第673話.2人と1匹で映画鑑賞

　新しい友達が出来た蒼は帰ってきてからずっとニコニコとしている。あからさまに上機嫌なのが分かりやすい。

　友達と言えば俺ももうすぐ大学に入学する訳だが、果たして友達が出来るのだろうか。高校の時は随分とゆっくりでしたペースで友達ができていったからまだ良かったものの、大学にはクラスなんて概念がそもそもなく、ゆっくり友達になるなんて隙すらない。となると自ら動かねばならぬのだが、それはそれでめんどくさい。

　一体どうしたものかと思いながら俺はましろにどうする？と尋ねる。が、ましろは知らんぷりとそっぽを向いてベッドに帰っていくのだった。

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　映画を見て夜更かしを楽しむ。

　最近はこうやって蒼と夜更かしすることが増えた。見たい映画が多いのもそうだが、シンプルに蒼人見るということが楽しすぎるのだ。映画館ではないから喋り放題だし、感想もその場で交換出来る。最近はましろも映画鑑賞に参戦しているのだ。

「今日は何見る？」

「何も考えなくていいやつがいいな〜」

「じゃあこれにしよう」

「内容は？」

「宇宙人が地球侵略しに来るから日米の軍事演習をしていた部隊で奴らをぶっ飛ばすぜ！ベイベ！って感じの内容だな」

「おぉ、楽しそう」

　随分と砕いた説明だが、これでも映画の本筋からは一切外れていないのだ。驚きだろう？

　にっこりとした青の顔文字アイコンを選択して見る予定の映画を探す。映画を見つけるとポップコーンの代わりに大量のグミを用意した。

「はい、ましろはツナ缶ね〜」

　みんなで映画鑑賞が始まる。