9.今まで繋いだ絆たち。
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「リーナは元々、いまはもう失われた古代の技術で作った機巧だ。俺は若い頃から修繕について以外にも色々と文献を読み漁っていてな。……それがまさか、ここで役立つとは思わなかったが」
「でも、どうしてそれを陛下が……?」
「知らねぇよ。あの男は昔から、人を試したがるからな」
本当に性格が悪い奴だ、とルゼインさんはため息をつく。
国王陛下に対してもここまで横柄に振舞えるのは、ある意味でさすがだと思えた。後方に控えている兵士のみなさんが苦笑しているけど、大丈夫なのだろうか。
ボクはそう思いつつ、改めてルゼインさんに訊ねる。
「でも、文献の内容なんて暗記できるんですか……?」
「馬鹿にすんな。目はめっきり衰えたが、頭の方は誰よりも丈夫だ。なんだったら今から資料室入って右手にある棚、その二段目の一番左端の本の内容を俺に諳んじさせて確かめるか?」
「……い、いえ。大丈夫です」
「分かったなら良い」
そうすると、想像以上に意地悪な言葉が返ってきた。
だが、これだけの自信を持っているなら間違いないのだろう。ルゼインさんはルゼインさんで、凄まじい才能を持っている。改めて、独力でリーナを生み出した能力に舌を巻いた。
そして今、その力はボクたちにとって大きな助けになろうとしている。
これならきっと、着手にまでは至れるはず。
「あとは、やっぱり――」
そこまで考えてから、ボクはもう一つの問題に目を向けた。
技術的な穴はこれである程度は埋まったが、大きな障害はまだ存在している。言葉にするまでもなく、根本的な人手不足だ。
ボクたちと、ルゼインさんの護衛でやってきた兵士のみなさんを入れても到底足りない。この問題をいかにして克服するか、考え込んでいると……。
「なんだ。アレから聞いてないのか」
「アレ……って、陛下ですか?」
「あぁ、そうだよ」
もはやルゼインさんが陛下をなんと呼ぼうが、気にならなくなってきた。
それよりも、陛下からの言伝が気になる。そう思っていると、ルゼインさんはまた一つ大きなため息をついて、肩越しに後方を振り返るような仕草をした。
そして、小さく笑みを浮かべて言うのだ。
「お前にとっては、願ってもない援軍だろうよ」
「……援軍?」
首を傾げつつ、ボクは彼の見やる方を眺める。
すると、そこには――。
「え、もしかして……!」
大勢の人が、こちらに向かっていた。
騎士団らしい鎧の人もいれば、冒険者であろう気ままな出で立ちの人々もいる。そんな彼らを率いているのは、見覚えのある二人だった。
「……リンドさんに、テーニャ!?」
「やあ、久しぶりだね。ライルくん」
「遅くなってすみません! 思ったより志願者が多くて……!」
騎士団の一員として、凛とした佇まいをするリンドさん。もう一人は、最上級の冒険者として尊敬を一身に浴びているテーニャだ。
「二人とも、きてくれたんですね!」
「おいおい! 二人だけかよ!」
「いてっ……!?」
彼らの登場に驚いていると、不意打ちのように後方から小突かれた。
驚いて振り返ると、そこに立っていたのは――。
「ジャックさん! リコさんも!!」
「助けにきたぜ、ライル!」
「私も、もちろん」
いまはテーニャを支える立場になった二人のベテラン冒険者。
ジャックさんとリコさんは、仲良く顔を見合わせて笑っていた。ボクは懐かしい面々の集合に、少しだけ感慨深く思う。
「さて、思い出に浸っている場合なのかな? ライルくん」
「え、あ……そうですね!」
そうしていると、気を回して声をかけてくれたのはリンドさんだ。彼の言葉にボクはハッとして、集まった全員から視線を向けられていることに気付く。
緊張感があった。
でも、これだけの人手があればきっと大丈夫だ。
だからボクは、大きく深呼吸をしてから頭を下げて言う。
「みなさんの力を貸してください! よろしくお願いします!!」
その直後に湧き上がった歓声に、胸が震える。
こうしてボクたちは、神殿修復に取り掛かったのだった。
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