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第571話.クリスマスイブの日

 (きた)るクリスマスイブの日。私達は昨年とは集まる会場を変えていた。

 外はしんしんと降る雪でホワイトクリスマスの様相を呈し始めている。空はすっかりと暮れていて、窓から見える外は街灯と簡単なイルミネーションをつけた家の明かり。そして区が街路樹にせっせかと装飾した豪華なイルミネーションの明かりだ。

 綺麗だな、なんて思いながら随分と準備の進んだ部屋を見て私は満足気に胸を反らす。

 うん、今年もバッチリ。刻は急遽の買い出しに外に出てるけど、もしかしたら凛達の方が先に着くかもね。

 定期的に送られてくる刻の連絡を頼りに、なんとなくの現在地を割り出しながらそんな事を考える。

 今年は昨年とは違い、私と刻が同棲することによってマンション住みとなったのでこちらでクリスマスパーティーはする事にしようとなった。昨年は刻の実家での開催だったので現ちゃんも参加していたが、もちろん今年も呼んでいる。刻曰く、参加するかどうかの連絡をしたらものすごく喜んだらしい。

 なんだかんだで現ちゃんがこの家にやってくるのは初めてだ。本当はもっと前から来る計画はされていたのだが、なにぶん予定が噛み合わずずるずるとここまで引き伸ばされてきたわけだ。現ちゃんにとってはクリスマスとこの家に来れるというのも相まって二倍で楽しみなのだろう。まぁ、特段面白いものがこの家にあるのかと尋ねられれば別にそんなものは無いと答える他ないが。けれど、それでも楽しみにしてくれるのならば、それに越したことはない。

 部屋の飾り付けの最終チェックを暇つぶし程度に行っているとインターホンが不意に鳴る。モニターを確認すれば頭に少し雪を被った凛とユウの顔が写った。頬は外気で冷えて少し赤くなっている。


『やっほー、来たよ!』

「ようこそ〜。さ、入って」


 エントランスを解錠すると凛達はそのまま画面の端に消えていく。

 おそらくあと1分もすればやって来るだろう。その前にハンガー等を用意して服が掛けれるようにしておかなければ。

 私はそそくさとクローゼットの中からコートをかけるのに申し分のない強度を持ったハンガーを2つ取り出すと、それを玄関の方に持っていく。程なくして玄関扉のインターホンが鳴り私は扉を開いた。


「いらっしゃい」


 寒い風の吹く外から2人を迎え入れると、私は2人のコートを預かってハンガーに掛けておく。

 あとは刻の帰宅を待つのみだ。

 早く帰ってくるといいな。


第571話終わりましたね。クリスマスイブと言えばプレゼントが届く前夜ということでワクワク感がとても大きかったことをよく覚えています。けれど、いつの頃からプレゼントが届かなくなったなぁ……。

さてと次回は、2日です。お楽しみに!

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