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究極の選択

「どうだった?しっかり怒られたか?」


なんとかギリギリ教室に戻ってくると歩斗が声をかけてくる


「いや、それがさ、全然だった」


「え?」


「びっくりだよな、まぁ続きは授業が終わった後にでも」


「そうだな」


歩斗が自席に戻ると同時に教室に英語の先生が入ってきた




授業が残り半分ほどに差しかかる


「今日寝てるやつ多いな、俺催眠術師にでもなろうかな?」


クラスでいつもより2〜3人ほど多く寝ていたので英語の先生がそんな皮肉交じりの発言をする


俺はというと寝てはいないが授業を聞いてもいない

ぼーっと窓の外を眺める

(春になるとあそこに桜が咲くのか〜楽しみだな)


先生は寝ていた人たちを起こして授業を再開する

起こされた人は不可抗力で寝てしまったのか少し驚いているやつと、自分から寝に入ったのだろうか?起こされて少し不機嫌そうなやつもいる

(起こされると嫌だよな、わかるぞ)

俺も注意を受けたくなかったので外ではなく黒板を見るようにした


「それじゃあ次の問題、ここには何が入る?

っと、それじゃあこの問題は上崎いってみよう」


「えっと〜isですか?」


「そう、正解」


(全然分からなかったな、答えを聞いてみると意外と簡単なんだ)


次、その次と問題が変われば誰かが指されまた問題が変われば誰かが指されといった風に授業が進んでいく、その中で歩斗も指されたのだが難なく正解していた

(流石だな、)


「それじゃあ課題配るぞ、ほら、そこ面倒くさいとか言わない」


「だって面倒くさいじゃないですか」


「期限少し伸ばしてやるからやってこいよ」


「はぁ~い」


先生とクラスの陽キャが友達のように会話をしている、正直陽キャのノリは好きじゃないがこういうところで発言したり、場を盛り上げたりできるところは尊敬している


「それじゃあ課題も配ったことだし、終わりにするか」


「起立、ありがとうございました」


号令は学級委員長がすることになっているので

学級委員長が挨拶をした

俺は適当に挨拶をし、そのまま昼休みに入る



「よーし、二人共購買行くぞー」


「俺今日財布持ってきてない」


「マジ?じゃあ来翔は行かないのか」


「二人でいってらー」


「俺も行くから少し待って、財布探す」


「オッケー」


「ちゃんと持ってきてんのか?」


「当たり前だろ」


バッグの中を探す

(あれ?入ってない、もしかして、朝バタバタしてて忘れていたのでは?)


「すまん忘れた、」


「マジで?俺もかせるほど持ってないからな、今日は400円しか持ってきてないし」


「パンと飲み物買って終わりだな」


「うん、それでどうすんの?」


「まぁ昼ぐらい食べなくても済むし」


「俺のパン半分やろうか?」


「いや、いいよ歩斗の分なくなるし」


どうしようかな、と考えていると隣の人から声をかけられた


「はい、これで足りる?」


「え、優愛なんで?」


隣の席の優愛が何故か俺にお金を渡してきた

あれだけお金しか見てなかった優愛がだ


「本当にいいの?」


「うん」


「明日返すから借ります、何倍にして返せばいい?」


借りを作るのは嫌なので何倍で返せばいいだろう?


「返してくれなくてもいいよ、その代わり一つお願い聞いてほしい」


なんで俺がと思いつつも自分のお腹は正直だ


「お願いって?」


「久しぶりにご飯一緒に食べたい」


「え?」


なんだこいつは?

本当にわけが分からなかった

何がしたいのだろうか?

本当なら断りたいがそうすると俺のお昼はなくなる

いや、でも、

本当にいいのか?

考えること2分


「だめ?」


優愛にそんなことを言われる

首をかしげる動作に少しドキッとしたが相手は優愛なのだと考え直した

返事はただご飯を食べるだけなのだ

別に何かあるわけじゃないと割り切り行くことにした、だってお昼たべたいもん


「分かった、行く」


「本当、じゃああの部屋で食べよ」


ナチュラルに腕を掴んで来ようとしたのでかわした

本当に何がしたいんだろう?

と思ったが背に腹は代えられない

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