8.必要なもの。
更新遅くなり申し訳ございませんでした(*'▽')ノ
そしてお知らせです(*'▽')紙コミックス3巻が11月24日に発売します。
さらに、累計発行部数が25万部を突破! ……え、マジ???
王都から目的地へは、さほど遠くない。
ガーディスとエルフの里、そして王都の位置で三角形を作った中心にある小さな森の中。そこに件の神殿は静かに存在していた。少し前までは人の出入りもあったのだろう。その痕跡はあるものの、老朽化の影響は隠しきれていなかった。
壁の模様は掠れ、どうしようもなく寂れた印象を受ける。
「……これは、思ったより酷いな」
ボクは一度外に出てから、外壁が崩れたそれを見上げた。
乱暴な雨風に晒された神殿は、想像以上にボロボロになってしまっている。旅人が身を休めるには使えるが、それでは本来の役割を果たしているとは言えなかった。
「本来ここは、人間とエルフの友好の証でした」
「エリザさん……?」
ふと、エリザさんの声に振り返る。
するとそこには、神妙な表情を浮かべた彼女がいた。
「ただ、その認識が薄れたキッカケはもっと別にあったのです。決してローンドさんのせいでは、ありません」
「…………ありがとう、ございます」
「いいえ、これはエルフたちの怠慢でもありますから」
きっとエリザさんは、ボクのことを気遣ってくれたのだ。
祖父の経典修繕が原因ではない。だから、ボクが気に病む必要はない、と。仕方のないことだと割り切ってはいたけど、彼女の心遣いは素直にありがたかった。
そうしていると、どこか痺れを切らしたように一人が声を上げる。
「なぁ、でもさ。……こんなの、どうやって修繕するんだ?」
「う、ううん……」
声の主――コルネは、外壁にそっと触れながら眉間に皺を寄せていた。
さすがに今回の修繕は一人では無理だろう。そう考えて彼にも応援を頼んだのだが、その目算が甘かったことを指摘されてしまった。これだけの規模の修繕となると、色々と足りないものがある。
そして、それは何も人手だけではない。
「修繕するにしても、元の状態が分からないといけない。それに見て分かる通り、この神殿には古代の技術が使われているね」
「なぁ、エルフさんたちさ。そっちは、なにか情報持ってないのか?」
直すには、過去を知らなければならない。
ただ、それも並大抵のものでなく。遥か昔に失われた技術を必要としていた。コルネもそれに気付いたらしく、彼はティローとエリザさんに問いを投げる。
だが返ってきたのは、色よいものではなかった。
「そちらについては、我々も文献を調べているんだが……」
「すべてを読み込んで理解するには、かなりの時間がかかるかと」
「ちなみに、どれくらい……ですか?」
ボクは首を傾げつつ、そう訊ねる。
すると、
「ザっと、四十年……くらい?」
「よんじゅ……!?」
想像以上の期間を提示された!?
とても今から資料を参考にするなんて、無茶にもほどがある。なるほど、祖父がこの神殿の修繕に手を上げた理由が分かった気がした。もっとも、問題はそれ以外にも山積しているわけだけど。
とにもかくにも、前段階をクリアしないと話は前に進まない。
そう考え、腕を組んで唸っていると……。
「おう、ずいぶん苦戦してるみたいだな。……らしくない」
「え……その声、ルゼインさん!?」
思わぬ人物――ルゼインさんが、姿を現した。
数名の護衛を引き連れ、リーナに車椅子を押された彼は口元に小さく笑みを浮かべる。すっかり目は見えなくなったものの、ほんの少し意地悪な性格は変わらないらしい。
ボクは彼のもとに駆け寄ると、こう訊ねた。
「どうして、ここに……」
「いや、国王陛下から必要になるって言われてよ」
「国王陛下から、必要になる……って?」
するとルゼインさんは、小さく口角を歪めて。
自身の頭を指でコツコツと示しながら、こう口にするのだった。
「古代技術の理解者の意見が、さ……?」――と。
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