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消えたカードの行く先は  作者: ウツロ
第二章 行商編
21/50

可愛さと

 岩場で野営をするのだが、やり方がよく分からず冒険者にお任せする事となる。

 狼で状態のいい物は皮を剥ぎ、それ以外はカードにする。ちなみに死体はカードにしても生き返らなかった。物として判定される様だ。

 血の匂いに誘われて何かが来ないか心配だったが杞憂に終わるのだった。



 ――――――



 三度の夜を超え怪物共を蹴散らし、ついにダルアの街へと足を踏み入れた。

 街は活気に溢れている、やはりというかこちらも城塞都市らしく大きな石垣で囲まれた街なのだろう、若干の閉塞感を感じる。


 まずはギルドへ向かうべく大通りを歩く。途中年老いた老婆に銅貨を握らせ、ギルドの場所へと案内してもらう。

 倒した魔物を換金し、三人で分配を行う。物々交換に使えそうな物を除いた金額であるため、大した額にはならなかったが。


 ぺぺとテンガは護衛兼従業員として雇う事にした。お願いという形で行ったが、逃がすつもりはない。少なくとも給料を払える間は……。


 テンガには宿の確保に行ってもらい、俺とペペは取引相手を探す事にした。



 

 銀貨を親指で弾きコイントスをして遊びながら歩いていると、歌声が聞こえてきた。


 「ておけいっぱいの~らりるらら~♪ 」


 見ると五歳くらいだろうか、女の子が地面に落書きをしながら歌を歌っている。

 よそ見をしたためか銀貨が手から零れ落ち、足に当たってコロコロと幼女の方へと転がっていく。

 銀貨は彼女の足に当たり、それに気付いてこちらに顔を向けるのだった。


 コバルトブルーの瞳、ブロンドの髪は肩で切り揃え、ワンピースの服を着た彼女はまるで人形の様に可愛いらしい。

 彼女は銀貨を拾うとこちらに笑顔をみせる。

 あまりの可愛さに銀貨をそのままあげたくなったが、流石に金額が大きすぎる。脅かさないよう優しく彼女に問いかける。

 

 「お嬢ちゃん、拾ってくれてありがとう。それは僕のなんだ、返してくれるかな? 」


 彼女は首を少し横に倒したあと「正解したら返してあげる~」と言って銀貨を握り締め、腕を左右に広げて笑顔で言う。


 「どっ~ちだ♪ 」


 可愛いすぎる。目の前で握り締めたため、右手に持っているのがバレバレだ。

 少し考えた後そっと右手を触り「こっちだ」と言う。

 

 握り締めたまま考えてる彼女に「正解かな? 」と問いかける。


 「言わん」


 クッ、そうきたか。

 困ったな、無理矢理奪い返すわけにもいくまい。親でもいないかと周りを見回したが、それらしき姿は無い。再び幼女に目を向ける。

 あれ? いない。まさか逃げ……


 「カンチョー」


 突如肛門を襲う激痛。頭の先まで電気が走る。

 俺はつま先立ちになった後、半回転して膝から崩れ落ちる。


 大ダメージだ。まさかこの世界に来て、初ダメージがガキンチョのカンチョーとは。


 「タッタッタッタ」と走り去っていく幼女。


 後ろを見ると「何してんのよ」といった顔で見るぺぺがいた。

 

 俺に落ち度はねぇだろ。引っ叩いて取り返してこい。


 


 ああケツが痛ぇ。何で俺がこんな目に……。

 恨み事を言いながら幾つかの商会を巡る。


 今回俺が居た街『デッサ』で買い付けた商品は以下の通りだ。ちなみに100銅が1銀、100銀が1金だ。

 1、ニンニクに似た植物―――1金貨

 2、油―――――――――――1金貨

 3、ドライフルーツ―――――1金貨

 4、織物――――――――――1金貨

 5、武器――――――――――1金貨

 6、リンゴ―――――――――50銀貨

 

 リンゴ以外の物は何とか売りさばく事が出来た。ほとんどの商家で門前払いだったが、ゴディバやオニール達に書いて貰った紹介状を見せた商家では取引出来た。結果はこうだ。

 1、ニンニクに似た植物―――1金➡1金2銀

 2、油―――――――――――1金➡燃え尽きた

 3、ドライフルーツ―――――1金➡1金60銀

 4、織物――――――――――1金貨➡1金20銀

 5、武器――――――――――1金貨➡96銀

 6、リンゴ―――――――――50銀貨➡商品のまま


 会計――――――――――――550銀➡478銀+リンゴ

 ここから給料などの経費を差し引くと更に減るだろう。


 「…………父さん事業に失敗しちゃったよ」

 

自己資金が多い気がしますが、分かり易さを優先しました。

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ハードボイルドなファンタジー小説も連載しております。よろしければどうぞ 失われた都市ジャンタール
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