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日常


あれから一時間ほど経っただろうか


「足痺れてないですか?」


「大丈夫だよ!それより、質問してくるってことは結構時間経ってる?」


唯さんはそう言うと顔を時計の方に向けた


「一時間ぐらい経ってるね、ご飯にはまだ早いよね」


ご飯はいつも6時、7時ぐらいに食べている

なのでこの時間はまだ早かった


「どうします?」


上を向き唯さんと顔を合わせた


「んー、おやつでも食べる?」


「はい!」


唯さんは立ち上がると俺を抱きかかえて椅子に座らせてくれた

その後俺の頭をポンポンと優しく叩きお菓子の準備をしに行った


「おまたせ〜」


唯さんはチョコレート、クッキー、グミ、飴、などのたくさんのお菓子をのせたお皿とコップヲ持ってきてくれた


「ありがとうございます、すいません手伝えなくて」


「大丈夫だよこれぐらい、それに私は足をけがしている人を動かす気はありません」


「その〜、いつも、何から何までありがとうございます」


「どうしたの?改まって」


「なんか言いたくなっちゃって」


「そうなの?、こちらこそ、いつもありがとね」


「俺、感謝されるようなことしてませんよ?」


自分からこんなこと宣言するのは少し恥ずかしかったが、実際に何もしていない、お手伝いぐらいはしているけど感謝されるようなことではない


「お手伝いしてくれてるじゃん、掃除とかお片付けとか、それに純平くんはいるだけで良いから」


いるだけで良いなんて初めて言われた気がする


「なんかしんみりしちゃったね、お菓子食べよっか」


「そうですね、食べましょう」


俺と唯さんは思い思いのお菓子を手に取り口に入れた


「あ、これ美味しい」


「こっちも美味しいです」


「純平くん、ちょっとこれ食べてみて、」


俺は唯さんから渡されたチョコレートを口に入れた


「どう?」


「美味しいです」


「だよね、だよね、これはあたりだね」


「こっちも食べてみてください、美味しいですよ」


俺は唯さんにクッキーを薦めた


「どれどれ〜」


唯さんはそう言うとクッキーを口の中に入れた


「本当だ、美味しい」


「ですよね?このクッキー俺結構好きです」


「私と純平くんって味の好み似てるよね」


「そうですか?」


気にしたことなかったがたしかに言われてみればという感じだ


「味の好み似てるといいよね、お菓子シェアしたりできるし」


「確かに、お互いの好きなもの薦めたりできますしね」


「ね!」


そう言って微笑むように笑う唯さんを見て、

味の好み似ていて良かった、と嬉しくなった




そこからはこれが美味しいや、あれが美味しい、それとそれを組み合わせると美味しい、

などのどこにでもあるような会話をしていった

俺は唯さんとの思い出を重ねるようにこの会話も

ゆっくり心の中にしまった

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