょうがない。俺は汗が引いたメルが冷えないよう彼女を覆う毛布を更に肩まで上げると、その額に軽くキスをして眠りについた。



いつも『アクションヒーロー』をお読み頂きまして、誠に有難う御座います。宜しければブクマ登録、評価、感想など宜しくお願いします。


それでは次話もお楽しみに!


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