表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/107

不運は続く


文化祭実行委員は男女一人ずつらしい

まずは男子からということで番号順にくじを引いている

俺の番号は16番で今は3番の人が引き終わったからまだ時間はある

とりあえず心のなかで当たらないように願っておく

そうすればこの前唯さんと見たあの魔法使いの映画のようにくじの箱がわかってくれるかもしれない


少し時間が経ち10番ぐらいまでは進んだ

今のところあたりは出ていないらしい

後半のほうが男子の数が比率的には少ないので少し怖くなってきた




俺の番が来てしまった

先生がくじの箱を持っているので席を経ちそこまで移動をする

くじを引く前に祈っておく

あたりは嫌だ、あたりは嫌だ、あたりは嫌だ


来い、はずれ



「おぉ~おめでとう桜井くん」


先生からそんな声をかけられる


「えっ、あっ」


当たってしまった

早く帰りたいからやりたくなかったのに

まぁしょうがない、当たったならやるしかない


「は~いじゃあ男子の方は桜井くんに決定です」


先生がそう言うと俺よりあとの番号の人たちから

安堵の声が漏れている




女子の方のくじが始まった

俺は話しやすい、優しい人がいいな〜なんて思う


くじを引き終わった女子たちがはずれて安堵しているのを見ると文化祭実行委員が嫌なのか俺と作業をするのが嫌なのか、どっちなのか分からず少し嫌な気持ちになる


優愛の番になった

別れたとはいえ少し前まで大好きだった人をそんな簡単に嫌いになれるはずもなく無意識に目で追ってしまう


優愛がくじを引く

どうか当たりませんように、優愛とは気まずいから嫌だな〜なんて思っていると


「先生、当たりました」


「それじゃあ女子の方は佐藤さんに決定です」


「えっ」


そんな声が漏れてしまった

なんで俺は2度もこんな仕打ちを食らわなければいけないのか

運の悪い日ってあるんだなと思う


「はい、では当たった二人は前にお願いします」


担任がそういったので俺たちは教室の前の方に移動した


「えーと、文化祭実行委員はこの二人に決まりました、それではお二人は実行委員の仕事をお願いします」


「はい、頑張ります」


俺は適当にそんな返事をしておく

クラスを見回してみると

この前の騒動を見ていたやつはなんて言ったらいいのかわからないような表情をしていた

この前の騒動のとき休んでいたやつは良かったとでも言いたげな顔でこちらを見てくる

それが良くないんだよ、と言うわけにもいかないので、とりあえず教室の後ろに貼ってある掲示物を眺めていた



文化祭実行委員についての話が終わったので席に戻る

とりあえず社交辞令的に優愛に声をかける


「佐藤さん文化祭実行委員頑張ろうね」


俺がそう声をかけると意外にも返事が返ってきた


「はい、頑張りましょう」


返事が返ってきたのは驚いたけど、この前動物園であったときの声のトーンとは明らかに違うものだった、こいつは本当に何がしたいのかわからない

そんなことを考えていても意味がないと思ったので担任の話を聞くことにした

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ