オーダー86:ドラマ風コント・誘拐犯
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水彦「コント、誘拐犯!」
ある日の昼さがり
とあるアパートの一室に、犬の誘拐(演:レトくん)と
誘拐された女の子(演:マユ子)がいました。
マユ子「お父さん…お母さん…。」
誘拐されたマユ子はシクシクと泣いています。
レトくん「いいか?今からお前のとこ親に電話するからな!大声出すなよ!?」
誘拐犯のレトくんは、マユ子に乱暴に脅した後、
スマホ片手に、マユ子の親に電話をかけました。
ジリリリリン…
水彦「はい、お電話ありがとうございますー!こちら
ヘブンズ食堂でございますー!」
電話に応対したのは、マユ子の父親でもあるヘブンズ食堂の店主(演:水彦)でした。
水彦は鼻と口の間にちょびひげが生えており、
ひょうきんな感じで元気良く電話に応対しています。
レトくん「いいかよく聞け!」
水彦「はい!」
レトくん「アンタのとこの娘を預かった!返してほしければ…」
水彦「これはこれはマユ子がお世話になっておりますー!夕方の6時くらいには返してやってください!どうもありがとうございます!」
レトくん「えっ!?あの、その…。」
なんと水彦は、誘拐犯であるレトくんをマユ子の友達と勘違いしているようで、お金の要求もスルーされてしまいました。これにはさすがのレトくんも動揺しているようです。
水彦「はい、ご注文どうぞ!カレーライス1つ!?はい、カレーライス1丁!」
電話の最中、水彦はお客さんが注文したカレーライスの準備のため、電話を切ってしまいました。
レトくん「……。お、大人しくしてろよ!」
レトくんは気を取り直してまた電話をかけました。
ジリリリリン…
水彦「はい、ヘブンズ食堂でございますー!」
レトくん「よく聞けよ!アンタのとこの娘を預かった!返してほしければ…」
水彦「いつもありがとうございますー!娘はすごく優しい子なので、今後とも仲良くしてやってください!」
レトくん「いや、そうじゃなくて!」
水彦「はい、ご注文どうぞ!カレーライス3つ!?はい、カレーライス3丁!」
レトくん「もしもし〜!?」
またも水彦は、レトくんの脅迫電話をろくに聞かず、
お客さんの注文優先で電話を切ってしまいました。
レトくん「なんだあいつ?妖怪自己中親父か?」
気を取り直し、レトくんは3回目の電話をかけます。
ジリリリリン…
水彦「はい、ヘブンズ食堂!」
レトくん「あのすみません!ちゃんと話を聞いてくれませんか!?」
水彦「あのーですね、こちらがですね、お店の電話番号なんですわぁ!家の用事なら家の電話にかけてほしいんですよ!」
レンくん「いや、家とかじゃなくてあなたに用があって…」
困惑してるレトくんをよそに、水彦は家の電話番号についてのことを説明しました。
水彦「最初の番号がそのままで、末尾が2218!そうすれば自宅に繋がりますよ!でもって、じいちゃんがいるもんでねぇ、じいちゃんちょっと耳が遠いもんで、
伝わりにくいかもですが、用事はそちらの方でお願いします!」
レトくん「ですからそのおじいちゃんに用があるわけではなくて…」
水彦「はい、ご注文どうぞ!カレーライス3つにハンバーグ定食1つ!?はい、カレー3丁、ハンバーグ1丁!」
また電話が切れてしまいました。
レトくん「カレーの注文多いなぁ…。」
カレーの注文の多さにちょっと驚きつつ、
再び電話をかけるレトくん。
ジリリリリン…
水彦「はい。」
レトくん「いい加減にしろ!最後まで話を聞けよ!」
ろくに話を聞いてもらえず、さすがにカンカンなレトくん。でも一方の水彦はこう言いました。
水彦「あのー、恐れ入りますが、今お客さんでごった返してるんですよ。」
レトくん「いや今2時過ぎてんだぞ!混んでるわけないだろ!?」
水彦「お昼のお客さんは結構はけたんですけどねぇ、
この時間帯は近所のアニメスタジオの収録に来た声優さんでごった返してるですよこれが。」
レトくん「めちゃめちゃ信頼できる店だなぁ!」
水彦「はいはい!カレーね!ちょっと待っててね!」
水彦は電話の最中、またお客さんのカレーの注文を受けました。
レトくん「つーかほぼカレーの注文ばっかだなぁ!」
カレーの注文の多さにツッコむレトくん。
すると水彦は、ヘブンズ食堂のカレーの美味しさの秘密を教えてあげました。
水彦「うちのカレー意外と人気でしてねぇ、カレーソースの中に牛乳とチョコレートを入れてよりまろやかにして、子供でも食べやすいよう辛さを調整してるんですよ!しかもライスはモチモチのツヤツヤで噛みごたえ最高なんですよこれが!」
レトくん「聞いただけでめっちゃ腹減ったんだけど!」
美味しさの秘密を知り、なんだかそのカレーが食べたくなってきたレトくん。すると電話での会話を一時中断し、近くにいるマユ子にこう言いました。
レトくん「ちょっとトイレの中で待ってろ!」
マユ子「うん…。」
レトくんはマユ子をトイレのある部屋に入らせてた後、
今後は落としい感じで再び電話に出ました。
レトくん「あのー、出前とかってやってます?」
水彦「もちろんやってますよ!」
レトくん「じゃあ…カレー2つお願いします。」
なんとレトくんは抑え切れない食欲とマユ子へのささいな優しさで、カレーの出前を頼んだのです。
水彦「カレー2つですね!」
レトくん「後、オレンジジュースもあったら1つお願いします。」
さらにサービスで、マユ子の分のオレンジジュースも
注文するレトくん。
水彦「オレンジジュースもですね!はい、かしこまりました!ではご住所の方メモいたしますので、少々お待ちください!」
保留音を流し、電話を一時中断する水彦。
すると水彦は、さっきまでのひょうきんな感じがまるでウソだったようなクールな顔付きとなり、
ある人物にこう言いました。
水彦「刑事さん、犯人の居場所、掴めそうですよ。」
ダルくん「お父さん、ナイス演技でしたよ!」
そこにいたのは、なんと犬の刑事(演:ダルくん)でした。実は水彦は、レトくんが脅迫電話をかけてくる前から、マユ子が誘拐されたことを知っており、
密かに警察に協力を要請し、お店も臨時休業にし、
レトくんの潜伏先を知るための作戦を実行していたのです。そして水彦はダルくんに報告した後、
クールな感じからひょうきんな感じへと戻り、
再び電話の応対をしまして。
水彦「もしもし〜!お待たせいたしました!それではご住所の方お願いしまーす!」
レトくん「はーい。」
その後、レトくんは警察に逮捕され、
マユ子も無事、両親と再会できたのは
言うまでもありません。
おしまい
今回はとあるお笑いコンビのコントを参考に
アレンジしてみました!
ちなみにチョコレートは、カレーの隠し味として使えるのは事実なので、料理好きの方は是非試してみてください!




