第569話.あといくつ寝るとクリスマスイブ
元よりクリスマス色の強かった街が一層深みを増してくる。スーパーでバイトをしていると、BGMにクリスマスソングが流れているし、なんなら学校でも街中でも時折ジングルベルを口ずさむ人とすれ違ったりもする。
んー、刻にあげるクリスマスプレゼント何にしよ。
頭で考えるのはそんなこと。昨年はクリスマス会を実施してプレゼント交換もしたが、今年は交換用と個人的に渡したいものを用意するつもりなのだ。つまり2つ考える必要があるということ。
交換用はバラエティ要素満載なものでもいいし、利便性や可愛さ追求でもいいので幅広く選べるのだが、個人的に渡すのは刻のニーズにマッチしたものである必要がある。そこを考えるのが案外難しかったりするのだ。刻が普段からこんなのがあればなぁ、的な事を話す人であれば容易なのだが、別にそういう訳でもないのでこちらから探りをいれなければならない。
一度大真面目にリボンを私の体に巻きつけて「私がプレゼントだよっ」なんて事をやってみようかとも考えたが、さすがに恥ずかしすぎるのでそれは諦めた。そもそも巻き付けた状態を維持してリボンを結ぶのがどれほどの難易度なのか分からない。
家に帰る途中大きめのツリーを目にしながら私はマンションに戻る。玄関扉にはリースが掛かっていてこちらもクリスマス色が満載だ。
鍵を使って中に入りぬくぬくとした部屋の温度に顔を綻ばせる。部屋があたたかいということは、刻がいるということにほかならない。
ルンルンと上がる気分に鼻歌を歌いながら「ただいま」を伝えるのだった。
✲✲✲
PhotoClubの3年女子は比較的全員家事ができるタイプである。それぞれ特化したものはあれど、スイーツ作り程度であれば苦戦することはない。そんな3人は今、クリスマスのケーキ作りに没頭していた。
場所は鏡坂、空宮宅。いわば2人の愛の巣とでも言うべき場所。当の片割れは今は外出していないが、どちらかと言えばそちらの方が好都合ではある。女子同士の屈託のない会話が弾むし、何よりサプライズ要素が大きい。驚いた顔を見たいがためにこうやって3人共々頑張っているのだ。
時折味見と称して生クリームをつまみ食いしたり、載せる様のフルーツをパクリと食べてしまったり、中々思うように作業は進まないが、けれどそれが楽しい。
「ふへへ、楽しーね」
「だね〜」
「ふふっ」
完成予定時間よりもオーバーしながら、私達は何とか完成させたホール状のケーキを専用の箱に入れ冷蔵庫に仕舞った。
これを開封する明後日が楽しみだ。
第569話終わりましたね。まーた明日は一限から授業ですよ。ほんと、嫌になっちゃうね!早起き苦手なのにさ!とまぁ、グチグチ言ったって仕方が無いので早く寝ますね。
さてと次回は、29日です。お楽しみに!
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