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春に散るもの


久々の学校は特に何も変化はなく言うなればいつも通りだった


「疲れたな〜」


気だるそうにカバンを持ちながら俺と下校している歩斗はそう呟いた


「半日だしいいじゃん」


中学から高校に変わり驚いたことは始業式や終業式の日は早く帰ることが出来ることだ

中学時代は式の後は普通に授業だったのでそこと比べると格段に高校の方が良い


「なぁこの後ゲーセンでも行かね?」


さっきまでだるそうにしてたのが嘘のようにノリノリになった


「ごめん俺はパス後で行こう」


俺は触っていたスマホから顔を上げ歩斗にそう答えた


「やっぱり彼女が出来たやつは違うな〜」


歩斗は皮肉しかこもっていないようなことを言ったあと来翔誘ってみるかとスマホをポケットから取り出した


「なーんの話してるの?」


後ろから優愛が飛びついて来た


「ゲーセン行こうと思ってるんだけど優愛ちゃんも行く?」


優愛は一時期腫れ物のような扱いだったが文化祭の1件から変わりクラスの中心に戻ったようだった

前のような女王様気質は無くなりクラスでもムードメーカー的なポジションを確立していた


「ごめん私こと後用事あって、」


優愛はそう言いながら申し訳なさそうに手を合わせた


「おっけ、んじゃ来翔と2人で行ってくるわ」


歩斗はそう言うと自転車で先に駅に向かった来翔を追いかけるように走っていってしまった


「優愛は急がなくていいのか?用事あるんだろ?」


「急がないと行けないけどね〜」


優愛はふふっと妙な含みのある笑い方をした


「それじゃ行こうか」


「ちょっと、どこに?」


優愛に手を引っ張られながらも負けじと質問をする


「それは着いてからのお楽しみ、ほら早く行くよ」


優愛は俺の手を引っ張ると強引に手を繋ぎどこかに向かって走り出した

こうして走っていると数ヶ月前まで松葉杖を使っていたのが嘘のようだった



「ここって、」


優愛に手を引っ張られて来たのは公園だった

文化祭前に唯さんと色々話した公園だ


「どうして公園?」


なぜ公園に来たのか分からず首を傾げた


「まぁまぁついてきてよ」


言われるがまま優愛の後ろをついて行く



「んぺーくーん」


少し歩くとどこからかとても聞き覚えのある声が聞こえて来た

音のした方を見ると手を振っている唯さんの姿があった


「おー、桜井遅かったな」


「こんにちは純平くん」


近くに行くと芽依さんと麻衣さんが迎えてくれた


「あのーこれってどういう?」


状況が上手く飲み込めずに困惑していると


「純平くん、春と言ったら?」


横から唯さんがクイズを出してきた


「んー、桜ですか?」


周りを見渡してそう答えた


「そう!正解!てことでお花見をします!」




そこからはお花見と言うより会話をするのがメインだった

周りにもお花見をしに来ている人は多かった



「疲れちゃった?」


2時間ほどした後だろうか俺が欠伸をしたのを見て唯さんが聞いてくる


「はい、少し」


眠い目を擦りながらそう答える


「寝てても良いよ」


唯さんはそう言うと膝をポンポンと叩いた


「ありがとうございます」


俺はそう言うと唯さんの膝に頭を乗せて少しの間眠りについた



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