表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/142

オーダー23:チャーミーキャットの過去(前編)

感想や評価、ブックマークも大歓迎です!

土曜日の昼下がりのカフェチャーミーキャット。

シズカは、こねこちゃんの猫耳に生えているフワフワでサラサラな耳毛を触り、癒されていました。


シズカ「こねこちゃんの耳も気持ちいいね❤️」


こねこちゃん「えへへ、くすぐったいよシズカちゃん。」


アカネ「あたしにも触らせててよ!」


水彦「僕も僕も〜!」


こねこちゃん「アカネちゃんはポニーテール触らしてくれたら良いよ。」


カフェにはアカネ、水彦が来店していました。するとシズカは、こんなことを言いました。


シズカ「そういえばこねこちゃんは、どうしてこのカフェで働くことになったの?」


こねこちゃん「実は色々あったんだ。悲しいことや楽しいこと。」


そこへみんなの話を聞きつけ、春人も話に加わりました。


春人「そういえばあれからもうすぐ1年経つのかぁ。せっかくだし話してあげるよ、カフェチャーミーキャットの歴史をね。」



どうしてこねこちゃんはカフェチャーミーキャットの店長となり、ケーキ作りが得意になったのか?

話はシズカがこのカフェに初めて来店する数ヶ月前にさかのぼります…







肌寒い風が舞う秋の夜

カフェチャーミーキャットの先代の店長にして、春人の姉・桜子は材料の買い出しを終え、カフェに戻る最中でした。

ところがその帰り道、桜子は、シクシクと泣きながらうずくまっている1匹の猫の女の子を見つけました。

彼女こそが、後にカフェチャーミーキャットの店長を引き継ぐこねこちゃんなのです。気になった桜子は、こねこちゃんに優しく話しかけました。


桜子「大丈夫?猫ちゃん?」


こねこちゃん「うえ〜〜〜ん!!」


するとこねこちゃんは、大声で泣きながら桜子に抱きついてきました。


桜子「よしよし。大丈夫よ〜。」


泣きじゃくるこねこちゃんを桜子は優しく、暖かく抱きました。その後、桜子はこねこちゃんを連れ、カフェチャーミーキャットに帰ってきました。カフェの中には、店番をしていた春人、さらにお客として来ていたハムスターさんと元太がいました。



春人「おかえり姉ちゃん!」


元太「お邪魔してま〜す!」


春人「あれ?その子は?」


桜子「悲しそうに泣いていて、可愛そうだから連れて来たの。」


ハムスターさん「可愛い猫ちゃんやで〜。」



少し落ち着いたこねこちゃんは、1人で泣いていたわけを桜子達に言いました。こねこちゃんのパパとママは事故で2人とも亡くなってしまい、こねこちゃんは頼る当てもなく、1人ぼっちになってしまったのです。

そのことを聞いた春人は、こねこちゃんにこう言いました。


春人「同じだ…。」


こねこちゃん「へ?」


春人「実は僕らも、父さんと母さんを事故で亡くしているだ。だから君の気持ちはよく分かるよ。」


こねこちゃん「ホント?」


桜子「ねぇこねこちゃん、良かったらここで一緒に暮らさない?今日から私と春くんがあなたの家族になってあげるわ!」


こねこちゃん「良いの!?ありがとう!」


こねこちゃんは、同じく親がいない桜子と春人に家族として迎えられ、大喜びしました。


桜子「困った時はお互い様よ。そうだ!歓迎の印に私のケーキを食べさせてあげるわ!」



桜子は、家族の一員として迎えたこねこちゃんをさらに元気づけるため、自分が作ったイチゴのショートケーキをこねこちゃんに差し出しました。


桜子「さ、召し上がれ!」


こねこちゃん「うわ〜、美味しそう〜!いただきま〜す!」


ショートケーキを1口食べるこねこちゃん。

イチゴの甘酸っぱさ、クリームのなめらかさ、スポンジケーキのモチモチ感が絶妙にマッチし、口の中でこねこちゃんを魅了しました。


こねこちゃん「美味しい〜❤️こんな美味しいケーキ初めて食べた〜❤️」


桜子「うふふ♪喜んでもらえて良かった。」


自分の作ったケーキをこねこちゃんに喜んでもらい、桜子も嬉しい気分になりました。

さらに美味しいケーキを食べたこねこちゃんの満面の笑みを見て、春人、ハムスターさん、元太も微笑ましい気分になりました。



こねこちゃん「あのー…。」


桜子「ん?」


こねこちゃん「髪、触って良い?」


こねこちゃんは、サラサラでパールピンクに煌めく桜子の長い髪に見とれ、触っても良いかと頼みました。

それを聞いた桜子は、快く受け入れ、後ろを向き、こねこちゃんに自分の髪を触らせてあげました。


こねこちゃん「サラサラ〜のチクチク〜♪」


桜子の長い髪を触ったり、ほっぺでスリスリするこねこちゃんは、さらに癒されました。その一方、桜子は心の中でこうつぶやきました。


桜子の心の声「どうやらこねこちゃんにとって、女性の長い髪が猫じゃらしがわりのようね。可愛い♪」


さらにその一方、桜子の長い髪で癒されているこねこちゃんの姿を見て、春人、ハムスターさん、元太は再び微笑ましい気分になりました。





そしてこねこちゃんが桜子達と住むようになって数日が経ち、こねこちゃんはカフェチャーミーキャットで桜子と春人のお手伝いをしながら、楽しく伸び伸びと過ごしていました。桜子手作りの美味しいケーキに加え、こねこちゃんの可愛い仕草が、カフェチャーミーキャットの売りになりました。

そんなある日、こねこちゃんは、桜子にこんなことを言いました。


こねこちゃん「桜子ちゃん、私ケーキ作りたい!桜子ちゃんみたいな美味しいケーキを作ってみたい!」


その言葉を聞いた桜子は、こねこちゃんのやる気を感じ取りました。どうやらこねこちゃんは、桜子が作ったケーキに興味を持ったようです。


春人「姉ちゃん、教えてあげたら?こねこちゃん、やる気みたいだし。」


桜子「そうね!こねこちゃんのその熱い想い、しかと受け止めたわ!ケーキの作り方、教えてあげるわね!」


こねこちゃん「ありがとう!」



後編につづく♪




前編はいかがでしたか?

後編ではついにこねこちゃんがケーキ作りを

習います!お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ