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76話:落としどころ


 王都ガシュベルの郊外へはグリフォンと風の馬(ウインドホース)で移動した。レベルMAXの『飛行魔法(フライ)』を使うと余計な詮索をされるからな。


 アレックスとトライアンフが連れて来たのはキスダルとブライアンだけだ。

 トライアンフは本当に全然警戒してないよな。


「じゃあ、これから『流星雨(メテオレイン)』を発動するけど。防御魔法を展開しておけよ。爆風が結構ヤバいからな」


 アレックスは素直に従ったけど、トライアンフは警告を無視して仁王立ちしてる。

 セリカとメアが範囲防御魔法を展開したから問題ないけどな。

 『索敵(サーチ)』で周りに人がいないことを確認してから、俺は魔法を発動する。


「『流星雨』」


 上空から落ちて来る巨大な隕石群。今回も全部一ヵ所に落とすのは効果範囲を狭めるためだ。

 バラバラに落としたら直径1kmなんかじゃ済まないからな。


 轟音と地響き、その後に爆風。防御魔法を展開したから問題ないけど、ダメージ云々の前に吹き飛ばされるからな。


「おい、ちょっと待てっくれ……この威力は1,000レベルどころじゃないだろう?」


 アレックスは気づいたみたいだけど、俺の『流星雨』は1,000レベル台の奴が発動できるような代物じゃない。

 だけど質問に応えるつもりはない。これ以上詮索しないって約束だからな。


「俺は元魔王だからな。物理系攻撃じゃおまえたちには勝てないけど(・・・・・・)。魔法なら負けない自信があるんだよ」


 トライアンフを納得させて話が収めるには、物理系は向こうが上で、魔法は(アレク)が上ってのが落としどころだろ。


「アレク、てめえ……こんな魔法を隠していやがったのか。これを使えばてめえが勝っただろうが」


「トライアンフ、無茶を言うなよ。『流星雨』なんて王都で使ったら大惨事になるだろ」


「確かにそうだな……てことは、結局俺の勝ちってことか」


「ああ、そうだよ。どんなに威力の高い魔法でも、使えなければ意味がないからな」


 トライアンフは素直に納得する。本当に扱い易くて助かるよ。

 アレックスは納得してないみたいだけど、俺との約束を守って黙っている。こいつも真面目な奴だな。


「なあ、アレックス。俺はおまえたちと敵対するつもりはないからな。世界征服なんて全然興味ないし。この世界でおまえたちがして来たことも調べさせて貰ったからな」


 アレックスもトライアンフも好き勝手をやるような奴じゃない。

 むしろ真逆で周りの奴らのために力を使って来た。トライアンフは自分が1番じゃないと気が済まないけど、自分より弱い奴には優しいからな。


 2人が国王や宰相の地位に就いたのも、その功績を認められたからだ。

 他の2人の仲間(・・・・・・・)も調べた限りでは問題なさそうだ。


「俺はこの世界が気に入ってるんだよ。だから余計なことをしてエボファンの物語(メインストーリー)を壊すつもりはないからな。

 おまえたちも似たような考えだろ。だったら協力関係を築かないか」


「魔王アレク……おまえの言葉を信用しろと言うのか?」


 俺は元魔王だし、『流星雨』の力を見せつけたからな。警戒するのは解るけど。


「信用するしないは、おまえに任せるよ。だけど俺を警戒するなら、普段からもっと慎重にやれよ。

 キスダルの尾行は雑だったし、こいつの発言からおまえの正体が解ったんだからな」


 わざわざ指摘したのは信用して貰うためだ。

 状況次第では利用するつもりだけど、普通に友好関係を築きたいとも思ってる。

 悪い奴らじゃないことは解ったし。敵より味方を増やす方が良いに決まってるからな。


「アレックス、直ぐに答えを出さなくて良いよ。とりあえずはフレンド登録しないか」


 真面目なアレックスは下手に急かさない方が良いだろ。

 フレンド登録すれば『伝言(メッセージ)』のやり取りができるからな。これから幾らでも話ができる。


「ああ。それくらいなら構わない」


「俺も登録するぜ。てめえとまた飲みてえからな」


 フレンド登録してからアレックスたちと別れる。キスダルは最初から最後まで俺に敵意を向けてたけど、今回は相手をする暇がなかったな。


 レイナたちを『鑑定』する話は有耶無耶になったけど。突っ込まれたら対処するか。

 わざわざ手の内を晒す必要はないし。言いくるめる自信はあるよ。『鑑定』されるのはレイナたちも気分が悪いだろからな。


 俺は時間があればダンジョンに潜る主義だから、次に向かうのは当然『ビステルタの霊廟』だ。


「ねえ、アレク……さっきの『流星雨』は、やっぱり普通じゃないわよね」


 俺たちだけになるのを待って、エリスにツッコまれた。

 エリスになら俺の本当のレベルを教えても構わないけど。エリスのリスク(・・・・・・・)を考えると、言わない方が良いと思ってる。


 俺の最大の弱点はエリスたちだって自覚はある。例えばエリスが人質に取られたら、俺は相手に従うしかないだろ。

 俺は結構派手なことをしてるし、元魔王だってこともそこまで隠してないからな。俺の弱みを握るためにエリスたちを攫おうと考える奴はいるだろ。


 エリスが俺の詳しい情報を知っていると、真っ先にターゲットになる可能性があるからな。

 エリスの口が軽いと思ってる訳じゃない。情報は何処から漏れるか解らないからな。


 だけどこれは俺自身のリスクにはならない。相手がこの世界に転生させた黒幕とかじゃなければ、俺を傷つけることはできないからな。

 (アレク)の全異常状態耐性や自動回復以前の問題だ。単純にVITとREGが高過ぎて、俺のHPを削ることができる奴はほとんどいないからな。

 実際にトライアンフの最上位スキルを受けても、俺はノーダメージだったからな。


『ちぇっ、アレク様に舐めた口を利いたあいつは僕が殺したかったのに』


『今からでもあのゴミを殺す許可を頂きたいのですが……駄目でしょうか?』


 こんな感じでエリザベスとサターニャから何度も『伝言』が届いてるけど、駄目に決まってるだろ。

 アレックスにも『鑑定』を使ったから、2人なら勝てることは解ってるけど。そういう問題じゃないからな。


「あいつらとは友好関係を結ぶつもりだからな。おまえたちもそのつもりでいてくれ』


 まあ、今日の一部始終を見てたもう1人の昔の仲間(・・・・・・・・)って奴もいるからな。このまま話が順調に進むか解らないけど。


 そいつは『索敵(サーチ)』の効果範囲を見抜いているかのように、常に一定の距離を開けて近づいて来なかった。なかなか用心深い奴だったな。

 アレックスたちのことを嘗めて掛かると、痛い目に合うかも知れない。

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