オーダー68:アカネのズッキーニ撲滅運動
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今日のカフェチャーミーキャットには、毎度お馴染みのアカネと水彦が来店していました。
するとそこへ、雪女のしずくと、カッパの男の子であるカパ夫が来店してきました。
カパ夫「最悪でやんす。」
しずく「カパ夫くん、元気出しなよ。ここのケーキ美味しいから。」
でもカパ夫はなにやら不機嫌な様子でした。
こねこちゃん「しずくちゃん、いらっしゃい!」
シズカ「そちらのカッパさんは?」
しずく「妖怪友達のカパ夫くんだよ。」
カパ夫「どうもでやんす。」
春人「元気ないね。僕らで良かったら相談にのるよ。」
カパ夫「ありがとうでやんす。実は…」
カパ夫は、こねこちゃん達にも元気がない訳を話しました。実は昨日、カッパ達の好物であるキュウリを買おうとしたら間違えてズッキーニを買ってしまったのです。
そうとも知らずに食べてしまい、キュウリとは比べ物にならないほどまずく、嫌な思いをしたそうです。
水彦「確かにキュウリとズッキーニは見た目がかなり似てるからね。」
カパ夫「紛らわしいにもほどがあるでやんす!あんなものこの世に存在しちゃいけないでやんす!」
するとアカネが席から立ち、両手でカパ夫の手をガッチリと掴み、こう言いました。
アカネ「その気持ち分かる!痛いほど分かる!あたしもズッキーニが嫌いでさぁ、あれは悪夢の野菜だと思うだよ!アンタみたいや同志がいてホント嬉しいぜ!」
カパ夫「オイラの痛みをこれほどまでに理解してくれる人間がいたとは。ズッキーニの被害者同士、手を取り合おうでやんす!」
アカネ「あぁ!よろしくな!」
人間と妖怪、種族は違えど、同じズッキーニが苦手な者同士意気投合したアカネとカパ夫。
さっきまでショボくれてたカパ夫もすっかり元気を取り戻し、握手をしている2人の目には、友情の炎がメラメラと燃えていました。
すると水彦がアカネ達に向かってこうつぶやきました。
水彦「なんか盛り上がってるけど、世界中のズッキーニ好きの人達を敵に回すようなこと言っちゃってるからね君達。」
次の日、
アカネ「ズッキーニ大量出荷、はんたーい!!」
カパ夫など「はんたーい!!」
アカネ「あんなまずいもん、食卓とかに出すなー!!」
カパ夫など「出すなー!!」
カパ夫「キュウリと間違えるのはこりごりでやんす!!」
アカネなど「でやんす!!」
なんとアカネとカパ夫は、他のズッキーニが苦手な人々や動物を味方に付け、ズッキーニを撲滅するためのストライキを始めたのです。
それを見て唖然とするこねこちゃん、春人、シズカ、水彦、しずくの5人。
春人「好き嫌いもこれほどまで暴走するとは…。」
しずく「なんか私よりも妖怪らしいかも。」
水彦「それはそうと…アカネちゃんの頭がヒャッハーになってるんだけど!」
なんと今のアカネの髪型が、いつもの赤髪ポニーテールから、赤髪リーゼントに変わっているのです。
するとアカネは、こねこちゃん達に向かってこう言いました。
アカネ「今のあたしは土方アカネじゃぁない。自由の戦士、ズッキーニスレイヤーだ!」
今のアカネは、ズッキーニが苦手な人達のための救世主・ズッキーニスレイヤーとなってしまったのです。
ちなみにズッキーニ撲滅運動に参加しているメンバーはこんか感じのメンツです。
タヌタロウパパ「オレもズッキーニなんて大嫌いだぜ!」
タヌタロウ「僕もー!」
赤美「ズッキーニ最低!ムキ〜〜〜〜!!」
白子「今回ばかりは私も、ムキ〜〜〜〜!!」
ヤマネコちゃん「この間、アカネをやっつけるためにズッキーニを利用したけど、私もホントはズッキーニが嫌いなの!」
シズカ「ヤマネコちゃんも加わってる!」
水彦「まさかの一時休戦!?」
タヌタロウ親子や白子姉妹はともかく、なんとクマネズミくん一味の紅一点・ヤマネコちゃんもアカネに賛同していたのです。
アカネ「さぁ同志諸君、今こそ立ち上がれ!!目障りなズッキーニを1本残らず排除し、あたし達ズッキーニ嫌いに永遠の平和をもたらそうじゃないか!!」
カパ夫達「おー!!」
アカネ「ノーモア、ズッキーニ!!」
カパ夫達「ノーモア、ズッキーニ!!」
アカネ達はズッキーニ撲滅運動の合言葉を叫び、鈴夏町中に響かせました。
アカネ「よぉーし!まず手始めにアイガモの家の野菜農家を捜索する!もしズッキーニがあったらすべて処分する!ヤロー共、出撃だ〜!!」
カパ夫「お〜〜〜〜〜!!」
???「ちょっと待つもん!」
そこへ、アイガモくん6兄弟がアカネちゃん達の前に立ちふさがりました。
アカネ「どけよお前ら!あたしらの目的はズッキーニなんだ!他の野菜は見逃してやるんだから別に良いだろ!?」
アイガモくん「それでもダメだもん!すべての野菜でみんなを喜ばせるために、ズッキーニもまとめて守るだもん!」
アカネ「だったら力づくでもどいてもらうしかねぇなぁ!ズッキーニを庇うヤツはみんな悪そのものなんだよ!」
自由の戦士と自称してた割には、まるで悪人のような顔で、アカネはアイガモくんに対してそう言いました。
水彦「アカネちゃんがほとんどクズになってるんだけど!」
こねこちゃん「やめてよアカネちゃん!」
さらにそこへ、こねこちゃんも立ちふさがりました。
こねこちゃん「ズッキーニがなくなちゃったら、アカネちゃんの大好きなチキンラタトゥイユが食べられなくなっちゃうよ!」
アカネ「はっ!」
なんとこねこちゃんの説得により、アカネが思い留まりました。
しずく「アカネちゃんの勢いが止まった!?」
シズカ「これなら考え直してくれるかも!」
ところが…
アカネ「それはそれ。これはこれ。てかあんなのなくてもチキンラタトゥイユは食べれるっしょ。」
こねこちゃん「た、確かに!」
こねこちゃんの説得が通用せず、逆にこねこちゃんが論破されてしまいました。
アカネ「そんじゃあ気を取り直して、アイガモん家に突撃だ〜!!」
カパ夫「お〜〜〜〜〜!!」
???「待ちなさい!」
アカネ「今度は誰だよ?」
ヤマネコちゃん「はっ!この声はまさか!」
今度はなんと、ヤマネコちゃんのママが現れました。
ヤマネコちゃん「ま、ママ!」
???「あたしもいるよ。」
タヌタロウパパ、タヌタロウ「こ、この声はまさか!」
さらにそこへタヌタロウのママが現れました。
2人のママはクールビューティで、スマートな体型をしていました。
ヤマネコちゃんママ「あなた達、嫌いなものがあるのは仕方ないけど、それを理由にみんなに迷惑かけちゃダメでしょ?」
ヤマネコちゃん「うるさいわねぇ!だってズッキーニなんて存在しちゃいけないんだもん!」
タヌタロウパパ「そーだそーだ!」
アカネ「あれを野放しにするわけにはいかないんだ!」
タヌタロウママ「あっそう…、なら軽〜くお仕置きが必要なようだなぁ…!」
ヤマネコちゃんママ、タヌタロウママ「はぁ〜〜〜〜〜!!」
アカネ「ぎょえ〜〜〜〜〜!!」
ヤマネコちゃんママとタヌタロウママの合体攻撃を受け、アカネ達はボロボロの状態になり、地面に倒れ込んでしまいました。
アカネ「ウソだ…。ズッキーニ撲滅の野望が…。」
カパ夫「残念無念でやんす…。」
ヤマネコちゃん「やっぱりママ恐〜い…。」
タヌタロウ「僕のママも恐〜い…。」
タヌタロウパパ「でも惚れ直したぜ…。」
水彦「結局こうなるだね。」
春人「ま、好き嫌いは仕方ないけど、その嫌いなものを侮辱しすぎちゃいけないという良い例えになったね。」
こうして、アカネ達のズッキーニ撲滅運動は防がれたのでした。その後、カパ夫はキュウリを買う際、ズッキーニと間違えないように慎重になりながら買い物をしているようです。
カパ夫「定員さん!この商品はキュウリとズッキーニ、どっちでやんすか!?」
定員「ひゃ、100パー、キュウリですよ…。」
今回は基本ツッコミ側のアカネちゃんが珍しくボケ側になる感じのお話でしたが、いかがでしたか?
僕もズッキーニが苦手なので、もしかしたらアカネ達に賛同しちゃうかもしれません。
けどタヌタロウママ達のお仕置きをくらうのは勘弁ですが。




