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第537話.バイト初日

 いつも通り学校での授業を終えた放課後。家に帰ってから服を着替えて荷物を持ち替える。同じく家に帰ってきていた刻に手を振って行ってきますと伝えると私は外に出た。

 今日はバイトの初日。初めてで緊張しかしないが、これも1つの経験だ。やれることをやれるだけ頑張ろう。



✲✲✲



 店の裏からスタッフオンリーの扉を開けて中に入る。更衣室に入り、事前に教えられていた自分のロッカーを開けた。中には私のサイズ制服が入っている。黒のスカートに黒のベスト。中には赤と白のストライプのシャツだ。私はそれらに着替えると名札をつけて姿見越しに自分の姿を確認する。どこもおかしなところがないことを確認すると、私はよしっ、と呟いて店内に向かうのだった。

 サービスカウンターにてチェッカーリーダー、つまるところ私の直属の上司に当たる人に出勤したことを伝える。タイムカードは事前に切っているが、その事が直接伝わるわけではないので、こうして口頭でも伝えておくのだ。

 しばらくは実習期間なので私は教育係の人に色々と教えて貰いながらのバイトとなる。覚えることは多いだろうが、お金を貰うためだ。そこは全力で頑張ろう。



✲✲✲



 くたくたになった体にむち打ちながら頑張って帰路に着く。私はまだ高校生ということで、店の閉店よりも少し前に帰ることが出来る。とはいえ時刻は既に9時半を超えているわけで、家に帰る頃には10時手前だろう。

 空はとっくに暗くてため息が出てしまいそう。

 今日のバイトは初めてとはいえ中々上手くは行かなかった。テンパることも多く、何よりすぐに覚えれない。こんな事では迷惑ばかりかけてしまう。

 そうネガティブな思考ばかりが頭の中を駆け巡る。

 早く帰って刻に会いたい。刻と会えばネガティブなんて吹っ飛んでしまうからさ。きっと、私にとっては今はそれが最善。

 頑張って家までの坂道を上がり抜け自宅のマンションに着く。階段も登りきると鏡坂のネームプレートが掛けられた扉に鍵を差し込んで中に入った。

 中からはなぜだかいい香りがする。

 なんだろう、そう思って私はリビングの方に進んで行った。扉を抜けて中に入るとキッチンの方でエプロン姿の刻がグツグツと沸騰する鍋と向かい合っていた。


「ただいま」

「ん、おかえり」

「何してるの?」

「パスタ作ってる。蒼がバイトで疲れてると思ったからさ、今日くらいは俺が作ってあげないとって思って。パスタ嫌だった?」

「ううん。嬉しい、ありがと」


 刻の隣に移動しながらどのパスタにするのか尋ねる。


「カルボナーラにするつもりだったけど。他のがいい?」

「ううん、刻が選んだものならそれがいい」

「分かった。じゃあ、蒼は座って待ってなさいな」

「うん」


 ゆっくりすることを促されて私はそれに従うことにする。

 ふうっと息をつきながら私は遠目に刻を眺める。

 ふふっ……こんなにいい彼氏さん、そうそういないや。


第537話終わりましたね。刻は基本パスタしか作れないのは既出情報ですが、同棲を始めて以降は簡単なものであれば作れる料理が増えたそうです。例えば豚キムチとか、チャーハンとか。そんな成長がありつつも、蒼を労う時は自身の最高値の実力が出せるパスタにするみたいですね。

さてと次回は、26日です。お楽しみに!

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