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オーダー15:熱きヒーローごっこ

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ある日、こねこちゃん、シズカ、アカネの3人は、

公園で遊んでいる水彦、元太、タヌタロウ、アオネコちゃんの4人を見かけました。なにやらヒーローごっこをしているようです。


水彦「ジャスティスフレイムパンチ!」


元太「なんの!ジャスティスウォーターチョップ!」


アオネコちゃん「ならばこっちは!ジャスティスサイクロンキック!ですの!」


タヌタロウ「これでもくらえ!ジャスティスサンダービーム!ビビビビビ!」


水彦達はポーズをして、技名を叫びながら盛り上がっていました。


こねこちゃん「何してるの?」


水彦「あ、みんな!」


タヌタロウ「今僕達、キャプテンジャスティスごっこしてるんだ!」


シズカ「キャプテンジャスティス?」


元太「知らねぇの?今人気の特撮ヒーローなんだぜ!」


キャプテンジャスティスとは、最高視聴率50%以上、子供だけではなく、大人にも人気のある特撮ヒーロー番組なのです。


アカネ「いやいや、小1(小学生1年生)のタヌタロウならともかく、10代20代超えてる水彦達がヒーローごっこって恥ずかしくないのかよ?」


とタヌタロウ以外の3人をからかうアカネ。

そんなアカネにアオネコちゃんは怒りました。


アオネコちゃん「そんなことないですの!好きなものに年齢なんて関係ないですの!」


シズカ「今のはアオネコちゃんが正しいと思うよ!」


こねこちゃん「そうだそうだ!」


アカネ「わ、分かったって。」


アオネコちゃんの意見に賛同するこねこちゃんとシズカ。それにうろたえるアカネ。


マユ子「まったくその通りです!」


アカネ「うおっ!ビックリした!」


水彦「おお!マユタン!」


そこへ突然、マユ子が現れ、みんなビックリしました。


マユ子「実は水彦くんにお願いがあるのです。」


水彦「僕にお願い?良いよ良いよ!マユタンのためならなんでも協力するさ!」


マユ子にお願いを頼まれ、はしゃぎながら引き受ける水彦。安心したマユ子は、事情を話しました。

近日放送予定のキャプテンジャスティスに、マユ子が女怪人の声を演じることになったのです。でもさすがのマユ子も、初めての悪役の声に苦戦している模様。

そこで、キャプテンジャスティスも大好きな水彦とキャプテンジャスティスごっこをするがてら、演技の特訓を手伝ってほしいと頼んできたのです。


水彦「もちろん手伝うよ!マユタンとキャプテンジャスティスごっこ!これほど光栄なことはないよ!」


マユ子「ありがとうございます!水彦くんなら協力してくれると信じていました!」


水彦が協力してくれることにマユ子は大喜び。

より強い絆があるからこそ、マユ子は水彦が協力してくれると信じていたのです。



そしてマユ子は深く深呼吸をし、キャプテンジャスティスに登場予定の新女怪人クイーンフォックスを演じました。どうやらキツネの女怪人のようです。


マユ子(悪役風)「私の名はクイーンフォックス!偉大なるデビルソード帝国の栄光のため、私の力でこの世界を支配してみせるわ!」


普段の優しくてほんわかとしたマユ子と違い、怖い悪役を演じるマユ子の演技に、こねこちゃん達は魅力されました。


シズカ「マユ子ちゃんすごい…!」


元太「さすが若きプロだぜ!」


アカネ「てかよくキツネモチーフのキャラ演じるな。」


水彦(ヒーロー風)「そこまでだ!デビルソード帝国!」


マユ子(悪役風)「この声はまさか!」


水彦(ヒーロー風)「はやぶさのように空を飛び、ライオンのように大地を走り、イルカのように海を舞う、正義の戦士!キャプテ〜〜〜ン、ジャスティス!!」


そこへ、水彦はキャプテンジャスティスを演じ、その登場時のセリフを高らかに言いながら出てきました。


こねこちゃん「水彦くんもかっこいい〜!」


アオネコちゃん「水彦先輩は私達の中で1番キャプテンジャスティス愛が強いんですの!」


アカネ「てっきりマユ子にメロメロになってガチガチになるかと思ったけど、その心配もなさそうだな。」


まるで水彦はキャプテンジャスティス、マユ子はクイーンフォックスになりきり、そのまま戦闘前の掛け合いを始めました。


マユ子(悪役風)「あなたがキャプテンジャスティスね。なるほど、確かにすさまじいパワーを感じる。だが私は今までのヤツらほど甘くはないわよ。」


水彦(ヒーロー風)「それがどうした!人々の笑顔と世界の平和のため、お前を倒してやるぞ!」


元太「すげー!水彦の声マネが大して似てないのはアレだけど、まるで本編を見てるみたいだぜ!」


アオネコちゃん「マユタン先輩が生で演じているのでよりクオリティがアップしてるですの!」


まるでテレビ、もしくはヒーローショーを見てるかのように興奮する元太やタヌタロウ達。

一方の水彦とマユ子は、キャプテンジャスティスごっこでの掛け合いとは別に、心の中ではお互いを褒めたたえているようです。


マユ子の心の声「さすがです水彦くん!キャプテンジャスティスをこうも熱く演じることができるなんて!予想通り、いえ、それ以上です!水彦くんの熱演を無駄にしないためにも、がんばらなくては!」


水彦の心の声「うひょ〜〜〜〜!!悪役をやるマユタンも超シビれる〜!!そんじょそこらの悪の組織より、マユタンに世界征服された方が幸せだな〜♪おっといけない!今はキャプテンジャスティスの演技に集中しないと!マユタンを困らせちゃいけないからな!」


水彦(ヒーロー風)「行くぞ、クイーンフォックス!」


マユ子(悪役風)「かかってきなさい!」


ついにバトルを開始しようとする水彦とマユ子。

すると…



元太「さぁ始まりました!キャプテンジャスティスと新怪人クイーンフォックスの一騎打ち!実況はわたくし、グリルひまわりのスーパー若手シェフ・志村元太!」


アオネコちゃん「解説はマーメイド女学院中等部2年・アオネコちゃんでお送りするですの!」


アカネ「なんか突然プロレス要素が加わったんだけど!?」


キャプテンジャスティスごっこをより盛り上げるため、突如、実況と解説をし始める元太とアオネコちゃん。

タヌタロウの説明によれば、キャプテンジャスティス本編でのバトルシーンで、プロレスや野球感覚の実況の要素も毎回ある模様。


水彦(ヒーロー風)「行くぞ!ジャスティスフレイムパンチ!」


マユ子(悪役風)「なんの!」


元太「おっと!キャプテンジャスティスのジャスティスフレイムパンチがかわされてしまったー!」


アオネコちゃん「敵ながら美しく、しなやかな動きですの!」


マユ子(悪役風)「私の狐火玉をくらいなさい!」


水彦(ヒーロー風)「ぐわっ!なんて威力だ!」


元太「ここでクイーンフォックス、自慢の狐火による光弾を発射!キャプテンジャスティスに直撃だ〜!」


アオネコちゃん「早くもピンチですの!」


水彦(ヒーロー風)「これくらいで怯むものか!オレは最後まであきらめんぞ!」


マユ子(悪役風)「フフっ♪そう来ないと。」


水彦とマユ子、そして実況や解説を続ける元太とアオネコちゃんは、一味違うヒーローごっこで盛り上がり、それに魅力され、こねこちゃん、シズカ、タヌタロウの3人も興奮し、キャプテンジャスティスを演じる水彦を応援し始めました。

でもアカネだけはドン引きしており、心の中でこうつぶやきました。


アカネの心の声「好きなものに年齢は関係ないのはよく分かった。でもやっぱ高校生にもなってヒーローごっこは恥ずかしいと思うんだよなぁ…。」



などと思っている内に、キャプテンジャスティスごっこもいよいよクライマックスに差し掛かりました。


マユ子(悪役風)「こうなれば私の全パワーを解き放ち、終わりにしてあげるわ!」


水彦(ヒーロー風)「これで決めてやる!」


元太「おーと!この構えは!必殺のジャスティスパーフェクトビームを撃つ気だ!」


アオネコちゃん「説明するですの!ジャスティスパーフェクトビームとは、火、水、風、土、雷、氷、光、闇、8つの属性のエネルギーを1つに集めて発射するキャプテンジャスティス最強の光線技ですの!」


マユ子(悪役風)「消えてなくなりなさい!」


水彦(ヒーロー風)「これで最後だ!ジャスティスパーフェクト」


あきえ「うるさいわよあなた達!!」


なんとそこへ、クライマックスな状況にもかかわらず、あきえが怒りながら現れました。あきえは、いい歳してヒーローごっこして騒いで恥ずかしくないのかと、水彦達を説教しました。


水彦「でも好きなものに年齢なんて関係ないじゃないか!」


あきえ「言い訳なんて聞きたくないわ!」


水彦、マユ子、元太、アオネコちゃん「す、すみません…(ですの)。」


好きなものに年齢は関係ないという信念を持つ水彦達ですら、あきえの怒りには敵いませんでした。


あきえ「とはいえ、あなた達の意見にも一理あるわね。今回だけ大目に見てあげるわ。」


水彦「ホント!?」


元太「サンキュー、あきえちゃん!」


マユ子「ありがとうございます!」


あきえ「でも今回のあなた達の行動で、不快に思った人もいたのは確かよ。アニメや特撮の盛り上がるは良いけど、時と場所を考えなさい。」


最後は水彦達を許し、盛り上がるのはほどほどにするよう注意し、あきえは去っていきました。


シズカ「最近あきえちゃん、少し優しくなったね。」


アカネ「きっとこの間のスイーツバトルの時のシズカ達の説教返しが効いたんだろうな。」


シズカ「そうかなぁ?なら嬉しいけど。」


アカネ「ま、今回ばかりは水彦達を止めた滝林に感謝しねぇとな。」


水彦達によるキャプテンジャスティスごっこを止めてくれたあきえに、珍しく感謝するアカネ。


マユ子「水彦くん、今日はありがとうございました!おかげで良い勉強になりました!きっとアフレコにも役に立つと思います!」


水彦「そうかい?役に立って僕も嬉しいよ!」


キャプテンジャスティスごっこを通じて、悪役の演じ方が最初より慣れていき、演技の特訓を手伝ってくれた水彦にお礼を言うマユ子。マユ子の役に立ち、水彦も嬉しい気分になりました。


こねこちゃん「でもラストシーン見れなかったね。」


タヌタロウ「気になるよね〜。」


でもキャプテンジャスティスごっこのラストシーンをあきえによって中断され、ガッカリするこねこちゃんとタヌタロウ。すると元太はこう言いました。


元太「ま、続きはテレビで!ってことだぜ!」


こねこちゃん「そっか!それもそうだね!」



そしてしばらく経ち、ついにマユ子が怪人の声を演じるキャプテンジャスティスの最新話が放送される日がやってきました。しかもカフェチャーミーキャットのリビングにあるテレビの前に、こねこちゃん、春人、シズカ、アカネ、水彦、ハムスターさん、元太、タヌタロウ、アオネコちゃん、そしてマユ子が集合していました。


水彦「ついに世紀の対決を見ることができるんだね!」


元太「ワックワクすっぞ!」


マユ子「演じた私も緊張します…!」


アカネ「てかみんな集まる必要ある?」


アオネコちゃん「あ!始まったですの!」


そしてついにキャプテンジャスティスが始まりました。


キャプテンジャスティス「そこまでだ!デビルソード帝国!」


クイーンフォックス「この声はまさか!」


キャプテンジャスティス「はやぶさのように空を飛び、ライオンのように大地を走り、イルカのように海を舞う、正義の戦士!キャプテ〜〜〜ン、ジャスティス!!」


キャプテンジャスティスとマユ子が演じるクイーンフォックスのスーパーバトルを見て、テレビの前で興奮するこねこちゃん達でした。


実況「今のところ両者、互角の戦いを繰り広げておりますね。」


ついでに実況要素もちゃんとありました。


アカネ「マジであったんだ…。」




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[良い点]  おぉ、すごいオリジナリティ溢れる書き方をしていますね。文頭開けはしない、セリフの書き方は名前「セリフ」でフリーゲームみがあるし……驚きました。  初めて読む類の物なので面白かったです。…
[良い点] コミカルな展開に引き付けらました。アカネさんの常識的な意見と、水彦君たちの好きなものに年齢は関係ないという意見の、対立の構図に考えさせられながら読みました。でもあんまりシリアスではなく、い…
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