18.想いを言葉にして。
うーん、前のお話とくっつけた方が良かったかな_(:3 」∠)_
かなり悩みました。次回、この章の〆です。
「え……ジャック?」
「いまは謝っている場合じゃないだろ! 弱気になるな!!」
リコは頬を叩いた相手がジャックだと分かると、思わず唖然とした。
そして、彼の言葉を聞いてうつむいてしまう。己の無力さを痛感して、それでもなお鼓舞してくる仲間に対して出るのは、否定の言葉だった。
「だって、やっぱり私は――」
しかし、ジャックはそれを許さない。
リコが諦めを口走るより先に、しっかりと彼女の手を取るのだ。
「駄目じゃない。仮に一人では駄目でも――」
その上で、青年戦士はこう訴える。
「お前には、たくさんの仲間がいるだろ!!」
「え……?」
彼の言葉に、リコはハッとした。
涙に濡れた顔を上げる。するとそこには、いつものように無邪気な笑顔を浮かべるジャックがいた。
そして、その時だ。
『あぁ、そうだよ。リコは、決して一人じゃない』
懐かしい声が、たしかに聞こえたのは。
「お兄、ちゃん……?」
それが届いたのは、おそらく彼女だけ。
だけども、たしかにその声は兄のものに違いなかった。だから彼を探すようにして、リコは周囲を見回す。すると、彼の姿はライルの傍らにあった。
懐かしい笑顔のまま。
リュードは、リコに向かって優しく手を差し伸べるのだ。そして、
『さあ、一緒に頑張ろう』
彼女を勇気づけるように、そう言うのだった。
妹はしばし沈黙し、やがて力強く涙を拭う。
「……うん! 私、頑張るから!!」
そして、リコは一歩を踏み出した。
ライルの傍らで膝をついて、彼の胸に静かに手を乗せる。するとリュードもまた、彼女のそれに自身の手を重ねているように感じられた。
リコの中に、リュードの想いが流れ込んでくる。
同時に、今までにない力が湧か上がってきて――。
「あぁ、本当に最後までごめんね。お兄ちゃん……」
リコは、静かに。
それでも笑顔を浮かべながら、こう口にするのだった。
「……今までずっと、ありがとう」――と。
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