表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

564/700

第564話.金木犀

 金木犀の香る季節が過ぎてから随分と経つ。

 日本人の多くには桜が好き、梅の花が好きという人が多いが、それと同時に金木犀が好きだという人もそれなりの数が一定数いる。例に漏れず私もその1人である。

 夏が終わり、秋が少し深まり出した頃からふわりと香りだし始めるのだ。特徴的なその香りは気分がリラックスして、思わず笑顔になってしまう、そんな香り。

 香りを見つけてから辺りをくるりと見渡すとオレンジ色の小さな花を見つけることが出来る。植木鉢に植わった金木犀や、大きめの花壇に幾つも並んで植わっていたりする。

 冬になってくるとそんな金木犀の香りはすっかりと消え失せてしまい、外に出る時の楽しみというのが減ってしまう。雪が降ってくれたら当然楽しいのだが、何せ冷たく寒いのだ。ずっと楽しいままというわけではない。それに対し、金木犀は香りと見た目で楽しませてくれるのだからいいのだ。

 夜のお散歩と題して刻と冬の寒空の下歩いていると、秋に金木犀で満開になる小さな公園に辿り着く。今は雪で薄い衣を被っており、緑の葉もオレンジ色の花も消えてしまっていた。当然だが香りは無い。

 少し残念だなと思いながら、霜を張った地面をザクザクと足跡を残しながら歩く。

 腰掛ける場所があればよかったのだが、あいにくと雪が解けたあとの場所ばかりでびしょびしょだ。私達は整備されたレンガの道の上を歩きながら、水溜まりは避けて歩く。


「ここら辺の木って全部桜だったよね」


 今年の春を思い出しながらそう尋ねる。


「そうだぞ。満開の桜並木になる」

「私達ってさお花見とか行ったことあったっけ」

「どうだったかな。無かった気がするけど」

「ふーん。じゃあさ、次の桜の季節はお花見行こっか」

「そうだな」


 なんて他愛もない言葉に冬にも関わらず華を咲かせながら、私達は目的のない散歩を続けるのだった。

第564話終わりましたね。現実の今日この頃は金木犀の香るいい季節になりましたね。作者も当然金木犀大好き人間の1人です。花自体も可愛らしいですし、いい匂いですからね。

さてと次回は、19日です。お楽しみに!

それと「面白い!」「続きが気になる!」という方はぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ