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あの日と今


俺と芽依さんは駅についたので改札を抜けてホームに行く


駅のホームにつくとあの日のことを思い出す

ここではなく2つ隣の駅なのだが駅のホームということだけで唯さんと出会った日のことを思い出してしまう

あの日俺は彼女を寝取られて絶望していた

今考えたら寝取られではないのかもしれない

でもあの日は裕翔に寝取られたと思っていた

落ち込んでいる俺に唯さんが声をかけてくれた

それから俺は唯さんと行動を共にした

俺の今があるのは唯さんのおかげと言っても過言ではない


「なぁ桜井どうした?さっきからぼーっとして」


「すいません、ちょっと考えごとしてました、唯さんには感謝しないとなって」


「逆に唯が感謝したいんじゃないか?」


「唯さんが?なんで俺に?」


「え?覚えてないの?」


「何をですか?」


「はぁこれだから鈍感主人公くんは」


「?すいません風が吹いてよく聞こえなかったです」


「そういうとこだよ」


何がそういうところなんだろうか、

これ以上聞いてもひつこいと思うので聞かないけど


数分待つと電車が来た


「結構混んでますね」


「まぁこの時間帯は社会人の帰宅と被るからしょうがないか」


「ですね、」


「そこ空いてますよ、芽依さんどうぞ」


「いや、あたしはいいよ、桜井座りな」


「いや、でも」


「はい、はい、これは先輩命令だから、というかあたしは部活で結構体力ついてるから、あたしと純平身長ほぼ変わらないから、今だったら多分あたしのほうが強いよ」


「ならお言葉に甘えさせてもらいます」


「そうそう、それでいいんだよ」


一応マナーがあるので小声で会話をしているが迷惑になってしまうのでそこで会話をやめる


椅子に座っている俺を芽依さんが上から見下ろすような形になっている

目線をどこに向ければ良いのかわからないのでとりあえず芽依さんの方を見ておく



「桜井、こっち見すぎ」


芽依さんが手で口元を隠しながらそう言った


「すいません」


「見てもいいけど、顔はやめて、恥ずかしい」


どこに目を向ければいいか困ってしまったので

とりあえず自分の膝を眺めておく



次の駅に着き結構な人数が電車を降りた

俺たちはその次の駅で降りる予定なのでここでは降りない

俺の隣が空いたのでそこに芽依さんが座った




さっきの駅を出発して少し進むと電車が大きく揺れた

その揺れによって芽依さんがこっちに倒れてくる


「芽依さん、大丈夫ですか?」


「うん、ありがと大丈夫」


芽依さんとそんな会話をする

何言もなかったかのように電車は駅に向かって走り出す



俺たちの降りるべき駅についた

改札にカードをタッチして外に出た


唯さんの家はここから少し距離がある

芽依さんの隣で歩く


「さっきの揺れ大丈夫でした?」


さっき聞いたときの返事がそっけなかったのでなにかあったのではないかと思い聞いてみる


「さっきのやつね、大丈夫、大丈夫、あたしは桜井より強いから、それよりあたしは桜井が潰されないか心配だったよ」


芽依さんは笑ってそんな冗談のようなことを言ってくる

良かった心配だったのだがなんともないようだった


俺たちはここから唯さんの家まで雑談をしながら向かった

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