休み最終日(3)
はぁ
明日からまた学校だ
俺は特に勉強ができないわけではない
ではなぜ学校に行きたくないのかというと
あいつらに会いたくないからだ
「大丈夫?純平くん、表情が暗いよ?」
「はい、大丈夫です、」
「つらいなら無理しなくてもいいんだよ?」
「本当は行きたくないですけど、でも逃げたくないんです」
「そっか、強いね純平くんは」
「ありがとうございます」
「そんなにつらいなら今日はぎゅーってして寝る?」
「あっ、いや大丈夫、です」
「そう?残念」
恥ずかしくて手で顔を隠してしまう
唯さん、平気ですごいこと言ったな〜大人のお姉さんってすごいな
いや、待てよ
少し手をずらして唯さんの方を見る
唯さん耳まで赤くなってる
唯さんも恥ずかしかったのか
なんか、良かった
「それにしてもこのベット大きいですね」
「そうだね広く使えるね」
「はい!それじゃあおやすみなさい」
「おやすみ純平くん」
隣からすやすやと寝息が聞こえる
純平くんもう寝ちゃったのか
さっきぎゅってして寝ようって言ったとき純平くんに引かれちゃったかな?
夕方まだ一緒にいようって言ったときは純平くん優しいから多分私に合わせてくれたけど今度は引かれちゃったよね
もし私が純平くんのこと好きって言ったらもっと引かれちゃうよね
さっきもただ私が寂しいからぎゅってして寝たかったなんて言ったらもっともっと引かれちゃうね
でも純平くん優しいからあの女の人にもう一度やり直そうって言われたら引き受けちゃうと思うんだ
純平くんの優しさに漬け込まれてまた純平くんが裏切られるのは可哀想
だけど純平くんの優しさに漬け込んでるのは私も同じだよ
彼の優しさに甘えている
だけどあの女の人とくっつくまでに純平くんを振り向かせなきゃ
なんて、彼のためとか思ってるけどただ私が純平くんのことを好きなだけ
やっぱりあの時からずっと好きなんて言ったらもっともっともっと引かれちゃうよね、
純平くんが小学生の頃から好きなんて言ったら
だからこの気持ちは隠しておこう
少し先のことを考えてみよう
純平くんに彼女ができたら喜んで、もし振られちゃったら慰めて、一緒に悩んで
もしもし結婚まで行ったら式に呼んでもらって
昔は好きだったなんて言って少し困らせて
そんなただ仲がいいだけのお姉さんでいよう
純平くんの幸せが私の幸せだから
これが一番いいはずだよね、
あれ?目から水、なんだろう、
ってこんな遅くに何してるんだろう私
明日は早く起きて美味しいご飯作って
純平くんが美味しいですって言ってくれて
そうしたら私も頑張った甲斐があったよ
なんて言って
もう時間無いって純平くんが言って
朝の支度手伝って
行ってらっしゃい頑張ってね
とか言って笑顔で送り出して
夕ご飯は純平くんの好きなもの作ろうとか考えてながら家事やってたらいつの間にか夕方になってて
疲れた顔して純平くん帰ってきて
おかえりって笑顔で出迎えて
今日は純平くんの好きなもの作ったよって言ったら
純平くん喜んでくれて
ご飯終わったら一緒に映画とか見て、
ホラーでもいいかも、
そしてお風呂に入って
お互いにおやすみって言い合って寝る
ただそんな普通で、でも幸せでそんな生活が送りたい、でもこの生活私は幸せだけど純平くんは多分違うと思う純平くんは私に合わせてくれるけど純平くんは本当に幸せじゃないと思う
純平くんに彼女ができて幸せな生活を送り始めるまではこの生活を楽しもう
あれ?目から水が止まんないやなんでだろ、
早く寝なきゃいけないのに
純平くんは逃げないって言ってたけど
私は先に進むのが怖いな




