第635話.ノートパソコン
やってきたのは私達のバイト先があるブルメール。その一階に某青が印象的な家電量販店があるのだ。
慣れた道を歩いて最短ルートで目的の店に入るとパソコンの置いてあるコーナーを目指した。
本来こういった精密機械、特に値段の張るものは店員さんに要望を伝えながらじっくりと吟味して買うのが良いのだろう。ところがどっこい。私の彼氏さんは案外こういうのが得意だったりするのだ。メガネ分析キャラみたいな人がこういうの得意そうなイメージが先行しがちだけど、彼氏さんは案外なんでも出来ちゃったりします。
こう身近に詳しい人がいるというのは安心できる。店員さんが親身になってくれないというわけではないが、身近な人の方がぶっちゃけた意見を教えてくれそうだから。
さて、いざパソコンの群れを目の当たりにすると中々気圧されるものがある。The・私達高いしょーひん!という雰囲気が全開なのだ。どれもこれも値札を見てはうげぇとなってしまいそう。
「さて、今回買うのはノートパソコンな訳だが、俺としては蒼の持ってるスマホと同じ会社のパソコンでいいと思ってる」
「リンゴマーク?」
「そう。まぁ簡単な話、データをタップ1つで飛ばせるところがかなりメリットとして大きいな。会社が違うとUSBにデータを移して移動したり、コードを繋いだり色々面倒くさいんだよ」
「ほぉ」
「んでもって大学で使う程度なら必要な情報とか、レポートに使う画像とかをスマホで調べてそれをパソコンに送るみたいな使い方さえ出来たら楽かなと俺は思うわけだ」
「ふんふん。ならそれでいっか!」
「と、普通ならなる。いや、なんならそれが正解でいいと思うんだが、もし仮に蒼が凛とパソコンゲームを始めるとなった場合、このリンゴマーク製品だとちと不便なところがあるんだよ」
「そうなの?」
「あぁ。デザインとかを生業にする人はこの機種で十分仕事が出来たりするんだが、例えば実況者とかは基本この機種は使わない。まぁ据え置きに限った話かもしれないがカスタマイズがしにくいんだよ」
「ほう?」
「言ってしまえばファイルの容量であったり、読み込み速度であったりその他諸々を自分好みにコントロールしたりは出来ないってことだな。あとはゲーム販売サイトで売られてるゲームの大半がこの機種には対応しなかったりする」
「なるほど」
「そうなってくるとレポートも出来てゲームもするならあっちのゲーミングノートパソコンの方が使い勝手がいいって訳だ。それに意外と安い」
「わ、ほんとだ」
値札を見比べてみると5万は余裕で違う。大学の準備費用は親が負担してくれるが、それでも安いに越したことはないだろう。
「まぁあとは蒼の好みだな。簡単に乗換えるものでもない結構長く付き合っていくものだから、最後は自分好みのものを選ぶといいよ」
「うん!」
刻から定期的にアドバイスを貰いながら私は1時間ほどパソコンコーナーでウロウロとして回った。その間、刻は暇なタイミングでヘッドホンを見に行ったり色々していたみたい。
そしてじっくりと熟考した末に決めたパソコンを購入することが出来た。
「結局リンゴマークだったな」
「うん。やっぱこれ可愛いもん!」
「それはそうだな」
笑いながら刻は話す。
家に帰ったら色々となれるために触ったり設定したりするらしい。難しそうだなと思いつつ、これでスタバでノートパソコンカタカタの夢が叶うのかもしれないと思うと、それはそれで楽しみになるのだった。
第635話終わりましたね。皆様はノートパソコンお持ちですか?作者もパソコンは持っております。とは言っても普段はスマホで文を書いてるのですけれども。はい、基本は映画見たり動画みたりスペックを全く生かさない使い方をしております。
さてと、次回は9日です。お楽しみに!
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