あだ名
「遅れました〜」
教室の後ろのドアを開けて俺と委員長はゆっくりと教室に入る
「おぉ、ふたりとも遅刻か?」
黒板に板書をしていたはずの数学の先生が前を向き声をかけられる
「この授業終わったら響と桜井は担任のところいけよ」
「「わかりました、」」
「それじゃあ授業続けるぞ、」
「なぁなぁ純平、今日どうしたんだよ?」
「そうそう、いつもなら遅刻とかしないのに」
休み時間になってすぐ歩斗と来翔が声をかけてくる
「普通に寝坊」
「夜遅くまでなんかしてたのか?あっ、もしかしてそういうやつですかい?」
「歩斗、詮索してあげるのはやめなさい、純平だってちゃんと高校生なんだから」
「何を勘違いしてるのか知らないけどゲームしてただけだから」
「え?お前がゲーム?」
「珍しいな」
「悪いかよ」
「「いやいや」」
「マイケル行くぞー」
二人と話していた後ろから委員長が出てきた
「あぁ先生のとこ行かないとなんでしたっけ?」
「そうそう、次の授業に送れないために急ぐぞー」
「んじゃふたりとも、行ってくるわ」
「おう、」
「いってらー」
委員長と廊下を歩きながらこんな話をする
「そういえば委員長、その呼び方って定着させるんですか?」
「させるよ、変える気は無いね、ホニャララ細胞ぐらいないよ」
「まぁ確かにその細胞はなかったですけど、それとやっぱり変える気は無いんですね」
「というかさマイケルはずっと委員長呼びなの?」
「そのつもりですけど」
「なんか片方だけあだ名呼びは変じゃない?」
「なら変えればいいじゃないですか」
「それはやだ」
「えぇ、」
「名前からなんか考えてよ」
「そもそも委員長の名前知らないです」
「まじ?」
「まじ」
「それじゃあ自己紹介、私の名前は響天音」
「てんね?珍しい名前ですね、どういう漢字ですか?」
「どういう感じ?優しい感じの人かな?」
「いや、字の話ですけど、あと優しいって自分で言うんですね」
「あぁそっちね、天の川の天に音って書いて天音だよ、あと優しいのは本当」
「後の方は置いといて、失礼なこと言いますね
その漢字だとあまねの方がよく聞きますね」
「んーそうだね、配信者の人とか漫画のキャラとかは天音って書いてあまねの方が多いね
まぁ私はてんねのほうが可愛いと思うよ、ほら天然みたいで」
「んじゃ天然で」
「そこで決めるの?これから私天然ちゃんって呼ばれるの?!なんかやだな」
「えぇ、文句言わないでくださいよ、ならねんちゃんで」
「それだと某漫画の技になっちゃうじゃん」
「えぇ、これも駄目か」
「もっとかわいいやつがいい」
「それなら店長は?」
「どういう由来?!」
「天音の天に委員長の長で天長、それでわかりやすくして店長」
「それだと私この学校バイト禁止なのに店長まで上り詰めちゃった人みたいじゃん」
「それはよくわからないですけど、ならカペラは?」
「カペラ?なにそれ?」
「天って言ったら星かなって、それで星の中で一番かわいい感じのやつ考えたらこれしか知りませんでした」
「ならカペちゃんって呼んで」
「じゃあこれからカペちゃんって呼びます」
「よしじゃあそれで」
「そういえばここってどこですか?」
「あ、たしかに」
「そういえばさっきの階段降りなきゃ駄目だった気が」
「よし、戻るぞマイケル」
話すことに夢中になっていて道を間違えてしまったので委員長もといカペラと職員室に向かった




