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心配


「私、あの日からずっと自分が世界のヒロインで自分より可哀想な人はいないと思ってた、

あーあ、なんであんなことしたんだろう、一思いに笑ってよ」


落ち着いた優愛はそんな冗談かも分からない言葉をかけてきた


「別に笑わないよ」


「なんで?私ずっと純平くんのこと騙してたのに」


「面白くないもので笑えって言われても俺にはできないかな、辛さって人と比べるものじゃないし」


「でも、」


「騙してたって言うのはもういいよ、慣れてるし」


「慣れてる?」


「そんなことより、パンありがと、美味しかった」


「本当にそんなのだけで良かったの?」


「優愛にとってはそんなのでも俺にとってはそんなのじゃないから」 


「そうなんだ、ごめん」


「いいよ、別に気にしてないし」


「ありがとう」


「そろそろ戻ろうか、授業始まるし」


「そうだね」




「ちょっと純平、こっち来い」


教室に戻ると歩斗に声をかけられた


「なんだよ?」


「なんだよじゃねえよ、なんで急に仲悪くなくなってんだよ」


「?相手の話を聞いたから?」


「あのな、純平は人の話に共感しやすいところあるけど、また騙されてるんじゃないのか?友達としてはもうああいうのは無しにしたいんだ」


「多分大丈夫」


「本当か?なんかあったら相談しろよ」


「純平が決めたことなんだから大丈夫だろ、」


来翔も話に参加してくる


「いや、でも心配だろ」


「俺も心配だけど今の純平には頼れる人でもいるんだろ、だから大丈夫だと思うぞ」


「頼れる人はいるけど、できれば頼りたくないっていうか」


「その人って家族?」


「いや、というか俺が一人暮らしなの知ってるだろ」


「知ってるけどさ」


「じゃあ質問してもいいですか?」


「来翔さん、どうぞ」


急に質問大会のようなノリになった


「もしかして女の人ですか?」


「えっと、はい、そうです」


「次俺、次俺、」


「歩斗さんどうぞ」


「年上ですか?年下ですか?」


「年上です、ねぇこれ恥ずかしいからやめない?」


「なぁ大体絞れそうだしいいよ」


「うんうん」


「告白しないの?好きなんでしょ?」


「好きだけど、俺にそんな権利ないし」


「なんか良くない理由でもありそうだな、聞かないけど」


「あぁありがと」


休み時間終了まであと半分を切った頃だった


「お~いたいた、桜井ちょっといいか」


芽依さんが教室に来た

多分朝寝坊したからそれの確認だろう

芽依さんがいるこの教室の入り口の方に向かった


「朝大丈夫だったか?」


「遅刻はしましたけどなんとか」


「まぁ夜更かしもほどほどにな」


「はい、心配をおかけしました」


「よろしい」


芽依さんはそう言うと俺の頭をわしゃわしゃ撫でた


「今日も文化祭準備するなら手伝うから呼べよ、

じゃーな」


「ありがとうございます」



芽依さんは教室を離れた


歩斗たちの方に戻ると何やらニヤニヤしていた


「なるほどね〜どう思いますか来翔さん?」


「まぁ春が来たんじゃないですか、秋ですけど」


二人して変な喋り方をしている


「どうした?二人とも喋り方変じゃない?」


「いやいや、まぁまぁ、そんなことより授業の準備をしましょう」


「そうですねオホホホ」


二人はそう言うと廊下のロッカーに必要なものを取りに行った

(なんの話をしてたんだろう)


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