表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/143

10.聞こえた声が願うこと。

さて、どうなるか……。


あとがきには最新作のリンクです。

心温まる?異世界恋愛の話です!










「ふむ。そうですか、墓から声が……」

「そうなんです。それで、気になったんです」




 少し悩んだがボクがありのままを報告すると、タイクさんたちは困ったような表情になる。そして互いに目配せをしてから、こう語るのだった。



「ライルさんが耳にした声が、どの類の霊かは分かりかねます。霊と一口に言っても、守護霊から悪霊とされるものまで様々です。ただ、確実に言えるのは――」



 それは、どこか緊張感に満ちた声で。



「私たちの『死霊術師』としての力は、弱まってきているのです」――と。










 タイクさんが語ったのは、以前にも話したような内容だ。

 最近は冒険者のような身寄りのない人の墓も増え、さらには墓参りに訪れる人も少なくなっている。そのような状況になると、霊たちも安らかには眠れなくなるそうだった。

 中には善良な霊から、悪霊と呼ばれるものに堕ちる例もあり、それを抑え込んでいるのが『死霊術師』としての役割でもある。



「でも、そう考えると『あの声』は……」



 対策を練るという墓守夫婦の言葉を受けて、ボクは改めて墓の修繕に取り掛かった。しかし頭の中にあるのは、やはり先ほど聞いた声のこと。

 助けてほしい、という言葉には相当の重みがあるように思われた。

 それに、あの墓はリコさんの――。



「リュードさん。もしかして、貴方なんですか……?」



 そう考えていると、自然にボクの足は件の墓標の前に向かっていた。

 声がしたのはこの辺りのはず。だとすれば、あるいはリュードさんが何かを伝えようとしているのかもしれない。

 そうは思うが、しかしボクは『死霊術師』でも何でもない。

 そんな人間の耳に届いた声が、果たして本当に正しいものだといえるのか。




『すまない。助けてほしいんだ』

「え……?」




 その時だ。

 今度は先ほどよりも鮮明に、そう声が聞こえたのは。



「リュードさん、ですか……?」



 だが男性と思しきその声は、こちらの問いかけに応えず続けるのだ。





『頼む。リコを連れてきてくれ……!』――と。





 その声にあったのは、後悔や懺悔のようにも思える。

 だから、ボクは深入りだとか、そんな考えなんて二の次に駆け出していた。




「リコさんの家は、たしか……!」




 以前に、タイクさんから聞いていた彼女の家。

 そこへと向かって、真っすぐに……。


 


https://book1.adouzi.eu.org/n6663hx/

新作もよろしくね。

異世界恋愛に挑戦してみました。




面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ