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今後


「ふぁ〜あ」


いつの間にか寝てしまっていたらしい

時計を見ると3時前だった

あまり長い時間寝ていたわけではないらしい

開いたばかりの目を擦って周りを見渡す


「ホッ、」


どうやら病室に唯さんはいないようだった

ずっと居てもらうのも束縛しているようで申し訳なかったので良かった


「足酷いことになっちゃったな〜」


昨日歩き回ったことで悪化させた足を撫でながらそうつぶやいた


『走ってるときはアドレナリンが出てるから痛くなかったかもしれないけど、足はどうしようもなくなるところだったんですよ、』


軽い検査が終わったあと病院の先生に言われたことを思い出す


「いてっ、撫でるのもだめなのか、」


「ふっははは」


足を撫でるだけでも痛みが走るというどうしようもない現実に乾いた笑いが生まれた


「ははっ、はっ、本当、やっちゃったな、唯さんにも迷惑かけたし、ヒーロー気取りか、俺」


自分の口から出た言葉で事実を再確認し、涙が出てくる


コンコン


どれくらい泣いていたのだろうか、

外から聞こえてきた壁をノックする音で少し冷静になる

唯さんが寝ている俺に気を使っているのかも

そう考えた俺は少し嬉しくなり


「はーい」


と少し鼻声になってしまった声で返事をした



「失礼します、ってあれ、純平泣いてる?」


病室に入ってきたのは優愛だった

唯さんじゃなかったことに少し驚いた


「どうしたの?大丈夫?酷い顔だよ、とりあえずお菓子でも食べる?」


優愛はそう言うとついさっき買ったであろう袋の中からとあるチョコレート菓子を取り出した


「少しこっち向いてて」


優愛はポケットからハンカチを取り出し俺の涙でグシャグシャになった顔を拭いてくれた


「よいしょ、」


優愛は個包装になってるチョコレート菓子の袋を開けると俺に食べさせようとしてくれた


「手は使えるよ、」


俺は不思議に思い優愛は俺が手も使えないと思っているのではないかと考えた


「それは知ってる、私がしたいだけだから気にしないで、ほら口開けて、」


俺は優愛に言われた通り口を開けた


「はい、」


優愛は優しく俺の口の中にチョコレートを入れてくれた

そのチョコレートを噛む


「美味しい?」


「うん、俺がこれ好きなの知ってたんだね、」


「まぁね、教えてもらったから」


「そっか、」


誰に?

なんて聞かなくてもわかった

その人は今どこにいるのだろうか、



噛めば噛むほどそのチョコの味が口の中に広がった

その度その人、唯さんとも思いでも胸の中に広がった


「ッ…!、、グスンっ、」


期間は長くなかったけどとても楽しかった俺の思い出、

少し前に唯さんと一緒に食べたチョコレート

些細な思い出だったかもしれないけど

そのチョコレートと同じものを食べたことでトリガーとなり他の思い出も溢れ出す


「大丈夫?」


優愛はそう言うとまた俺の顔を拭いてくれた


「優愛、俺はこれからどうすればいいと思う?」


限界が来てしまったのか、

俺は優愛に相談を始めた


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