第七十五話「自己紹介」
教師が入ってきて教卓の前に立つと、話し始めた。
「さて、お前たち集まってるな?このクラスを担当するジルだ。お前たちは2年だから顔を知っている奴もいるだろうが、護衛とかは何人か変わったようだしな。一年の時と同じように自己紹介はしてもらうぞ。」
「まずはそうだな….ケントお前がやれ。お前は完全に新顔だしな。」
健斗はいきなり言われて驚いていたようだが、すぐに落ち着きを取り戻し席を立ち上がり話し始めた。
「えぇと、天谷健斗と言います。ヤルセト王国からきました。一応別の世界から召喚された転移者ということになってます。無理やりこの学園に入らせてもらった形にはなりますがよろしくお願いします。」
健斗はそう言い終わると席を座った。
そして、ジルは健斗が話し終わったのをみると、次々と人を当てていった。
◇ ◇ ◇ ◇
次々と人が自己紹介していく中、竜斗は考え事をしていた。
(さっきの「色欲」の挨拶すげぇ胡散臭かったな。というか軽い魅了を振り撒いてたし。まぁ俺が妨害しておいたが。)
(こっそり探知して魔力の動きをみたがなんとなく魅了の力は男にしか効かなそうだったな。)
そんなことを考えているうちにどうやら生徒の自己紹介が終わり、護衛の自己紹介に入ろうとしていた。
「よ〜し、生徒の自己紹介は終わったな?じゃあ次は護衛の自己紹介だ。まずは明らかに見ない顔のお前。」
そうすると、いきなり竜斗が当てられた。
「リュートだ。第三皇女に雇われて護衛をやっている。良い関係が築けることを願っている。」
それだけ言うと竜斗は黙った。
その物言いに周りはザワザワしていたがジルの「静かにしろ。」と言う声で静かになった。
「あ〜、リュートだっけか?良い関係を築きたいんだったらもっと愛想良くした方がいいぞ?」
「いや大丈夫だ。良い関係は築きたいとは言ったが、優先するのは仕事だからな。」
「それなら良いが。」
そこで会話は途切れ、何事もなかったように他の護衛の自己紹介が続いていった。
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