1.国王陛下からの呼び出し。
ここから第8章です!
大変お待たせしました!!!!!!!
「……まったく。毎日こんな風になるまで、よくやりますね」
「あはは、ホントだよ」
「ライル? 今のは、貴方にも言っているんですよ?」
「え……?」
スヤスヤと、作業台に突っ伏して寝息を立てるコルネ。
そんな彼の肩に毛布を掛けて笑うと、アーシャに呆れた様子でそう返された。思わず首を傾げると、彼女はやはり、といった感じで肩をすくめる。
意味が分からずにいると、アーシャは話題を変えるようにこう言った。
「そういえば、フラン様から聞いたのですが。もしかしたら、近いうちにまた依頼をするかもしれない、とのことでした」
「え、それって……?」
「えぇ、そうです。国王陛下からのご依頼です」
「………………」
――しれっと言うけど、それは大事だよ?
ボクはアーシャの言葉に苦笑しつつ、少しだけ考えた。
以前は経典だったけど、今回も何かしら歴史的なものの修繕だろうか。だとしたら、ある程度の気持ちを準備しないと精神的に持たなくなってしまう。
もっとも、すべての依頼に全力で取り組むのは前提だけど……。
「……ん、いらっしゃいませ!」
そう考えていると、そろそろ店仕舞いといった頃合いに来客があった。
出入口の方へと視線を投げると、そこにいたのは給仕服姿の女性。やや色素の薄い髪を耳の上で一つに束ねた彼女は恭しく礼をすると、アーシャの存在に気付いたらしい。
もう一度、深々と頭を下げるのだった。
そんな女性を見て、アーシャは不思議そうにこう言う。
「あら、貴方は――アニスさん、ですよね?」
「お久しぶりです。アーシャ様」
アニスと呼ばれた女性は頷くと、ゆっくりと面を上げた。
凛とした佇まい。いったい何者なのだろうかと、そう考えていると口を開いたのは公爵令嬢だった。
「ライル。この女性はアニスさんといって、フラン様専属のメイドさんです」
「初めまして、ライル様。アニスと申します」
すると、その紹介に合わせてまた頭を下げるアニスさん。
ここまで丁寧にされると恐縮だが、いちいち訂正を願っていても話が前に進まないように思われた。だから、若干の居心地悪さに頬を掻きつつも用件を訊ねる。
「……それで、そのアニスさんがどうしてここに?」
「あぁ、それはですね――」
ボクの問いかけに、彼女は静かにこう答えるのだった。
「国王陛下より、ライル様への依頼状を預かって参りました」――と。
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同じような職業もの?です!!!!!!
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