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第八十三話「真実」

帝都を龍の姿で抜け出した竜斗はかなりの距離を飛び、かつて「憤怒」がいた荒野に降りたった。


(さて、「大罪」が付与されるなら寝てる間になるだろうから、寝るか。)


(いよいよ三体目か....。この調子で行けるといいな..。)


そんなことを考えながら竜斗は眠りについた。


◇ ◇ ◇ ◇

竜斗が目を開けるとやたらと光る縄で縛り付けられた管理者とそれを椅子に座りながら真顔で見つめる年寄りがいた。


(は?何が起きてんだ?)


『おぉ、来たか。じゃあまずは説明させてもらうかの。』


意味の分からない状況に思考が停止している竜斗をよそにその年寄りは喋り始めた。


『灰谷竜斗と言ったな?お主は元々ワシの世界の人間じゃ。つまり、最高神であるワシの管轄である地球の住民じゃ。ところがこいつは世界に起こったバグを放置した挙句、自分が楽しむためだけに地球で廻るはずだったお主の魂を勝手に持ってったんじゃ。』


少し落ち着いた竜斗は質問をする。


「だ、だったらなんで健斗たちには何もなかったんだ?」


『健斗というのは人間の手によって召喚されたのじゃろう?人間の手によって持ってかれた魂は地球で働く下級神によって記録がつけられるのじゃ。それについては問題ないんじゃが仮にもこいつは自分で一つの世界を管理する中級神じゃからな。下級神の監視を潜り抜けて魂を一つ持ってったんじゃ。それがお前というわけじゃよ。』


「は、はぁ、それを分かったけど俺はどうなるんだ?」


『それがな。普通ならお主には地球に戻って輪廻の輪を廻ってもらうつもりだったんじゃがな、よりによってお主には神になれる資格がある。』


「そ、それはなんでだ?特に普通の生まれなはずだが。」


『神になるためには血筋は関係ない。必要なのは神になる前に強靭な肉体であることと異常な精神性を持つことじゃ。』


「どう考えてもそれに当てはまるはずがないと思うんだが。かなり強くなったとは思うが精神は普通の人間だぞ?」


『逆じゃ。お主に必要なのは体だけじゃ。異常な精神性は元々あるようじゃぞ。』


「えぇ?いたって普通の人間だと思うんだが。」


『まぁそのことについては大丈夫じゃ。少なくとも後は肉体が神に近くなればいいわけじゃからな。』


『ちょうどいいと言ったらあれじゃがこの世界のバグが亜神級まで強くなってるらしいんじゃ。こいつから聞いたところな。お主を同格の亜神級まで上げるだけならやることができるからな。』


「つまり、俺はそのバグを倒せばいいんだな?でも断ったらどうなるんだ?」


『そうした場合はあの世界はおしまいじゃな。ワシらが介入したら世界は崩壊するし、そこまでする義理はないからな。お主の知り合いも巻き込まれるじゃろうな。』


「それって実質選択肢一つじゃないか...。分かった、やります。」


『それでこそじゃな。お主には亜神級まで階級を上げておこう。安心して起きるが良い。』


そう年寄りが言った後、竜斗は徐々に意識が薄くなっていった。



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