オーダー88:ピザ争奪フードファイト
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アイガモくん「さて、どんなトッピングを加えるもん?」
レイ「やっぱりトマトは定番だよね。」
フクロウおばちゃん「ジャガイモとかも合いそうよね!」
ある日のカフェチャーミーキャットにて、
実家が野菜農家を営んでいるアイガモくん、
ピザショップ江ノ島のバイトであり自身も
ピザ作りが得意な冬山レイ、
そして鈴夏高校の購買で美味しくて種類が豊富なパンを売っているフクロウおばちゃんの3人は、
近日購買で期間限定で発売する特製野菜ピザに
どんな野菜をトッピングするか、
ドリンクを飲みながらミーティングしていました。
シズカ「どんなピザになるんだろう?」
春人「楽しみだよね。」
こねこちゃん「食べてみたいな〜!」
店内には、こねこちゃん、春人、シズカ、アカネ、
水彦のいつもの5人組もいます。
5人共、レイ達が作る特製ピザを楽しみにしています。
???「ちょっと待った〜〜〜!!」
そのミーティングの最中、1年E組の男子生徒であり、
実家がローストビーフ専門店・杉並という食堂を営んでいる犬飼斬太郎が豪快に来店して来ました。
水彦「あ、E組の斬太郎くんだ。」
アカネ「急にどうしたんだよ?」
斬太郎「考え直した方が良いと思うぜ、おばちゃん。
野菜メインのピザなんて人気出るわけねぇだろ?」
なんと斬太郎は、期間限定ピザを野菜メインにするのをやめるよう言ってきました。
アイガモくん「な、なんだともん…!?」
斬太郎「やっぱピザには肉だろ!オレん家のローストビーフを使った方がよっぽど人気が出ると思うぜ!」
さらに自分の店自慢のローストビーフをピザに具に加えるよう、フクロウおばちゃん達に対し、荒々しく説得する斬太郎。
アイガモくん「いい加減にするだもん!」
すると、自分勝手な斬太郎に対し、アイガモくんは怒りました。
アイガモくん「確かにお肉も美味しいもん!でもだからって野菜を見下すのは間違ってるもん!」
斬太郎「だったらオレんとこのローストビーフとテメーの野菜、どっちがレイのピザにふさわしいか勝負しようぜ!」
アイガモくん「望むところだもん!表へ出るだもん!」
アイガモくんと斬太郎はピリピリした雰囲気で、
外に出ました。
アカネ「あの2人、何する気なんだ?」
春人「分からない。ともかく見てみよう!」
こねこちゃん、春人、シズカ、アカネ、水彦、レイ、
フクロウおばちゃんの7人も外に出ました。
カフェの外では、砂混じりの風がビュービューと吹き荒れ、まるで西部劇の銃撃戦が始まりそうな雰囲気で
アイガモくんと斬太郎はにらみ合っていました。
アイガモくん「いざ!」
斬太郎「勝負!」
アイガモくん、斬太郎「くらえ〜〜〜〜〜!!」
なんとアイガモくんはジャガイモやニンジンやタマネギといった色んな野菜を、
対する斬太郎は秘伝のワインソースがかかったローストビーフを投げつけ合っていました。
まさに雪合戦ならぬ肉野菜合戦が繰り広げられたのです。
アカネ「くらえ〜じゃねぇよ!何食べ物粗末にしてんだよ!?お前らそれでも八百屋さんや食堂営んでるヤツらかよ!?」
水彦「おばちゃんからもなんか言ってやってよ!」
アイガモくんと斬太郎による食べ物に、
不満を抱いたり、ツッコミしたりするこねこちゃん達。
すると…
フクロウおばちゃん「お肉と野菜、対となる食べ物どうしのぶつかり合い…!それに2人の闘志を感じるわ!」
アカネ、水彦「おばちゃ〜〜〜ん!!」
アカネ達の不満もむなしく、フクロウおばちゃんは、
アイガモくん達のフードファイトに興奮していました。
その最中、こねこちゃん達の方へ、
斬太郎が投げたローストビーフの流れ弾が近づき、
それをレイが見事にキャッチし、パクっと食べてみました。
レイ「…!」
ローストビーフを食べ、何か衝撃を受けたレイは、
流れ弾として飛んできたローストビーフやその他もろもろの野菜をキャッチしまくり、持てるだけ持って、
こねこちゃんにこんなことを聞きました。
レイ「こねこちゃん、キッチンって借りれる!?」
こねこちゃん「えっ、良いけど?」
レイ「ありがとう!ちょっと待ってて!」
シズカ「レイくん、どうしたの!?」
レイはキャッチした野菜やローストビーフを持って
カフェチャーミーの中に入っていきました。
レイの行動に疑問が残る中、アイガモくんと斬太郎の
フードファイトはさらにヒートアップしようとしていました。
斬太郎「くらわせてやるぜ!二刀流の魔剣・ローストビーフセイバーをなぁ!!」
アイガモくん「雪のごとく白銀に煌めく大根ソード!!受けてみるんだもん!!」
アイガモくんは白くて太長い大根、
斬太郎は細長い剣の形をした2本のローストビーフを
装備し、激しい斬撃バトルを繰り広げました。
春人「雪合戦方式からチャンバラ方式にシフトチェンジした!」
アカネ「つーかローストビーフセイバーの形状どうなってんだよ!?」
レイ「そこまで!」
ますます激しさを増すフードファイトの最中、
とあるピザを完成させ、カフェから出てきたレイが
止めに入りました。
アイガモくん「急にどうしたもん!?」
斬太郎「盛り上がってきたのに邪魔すんなよ!」
レイ「君達が戦っている間、新しいピザを作ってみたんだ。一旦休憩して食べてみてよ。」
斬太郎「そういうことならお言葉に甘えさせてもらうぜ。」
アイガモくん「いただきますだもん。」
フードファイトを一旦中止し、
レイの作った新作ピザを食べてみるアイガモくん達。
すると2人に衝撃が走りました。
アイガモくん「お、美味しすぎるだもん!」
斬太郎「確かにうますぎるぜ、これ!」
レイ「ピザの具をよく見てご覧。」
実はこのピザには、さっき流れ弾としてレイがキャッチしたローストビーフ、トマト、アボカド、タマネギ、
がトッピングされておりました。
アイガモくんの野菜の甘み、
斬太郎のローストビーフのジューシーさ、
そしてレイのピザ生地のモチモチ感が合わさり、
アイガモくん達2人を幸せな気分にしました。
レイ「肉と野菜、ジャンルは違えど組み合わせればその美味しさはさらに増すことができる。グリルひまわりのチキンラタトゥイユみたいな感じさ。」
斬太郎「確かにそうだな!アイガモ、野菜を見下したりして悪かった!お前が育てた野菜、甘みがすごくて最高だったぜ!」
アイガモくん「そう言う斬太郎くんのローストビーフだって、柔らかくてソースもコクがあって超良かったもん!」
野菜とローストビーフのコラボピザのあまりの美味しさに、アイガモくんと斬太郎は、お互いの具材の褒め称え、すっかり仲直りしました。
そしてレイは、フクロウおばちゃんにこんな提案をしました。
レイ「おばさん、今回の限定ピザ、アイガモくんの野菜だけじゃなく、斬太郎くんのローストビーフも取り入れたコラボピザとして出すのはどうだろう?」
フクロウおばちゃん「もちろん良いわよ!コラボ大賛成よ!」
斬太郎「サンキューおばちゃん!」
アイガモくん「バンザーイだもん!」
レイの提案を快く引き受けてくれたフクロウおばちゃん。アイガモくんと斬太郎も大喜びしました。
こねこちゃん「仲直りできて良かった!」
春人「しかも2人の具材を使ったコラボピザも採用されて、まさに一石二鳥だね!」
シズカ「そうですね♪」
アカネ「てかフードファイトのくだり必要だったか?」
水彦「正直言って意外と面白かったなぁ。」
こうして、アイガモくんと斬太郎のフードファイトは、
新作コラボピザの誕生と、それを試食したことによる和解によって幕を閉じたのでした。
そして数日後、レイ、アイガモくん、斬太郎の3人が
作った野菜とローストビーフの特製コラボピザが
ついに鈴夏高校の購買で限定発売されました。
その美味しさに生徒達は大喜びし、たちまち人気商品になりました。さらにその後、ピザショップ江ノ島や
ローストビーフ専門店・杉並でも限定発売されたのは、
また別のお話。
途中、食べ物を粗末にするような内容になってすみませんでした。それでもこれはこれで喜んでくれたら幸いです。




