安心
「明日は病院に行こうね」
「そうですね、」
今は芽依さんがお風呂に入っている
優愛は麻衣さんに懐いたようでカーペットに座り一緒にテレビを見ている
俺と唯さんはリビングの椅子に腰掛け明日の話をする、明日はちょうど休みということもあり病院に行くことになった
「寝る場所どうしようか?」
みんながそろそろ寝る時間になったところ唯さんが問いかける
「来客用の布団一つしかないんだよね」
唯さんの発言に優愛が前からそうするべきだと考えていたかのようにすぐ答えた
「なら私はソファーで寝ます」
「いや、ここはあたしがソファーで寝るよ」
芽依さんが変わろうとする
「いや、でも」
優愛は申し訳なく思ったのか言葉が詰まる
「いいの、いいの、あたしは平気だし」
芽依さんが大丈夫ということをアピールするために指でVサインをする
「ほらほら、優愛ちゃんは私と寝ましょうね〜」
このままじゃ平行線だと思ったのか麻衣さんが会話に参加してくる
「わかりました、でも無理なら変わります!」
「大丈夫、大丈夫、心配無用!」
芽依さんが心配させないようにニコッと笑った
そこからは特に何かあるわけでもなくみんなそれぞれの場所についた
「そういえば、純平はどこで寝てるの?」
不思議そうに優愛が聞いてくる
「唯さんと寝室のベッドで寝てるよ」
特に隠す必要もないので答える
「そ、そう、なんだ、」
何故か優愛は恥ずかしそうに顔を赤くした
俺に「おやすみ」とだけ言って布団の敷いてある部屋に向かった
俺と唯さんのベッドに入った
いつもなら会話をしているのだが今日はさっきから少し気まずかった
「あの、さっきはごめんね、なんか私、自分でもなんであんなことしたのかわかんない、」
唯さんは申し訳なさそうに声のトーンを下げて話しかけてきた
「さっきってお風呂のことですか?俺は助かりましたよ」
「本当?」
唯さんの声のトーンが少し上がった気がした
「はい、多分一人だったら入れるけど上がれないと思います」
本人に言えないような感情もあるのでそれを口に出さないように考えてから話したので少しゆっくりになる
「本当?なら良かった」
いつものような声のトーンに戻った
唯さんには落ち込んでいてほしくないので戻ってくれてよかった
「本当に助かりました」
心からの感謝の言葉を伝える
「なんか今日寒いね、」
少し経ち唯さんは唐突にそんなことを言い、俺の手を握ってきた
「でも、温かいですね」
今日は色々あってバタバタしていたけど唯さんの手の温かさによって安心してその日はすぐに眠ることができた




