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4.エルタ王国外れの墓地で。

ブランクしんどいですが、頑張って書きました。

_(:3 」∠)_









 ――数日後。

 ひとまずボクは一人で、王国の外れにある墓地を目指していた。

 今回の依頼人から引き受けたのは、身寄りのないままに亡くなった冒険者たちの墓の修繕。きっとかなりの数があるだろうから、いまから気合をいれておかなければならないだろう。

 そう思いつつ歩き、間もなく墓地に到着、という頃合いだった。




「ん、あれって……?」



 どこか見知った顔の人物が、先を歩いているのに気付いたのは。

 しばし観察し、やはりそうだと確信を持ったので話しかけてみることにした。



「こんなところで、どうしたんですか? ――リコさん」

「…………!?」




 するのその人物――リンドさんのパーティーメンバーでもあるリコさんは、今までの雰囲気に似合わない驚き方を見せる。肩を強く弾ませて、目をぱちくりとさせ、ボクの方を向いた。頬には冷や汗らしきものが伝っている。

 人違いではない。

 そう確信を持ったからこそ、ボクは不思議に思って首を傾げてしまった。



「ラ、ライル……どうして、ここに?」

「どうして、って……ボクは依頼で、お墓の修繕にきたんです」

「……そ、そうか」

「そういうリコさんは、どうしてここに? お墓参り、って感じにも見えないですけど」

「え、あ……いや!」



 そして、交わされる言葉にはどこか不自然がある。

 というよりも、リコさんがあからさまに狼狽えていた。

 初めて会った時のクールな印象はどこへやら、といった感じだ。




「は、墓参り! いまは夏季だから!!」




 そんなこんなで、彼女の口から出たのは嘘と分かる言葉。

 いったい、どうしたというのだろう。



 そう考えていると、答えが向こうから現れた。




「やあやあ、ライルさん。お待ちしておりました」

「あ、どうも」

「ひう!?」




 ボクを認めて声をかけてきたのは、墓守の老爺さんだった。

 彼は柔和な笑みを浮かべてこちらを見てから、ゆっくりと頭を下げる。そしてすぐに、リコさんの存在に気が付いてこう声をかけるのだった。




「おや、リコ。帰ってきていたのかい?」――と。




 それに対して、彼女はなにも答えない。

 視線を逸らして、ひどくバツが悪そうにしていた。

 そんなリコさんの様子に苦笑しつつ、老爺はこう紹介するのだ。





「ライルさん、紹介いたします。こちらは、リコ――」





 静かに、優しい声色で。





「私どもの、娘でございます」――と。





 


https://book1.adouzi.eu.org/n0071hx/

新作もよろしくね。




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