ゲーム、と
「お菓子も食べたし、ゲームでもする?」
お菓子を食べ終わってゆっくりとしているところに唯さんが提案をしてくる
「いいですね、やりましょ」
俺も何をしようか考えていたところだったのでちょうど良かった
「今度こそ勝ちますよ」
「言ったね〜期待しちゃうよ」
唯さんが選んだゲームはレースゲームだった
このゲームでは前に何度も負けているので今度こそ勝ちたい
数分後
「うわぁぁ~また負けた、」
「ふっふっふっ、また私の勝ちだね」
見事にボロ負けだった
ぎりぎり一周差はつかなかったのが救いだ
「もう一回やる?」
「やる!次は絶対負けませんよ」
数分後
「なんでだぁぁぁ」
「また私の勝ちだね」
また負けた
だけどさっきよりも差は縮まっている
このまま行けば勝てるかもしれない
そこからは結構盛り上がり
二時間ほどプレイしてやっと一勝することができた
「やった、やっと勝てた」
「いや〜負けちゃったね、それにしても前よりもうまくなったよね」
「そうですかね?」
「うんうん、うまくなったよ〜」
褒められて嬉しくなってにへらと笑った
「そろそろご飯にする?」
「そうですね〜、お腹も空きましたし」
そんな会話をしているとテーブルの上においてあったスマホが鳴った
「スマホ鳴ってるよ?」
そう言うと唯さんはテーブルの上にあったスマホを俺に渡してくれた
スマホの電源をつけると電話だった
友達とは普段メッセージアプリを使用するのでかけてきているのは友達ではなかった
他に電話をするような親しい関係の人はいない
とすると、かけてきているのは家族しかいなかった
「もしもし」
待たせるのも悪いと思って電話に出る
「あ!やっと出た、今家の前にいるんだけど、どこにいるの?」
電話の主は3つ年上の姉さんだった
「家の前!?」
家族に唯さんと住んでいることは話していない
2週間も住んでいないと生活感は薄れてしまう
どうしようと考えるがとりあえず向かう他なかった
「すいません唯さんでかけてきます、遅くなっちゃうかもしれないのでご飯食べててください」
俺は唯さんにそれだけ言うと同じマンションの元々自分の住んでいた場所に向かった
この選択があっていたのか
間違っていたのか
俺にはよく分からなかった




