8.思いは、明るい未来へ向かって。
これにて、第5章終了。
あとがきには補足設定も書きますが、不要な方はスルーで(*‘ω‘ *)
――リーナの受け渡しから、数日が経過した。
「それで、ライル。そろそろ、教えてくださいません?」
「どうしたの、アーシャ」
「いつも肝心な話については、白を切られますからね。今日からいきなり、従業員を雇うだなんて。わたくしは聞いていませんわ」
「えぇ……でも、ここの店主はボクなんだけど……」
朝の『リペア・ザ・メモリーズ』には、ボクとアーシャの姿があった。
なにやら昨日、店仕舞い後に新しい従業員の話をしたら、やけに食いついてきたのである。そして今朝、物凄く早い時間帯に公爵家令嬢はやってきた。
いったい、その従業員は何者なのか、と。
先ほどからボクに対して、詰問してくるのだから困ってしまった。
「いや、なにを心配しているのか分からないけれど。とりあえず、彼女は悪い子じゃないから大丈夫だって――」
「ふーん……『彼女』ですか。女性、ということですね?」
「え、なんでそこで不機嫌になるの……!?」
「わたくしも分かりません!!」
「逆切れ!?」
仕方なくなだめていると、そんなよく分からない事態に。
ボクは思わずツッコミを入れてしまった。
アーシャは腕組みをして、そっぽを向いてしまう。
そうなってはもう、話し合いは難しそうだ。
「あはは……。でも――」
そんな少女の様子に苦笑いしつつも、ボクは一つ息をついた。
そして、もうすぐやってくる少女のことを考え、アーシャにこう伝える。
「きっと、すぐに仲良くなれるよ」――と。
その時だった。
「失礼いたします! 本日から――」
扉が開かれて、外から彼女が店に入ってきたのは。
ほんの少し緊張した面持ちで。
少女はしかし、すぐに満面の笑みを浮かべて自己紹介するのだった。
「本日からお世話になります、リーナです! よろしくお願いいたします!」
新たな門出。
少女――リーナの思いは真っすぐに、明るい未来へ続いていた。
補足設定:まずライルがリーナに施したのは、涙を流せるようにしたこと。そして表情を与えること、ですね。これはルゼインの設計図を見たことで、着想を得たというところです。省きましたが。
また、このエンディングについて。
ルゼインは基本的に、自宅療養です。そして、生活費を稼ぐためにリーナがライルの店で働くことになった、という感じです。
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こちら、短編です(*‘ω‘ *)
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