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52話:宴の後はダンジョン


 その日、俺はグランとガルトと徹底的に飲んだ。本当に酒を浴びるくらい。

 だけど(アレク)の身体は幾ら飲んでも酔わないんだよ。

 まあ、全状態異常耐性があるからな。


 前世の俺も酒を飲んだことがない。

 だから俺は自分が酔うとどうなるか知らないんだけど……


「おい、アレク……てめえ、さっきから全然飲んでねえじゃねえか!」


「いや、飲んでるけど」


 グラスの中身を一気に空ける。俺にとっては味のついた水だからな。


「ほう……やるじゃねえか。なあ、ガルドの旦那!」


「グラン、おまえなあ……無理に飲ませるなよ。酒がもったいないだろう」


 俺たちの周りには空いた酒瓶が1ダース以上転がってる。

 グランもガルドも酒が強いみたいけど、さすがにこれだけ飲むと完全に酔っていた。


 エリスも珍しく飲んで、酔い潰れてたけど……名誉のために詳しい描写は止めておくよ。


 レイナとソフィアはいつの間に仲良くなったのか、2人で一緒に飲んでいた。


「あんたねえ……お菓子をつまみにお酒が飲める筈がないでしょ」


「えー……お酒は苦いから、甘いお菓子に合うよ」


 おい、つまみのことなんかで喧嘩するなよ。


「うっ……アレク、ちょっとそこに座りなさいよ」


 いきなりセリカに絡まれた。


「いや、普通に座ってるけど」


「だ・か・りゃ……椅子じゃなくて、床に座れって言ってんろよ……ほら、正座しらさい」


 こいつ……完全に酔ってるな。


「そうニャ……うん? あれ? アレクが3人いるニャ?」


 おい、ライラまで……まあ、仕方ないか。

 俺は椅子から降りて素直に正座する。


「で、俺に何か話があるのか?」


「話がありゅから呼んだに決まってりゅでしょ。うっ……」


 おい、吐くなよ……『解毒(キュアポイズン)』でも掛けてやるか?

 だけど一気に酔いが冷めるから、今は止めた方が良いか。

 セリカのお姉さんキャラが完全に崩れてるから、自己嫌悪に陥ったら可哀想だからな。


「ほら、セリカ。このお酒も美味しいニャ」


「いや、待てって。これ以上セリカに飲ませたらヤバいだろ」


 俺は魔法で冷たい水を生成してセリカに飲ませる。


「う、美味しい……れも、こんなことで誤魔化されりゃいわよ」


 セリカが俺を睨む。焦点が合ってないけどな。


「前にも言っりゃけど……エリスを泣かせたりゃ、私が絶対許さらいんらから……」


「ああ、解ってるよ。俺はエリスを困らせるようなことはしないから」


「アレク、全然解ってりゃいじゃない……そう言うことりゃなくて……」


「セリカ、アレクにそんなことを言っても無駄だニャ……それくらいで理解するなら、苦労はないニャ……zzz」


 2人とも寝てしまったので、話はそこで終わった。

 なんか一方的に言わたけど、俺は納得した訳じゃない。

 て言うか、エリスは……


「もう……アレク……貴方は何をしてるのよ……」


 エリスは寝息を立てながら、夢の中で俺に文句を言っている。

 だからさ、セリカ。俺たちはこういう関係なんだって。


※ ※ ※ ※


 次の日から、俺たちは全員でダンジョンに潜った。

 次のイベントが始まるまで、少し時間があるからな。


 クラーナから一番近いダンジョンは『ルプテリアの多重迷宮』。

 何度も上下に移動するダンジョンは階層が広くて、普通なら攻略するのに時間が掛かる。

 だけど元魔王だと隠すつもりがない俺が少しだけ本気を出したら、初日で完全攻略してしまった。


 なあ、みんな……ジト目で見ないでくれよ。

 俺はエボファンのダンジョンを全部攻略してるし、アレクなら初期レベルでも『ルプテリアの多重迷宮』なんて余裕だから仕方ないだろ。


 いや、解ってるって。攻略済みのダンジョンで経験値を稼いでも楽しくないよな。

 戦闘経験を積むことでプレイヤースキルも上がるけど、ダンジョンを攻略すること自体が楽しいんだ。


 だけど俺はみんなとダンジョンに潜るのが楽しかったんだよ。

 だからもうモンスターと遭遇する度に瞬殺しないから許してくれ。


「みんなも……強くなったよな」


 反省した俺は、冒険者アレクとしてサポートに徹することにした。

 だけど俺のサポートが要らないくらいみんなが強くくなっていることに正直驚いた。


「そうでしょ。私はあんたをビックリさせるために頑張ったんだからね」


「私だって、レイナに負けないように頑張ったんだよ」


 互いに張り合っているレイナもソフィアも40レベル台で、特にレイナは50レベルすら見えている。

 いや、キャラレベルだけの話じゃなくて、プレイヤースキルも上がってる。戦闘に隙がなくなった感じだ。


「私はアレクに迷惑を掛けたくないだけだから」


「いや、エリスだって頑張っただろ。ヘイトの稼ぎ方とか攻撃を防ぐのも完璧だし。タンクとは思えないくらい攻撃力も上がったよな」


「……アレク、ありがとう」


 エリスは誰かと張り合う訳じゃないけど、自分で色々考えながら着実に強くなってる感じだ。

 他のみんなだって本当に強くなった。

 それでもレベル的には魔族の転生者が相手だと厳しいけど、立ち回りが上手くなった。

 これなら普通に魔族やモンスターと戦うだけなら、全然問題ないよな。


 みんなのプレイヤースキルが上がったから、一緒に戦うのが余計に楽しくなった。

 だから俺たちは毎日ダンジョンに潜って、モンスターを倒し捲る。

 そしてイベントが始まる頃には、全員が50レベルを超えていた。


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