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5.コルネの家庭。

うおおお_(:3 」∠)_

毎日更新がんばれ、わたしぃぃぃ!!w







「何度も言っているでしょう! 私はもう、あの人に会いたくない! ――思い出すだけで、気分が悪くなるんだから!!」

「それは、そうかもしれないけど……でも!!」




 思わず身を隠しつつ、言い合う二人の姿を確認する。

 すると、そこにいたのはやはりコルネ。もう一人はおそらく、彼の母親だろうか。だけど、どうにも会話の雲行きが怪しかった。

 口論の内容はどうやら、とある人物を巡ってのものらしい。

 胸のざわめきを覚えながらも、ボクは息を殺して耳を澄ませた。そして、




「頼むから、父さんにもう一度――」

「帰って! 私は絶対、彼には会わないから!!」

「母さん……!!」




 乱暴にドアが閉められる音と共に、彼らの会話は途切れたのだった。


 最後に聞こえた言葉。

 ボクはそれから、コルネの家庭の事情の一端を感じ取った。

 まだ確定事項ではないかもしれないが、もしかしたらコルネの両親は――。



「…………くそ!」



 そこまで考えた時、少年はそう言うと駆け出した。

 深く介入することには気が引けたが、ここまできたら無視はできない。そう思ったボクは、慌てて彼の背中を追いかけた。







 そして辿り着いたのは、少々寂れた民家。

 コルネは沈んだ表情のまま、そこへと入っていった。



「ここが、彼の家……?」



 きっと間違いないだろう。

 ボクは玄関前まで足を運び、悩んだものの意を決してそれを叩いた。そうすると間もなく、コルネの声とは違うそれで応答があって……。



「やあ、どなたかな?」



 姿を現わしたのは、とても優しい眼差しをした一人の男性だった。

 どこかやつれているけれども、穏やかなその表情には安心感を覚える。年齢は三十代後半、といったところだろうか。皺だらけの衣服を身にまとった男性は、不思議そうにこちらを見てから言うのだった。



「もしかして、コルネの友達かい?」

「え、いや――」



 そう訊ねられ、とっさに否定の言葉が出そうになる。

 だが、その時だった。



「なんで、アンタがいるんだよ」

「……コルネ?」



 奥の扉から、少年が出てきたのは。

 こちらを認めた彼は驚きに目を大きく見開き、しかしすぐに怒りに顔を歪めた。拳を震わせ、次いで駆け出し力任せにボクを突き飛ばす。

 尻餅をついて見上げると、そこには今にも泣きだしそうなコルネ。

 少年は感情に任せた言葉を羅列させ、それでも最後にはハッキリとこう言った。





「他人の家のことに、首を突っ込むな!!」――と。





 強く、そして暴力的なものだった。




「こら、コルネ! お客様になんてことをするんだ!!」

「うるさい、うるさいうるさい!!」




 そして、一連の行動を咎める男性を押し退けて奥の部屋へ消えていく。

 結果として取り残されたのは、ボクとその人だけ。しばしの静寂が流れ、ひとまず立ち上がると会話の口火を切ったのは男性だった。



「……キミは、いったい誰なんだい?」



 遠慮がちに、彼はボクにそう訊ねる。

 こうなっては素性を隠すなんて、まったくの無意味だった。



「えっと、ボクの名前はライル・ディスガイズです。修繕師をやっていて――」



 そう考え、素直に答える。

 これまでの経緯をすべて話すと、男性は静かに頷いた。



「――あぁ、そうか」



 その上で、納得したようにそう口にする。

 そして一つ息をついてから、こう名乗るのだった。




「わたしの名前は、アルフォンス。……コルネの父だよ」――と。





 小さな笑み。

 その中に、ハッキリと自嘲的な色を浮かべながら。




 


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