オーダー78:マユタンのお姉ちゃん参上!
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金色のススキが可愛らしく揺れ、
色鮮やかな紅葉が舞い散る秋の鈴夏町。
そんなある日の休日、水彦と声優であるマユ子は、
アニメ・フォックスヘブンズの話題をしながら
カフェチャーミーキャットに向かっていました。
水彦「来週はモモカちゃんのメイン回だから、めっちゃ楽しみだよ!」
マユ子「あの回はかなり力を入れてアフレコしたので期待しててください!」
するとそこへ、サングラスをかけ、いかにも魔女がかぶっていそうな黒くて大きな帽子をかぶった女性が2人の前に現れました。
???「すみませんが、この辺りにカフェチャーミーキャットというお店があるらしいのですが、どこにあるか知りませんか?」
水彦「実は僕達そこの常連で、丁度向かうところだったんですよ!良かったら一緒に行きませんか?」
???「それはありがたい!ではお言葉に甘えさせてもらいます。」
水彦達はサングラスの女性も加えてカフェチャーミーキャットに向かいました。その最中、マユ子はその女性を見つめ、心の中でこうつぶやきました。
マユ子の心の声「あれ?あの人誰かに似てるような…。」
数分後、3人は無事カフェチャーミーキャットに到着しました。
水彦「ここがカフェチャーミーキャットですよ!」
シズカ「水彦くん、マユ子ちゃん、いらっしゃい!」
春人「そちらのお客様もいらっしゃいませ!」
アカネ「ういーす。」
カフェチャーミーキャットには、こねこちゃん、春人、シズカの店員3人組がおり、さらにお客さんとしてアカネもいました。
???「なるほど。噂通り素敵なカフェだね。」
サングラスの女性はカフェチャーミーキャットを褒めた直後、サングラスと帽子を外し、その正体を現しました。
よく見ると長い髪はパールピンクに煌めいており、
その素顔に、カフェにいる一同は驚きました。
一同「え〜〜〜〜〜!?」
マユ子「お姉ちゃん!?」
アカネ「はっ!?」
水彦「ももももしかしてあなたは、人気女優にしてマユタンのお姉さんである田中ミユキさん!?」
ミユキ「ご名答!田中ミユキだよ。」
なんとサングラスの女性の正体は、若干20歳の人気女優にして、マユ子のお姉さんでもある田中ミユキでした。
アカネ「ちょ待てよ!田中ミユキとマユ子って姉妹だったの!?」
シズカ「そこ知らなかったんだ。」
どうやらアカネだけは、ミユキが女優であるこは知っているものの、マユ子のお姉さんだということは知らなかったようです。
マユ子「来るんなら教えてくださいよ〜!」
ミユキ「ビックリさせようと思ってね。」
水彦「は、初めまして!ぼ、僕の名前は!」
ミユキ「知ってる。大倉水彦くんだろ?後、爪島シズカちゃんと土方アカネちゃん、このカフェの店長のこねこちゃんに月風春人さん。皆さんのことはマユ子から聞いています。妹と仲良くしてくれてありがとう。」
ミユキは水彦達のことを知っており、そんな彼らにお礼を言いました。
水彦「いえ、そんな…。」
ミユキ「さて、そろそろここのスイーツをいただくとしようかな。」
ミユキが席に座り、メニューを見ている最中、
突然怖い顔をした青年が勢いよく入って来て、
なんと拳銃片手にマユ子を人質に取ったのです。
強盗犯「おい!金を出せ!さもないとこの女を殺すぞ!」
マユ子「キャア〜〜〜!」
アカネ「ナメたことしやがって!」
アカネが拳を構え、マユ子を助けに行こうとしました。
でも彼女より速く、水彦が勇敢に強盗犯の前に立ち塞がりました。
水彦「やめろ!マユタンを離せ!マユタンは大切な友達なんだ!人質なら僕が変わる!」
マユ子「水彦くん…。」
強盗犯「なんだテメー?殺されたいのか!?あぁん!?」
人質犯は拳銃を水彦に向けて、脅してきました。
すると水彦はこう言いました。
水彦「殺したいなら殺せよ…!マユタンは僕を含めた多くのアニメファンにとって希望なんだ!その希望が失われるくらいなら、代わりに死んだほうがマシだ!!」
ミユキ「ほぉー。」
強盗犯「だ、だったらお望み通りにしてやるよ!」
強盗犯は少し怖気付いた後、ついに拳銃を発砲し、水彦に命中、水彦は倒れてしまいました。
こねこちゃん、春人、シズカ「水彦くん!」
アカネ「水彦!」
マユ子「水彦くん!しっかりしてください!」
マユ子はなんとか強盗犯から脱出し、倒れた水彦の下に駆け寄りました。水彦は苦しそうにマユ子に言いました。
水彦「マユタン…無事で良かった…。でもここまでみたいだ…。でもどうか自信を失わないでほしい…。これからも君の演技でみんなを笑顔にして…ね…。」
そう言って水彦は力尽きてしまいました。
マユ子「水彦くん、死なないで〜〜〜〜〜!!」
でも…
水彦「てゆーか、大して痛くないし、全然血が出てないんだけど?」
マユ子「へ?」
なんと水彦は生きていました。
こねこちゃん「あっ!これピストルの弾じゃなくてビービー弾だよ!」
なんと水彦のとなりには、強盗犯の拳銃から発射されたと思われるビービー弾が転がっていたのです。
するとそこへ、ミユキが…
ミユキ「カット!いや〜、実に素晴らしいものを見せてもらったよ!」
ミユキは笑顔で拍手をしながら、水彦を称えました。
マユ子「お姉ちゃん、これはどういうことですか!?」
マユ子の疑問にミユキはこの状況を説明しました。
ミユキは、マユ子が転校初日の夜に不良に絡まれたところを水彦が駆けつけたという話を聞いたのです。
そこでその時の勇気を水彦が発揮できるかどうか、お芝居で試してみたということなのです。
ミユキ「とまぁそういうことさ。」
春人「じゃあこの強盗犯はニセモノ?」
ミユキ「えぇ。うちの事務所の後輩俳優の佐々木くんです。」
佐々木「なんか怖い思いをさせちゃってすみません。」
強盗犯改め、佐々木はさっきまでの乱暴な態度とは逆に、本来の大人しい感じに戻り、みんなに謝りました。
アカネ「なんだよ、芝居かよ〜!」
シズカ「でも本当の事件にならなくて良かったよ。」
こねこちゃん「だね!」
水彦「僕はまだマユタンのアニメを見れるんだ…!こんなに嬉しいことはない!」
みんな安心していましたが、マユ子はミユキに怒りました。
マユ子「もぉ〜!お姉ちゃんひどいです!いくら試すためとはいえ、これじゃあ水彦くんが可哀想です!」
ミユキ「ごめんごめん。今度から気をつけるよ。」
マユ子「それに水彦くんも水彦くんです!もっと自分の命を大切にしてください!」
さらにマユ子は、自分の命を犠牲にした水彦にも怒りました。
水彦「ごめんよ。マユタンを助けるためについ…。」
ミユキ「水彦くん、君は噂以上に素晴らしい男の子だった。感動したよ。」
水彦「僕はあなたが思っているほど立派な男じゃありませんよ。あの時だって手も足も出ずにボコボコにされちゃったし。」
ミユキ「その勇気を発揮できただけでも上出来だよ。オドオドしている一面があるけど、これからもそんな妹の友達として、そして心の支えとして力になってほしい。」
水彦「もちろんです!僕にできることなら全力で彼女の力になります!」
ミユキ「それを聞いて安心したよ!」
ミユキに大いに褒められる水彦。
そんな水彦を見て、マユ子は優しく微笑みながら心の中でこうつぶやきました。
マユ子の心の声「危なっかしいけど、やっぱり水彦くんはかっこいいです!」
これでめでたしめでたしと思いきや、
そこへ犬のおまわりさんが来店してきました。
犬のおまわりさん「すみません!発砲音が聞こえたと通報がありましたが!?あっ!お前か!?」
犬のおまわりさんは、拳銃を持った佐々木を逮捕してしまいました。
犬のおまわりさん「銃刀法違反で逮捕する!」
佐々木「ま、待ってください!これはお芝居なんです!」
ミユキ「まずい!このままでは佐々木くんが!」
マユ子「おまわりさーん!待ってくださ〜い!」
その後、ミユキやこねこちゃん達の説明で、
佐々木は無事釈放され、ミユキと佐々木の2人も
カフェプッシーキャットに戻って、美味しいスイーツを満喫したのでした。
今回登場したマユタンのお姉さんであるミユキちゃんは、トニカクカワイイの司ちゃんをモチーフにしました!




