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第536話.のぼせちゃう

「もうっ、おバカさんなんだから……」

「ご、ごめんなさい……」

「はい、お水。グイッと飲んじゃってね」

「ありがとう……助かりました」


 蒼に膝枕をしてもらいながら、ペットボトルに入った水をクピクピと飲む。

 さて、突如として始まった今回な訳だが、俺に何があったのか。その説明をしよう。簡単に言ってしまえば逆上せてしまったのだ。風呂から上がる時に急激な温度変化を体に与えたのが原因かと思っていたのだが、そもそもの話、最初から俺は湯船につかりすぎていたのだ。ゆえに温度変化云々は全く関係無かった。

 ともかくフラフラになった俺を見て蒼が飛んですぐにこうして楽な状態にしてくれて、今があるというわけだ。本当に蒼には感謝しかない。これが実家なら、現に水入りペットボトルを「ヘイ!ラグビーのパス!」なんて言ってふざけながら渡されるに違いないからな。

 蒼の柔らかな膝を堪能しながら体を冷やし、時々水を飲んで内側から潤していく。段々とぼやけがちだった思考と視界もクリアになってきたところで、蒼の膝を解放することにする。


「蒼ありがとう。本当に助かった」

「ううん。でも、今後はちゃんと自分の体に無理させない程度に考えながら湯船に浸かってね。今回は外でフラついてたからまだ良かったけど、このフラフラが湯船の中で始まったら私も気づけないかもしれないからね」

「はい……反省してます。気をつけます」

「ん、分かったならよし」


 小さい子供を宥める時のような頭の撫で方をされる。

 その相手が蒼だから全く嫌ではないが、しっかりと怒られたのでそこは本当に反省しなければならない。

 ともかく、蒼がご飯を作ってくれたようなのでそれを並べる手伝いでもしよう。



✲✲✲



 夕飯を食べ終えて、一時のゆったりとした時間を過ごした後、俺達はベッドに潜ることにした。

 受験が終わり、2人とも何かに追われる生活ではなくなったためか、ストレスが急激に減ってゆっくり休めるようになってきた。けれど、毎日毎日ゆっくり休んでいたら、それこそ体力が余ってくるわけで、すぐに眠たくなるのかと尋ねられれば、そうではない、という答えが出てくるだろう。


「バイト、どっちも通るといいね」

「だな」

「通ってたらさ、冬休みに思い切って遠くに旅行に行かない?お金少し貯めてさ」

「いいなぁ。どこ行く?」

「うーん、北海道とか?」

「ふ、冬の北海道は死ぬんじゃないか?」

「え、そ、そうかな?なら九州の方に行ってみない?」

「九州か。いいな。長崎とか行ってみたい」

「じゃあ、そこに行こうよ」

「そうしようか」

「うん、楽しみにしとこうね」


 寝る直前の会話もほどほどに楽しみつつ、俺達はくあぁとあくびをしてから寝る。


第536話終わりましたね。刻がのぼせて上がってきた時蒼の超高速看病体制はものすごいものがあったそうです。ぼやぼやしてよく見えていなかったんです刻にもその気迫だけは伝わったらしく、流されるままにぽふんと膝枕してもらったようですね。

さてと次回は、24日です。お楽しみに!

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