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唯さんとお風呂


「どっどっ、どうしたんですか!唯さん?」


「いや~、ほら、ちょうどいいからね」


「な、なるほど、ちょうどいい、」


何がちょうどいいのかは分からないが頭の中はそれどころではなかった

唯さんの体を見てはいけないという理性が働き視線を上に向けると顔が赤くなっており、恥ずかしそうにしている唯さんと目があった

いつもより色っぽく感じてしまい視線を右往左往させる


「寒いと思うので、どうぞ、」


ずっと立たせておくわけにもいかないので少し端っこに詰めてスペースを確保する


「それじゃあお言葉に甘えて」


そう言うと唯さんは湯船に入った

湯船に入ると体とバスタオルの間に隙間ができそこに視線が吸い込まれそうになる

どうにか目線がそこに行かないようにする


「今日、学校、どう?だった?」


唯さんが絶対今する話じゃない話題を振ってきた

多分唯さんも緊張するのだろう


「文化祭、文化祭の話、しました」


「文化祭、準備順調?」


「はい、なんとか」


湯船の中に向かい合わずに入り学校の話をするという謎の光景が繰り広げられている


お互いに緊張しているので話はそう長くは続かなかった

俺もどうにか話題を出そうとする


「唯さんは今日何してたんですか?」


「私?、私は………」


唯さんが言葉をつまらせる

そんなに大変なことをしていたのだろうか


「特に何もしてないよ、」


唯さんは何もしてないと言っていたがどうにか話のタネを探す


「そういえば、今日麻衣さん来てましたけど、二人で出かけたりしたんですか?」


そんなことを聞いて何になるのかわからないけど、緊張しすぎて頭が何も考えなれなくなっていた


「まぁ、買い物、行ったりとかはしたかな」


やっと会話が出来そうなくらい広がった


「何買ったんですか?」


「そ、それは秘密」


「なるほど、」


なんて返答をしたらいいのか分からず何もわからないのになるほどと返した


「そんなことより、背中流すよ」


「俺、もう体とか洗い、ましたよ、」


「ま、まぁいいじゃん」


唯さんはそう言うと唯さんはお風呂場の床に座り、その足の間に俺を座らせた

ついつい、きれいな足だと思ってしまう


「どう?痛くない?」


唯さんが俺の背中を洗いながら聞いて来る


「大丈夫です」


そこから洗い終わり、再び浴槽の中に戻った


「………」


そこから少し気まずい空気が流れた


「そろそろ戻ろうか、」


唯さんに手伝ってもらいお風呂からあがった

何もなかったのは残念でもあり嬉しくもある

そう思っていると…


「純平くん、あの〜、下」


「下?」


唯さんに言われて下を見てみると見えてはいけない部分に巻いていたタオルが少しズレていた


「ごめんなさい」


慌てて直した


「えっと、凄い、ね」


唯さんがフォロー?を入れてくれた

恥ずかしすぎる


そこからはお互いに反対側を向きながら着替えた

服が擦れる音にドキドキしながらも、平常心を保つことを心がけた


何事もなかったかのようにリビングに戻った


リビングに戻ると芽依さんと麻衣さんが椅子に座っており、優愛が食器のお片付けを行っていた


「おぉ〜姉ちゃん遅かったね、もしかして一緒に入ってた?、なわけ無いか、」


芽依さんが冗談まじりに聞く


「…………入って、、、ないよ」


「え?!その間、そういうこと?」


唯さんは恥ずかしそうに下を向いた


「あらあら〜」


「ま、まぁ、ワンちゃん犯罪かもしれないし、ないよね?ね?」


「う、うん」


芽依さんの発言で少し肩がビクッとした気もしたが気のせいだろう

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